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ポスト・ロック

(音楽)
ぽすとろっく

変な音、変な響き、変な楽器などが使われた変な音楽でかつロックっぽい、ポップっぽい(割と聴きやすい)音楽に関して説明する場合この単語を出しておけば誤魔化せます。

語源

1994年、《ワイヤー》誌に掲載されたサイモン・レイノルズ氏の論考で有名となった言葉。「ロック的な編成でロックではない(Non-rock)ものを求める」類の音楽、の表現があります。

歴史

90年代中盤:誕生

Tortoiseを筆頭としたシカゴ音響派の台頭。トータスは合衆国のアンダーグラウンド・シ−ンに根を置きつつ、ラップトップを大胆に導入した斬新なサウンドで「次世代型のロック」を提示しました。この近辺には独自の人脈(ジム・オルーク、シー&ケイク、ダイレクションズ・イン・ミュージック、マイス・パレード、ヒム、ステレオ・ラブ、ウイ…)が広がっていて、現在でも「ポスト・ロック」と言ったときにトータス周辺を念頭に置いている愛好家も多いです。

90年代後半:展開

カナダでコンステレーション・レーベルが発足(1996年)。Godspeed You Black Emperor!の登場が衝撃を与える。弦楽器を多用していますがポスト・パンク〜オルタナ以後の攻撃性を帯びている点で従来型のチェンバー・ロック(プログレ起源)とは異なった音になっています。ボレロ式に盛り上がっていく10〜15分の長尺の演奏が一つの型として定着。

97年にはMogwai(《Ten Rapid》)とSigur Ros(《Von》)がデビュー。後続のバンドに大きな影響を与えていきます。

90年代末〜00年代初頭:多様化・拡散

Tristezaのデビュー(98年)を皮切りとし、インストゥルメンタル指向のバンドが多数登場。北欧(Diefenbach、Lemko Hall)、日本(Toe, 54-71)までを含んだ独自のシーンが成熟。後にマス・ロックと呼ばれる(Shellac,65daysofstatic,Battles) テクニカルな傾向もこの延長上に発生しています。
一方でリミックス作業などを通じてIDM/エレクトロニカ系との接点が作られていきます。デビュー以来地道にエレクトロニクスの導入を試みてきたHoodが独自の評価を獲得。日本ではEnvy, OOIOO,world’s end girlfriend, シンリシュープリームが世界的に評価されていったのもこの時期でした。
ギター・アンビエント寄りの作風、あるいはハードコア系と接点を持つバンドも登場。「ポスト・ロック」と形容される領域がさらに拡大・拡散していきます。

補遺

  • 使う人によって指すバンドや音楽が大分異なっていますが、Franz FerdinandやBloc Party、Mewなどはポストロックの文脈で語られませんのでその意味での漠然とした了解は今でもあるのではないか、と。
  • いずれにせよ新しい音、変わった音を含んでいるロックであれば何でも「ポスト・ロック」と呼べてしまう現状にはなっていると思います。気の早い人は既に「ポストロックは死んだ(Postrock is dead)」の宣言をしています。言った者勝ち?
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