ボリス・ヴィアン(Boris Vian) 作家、詩人、ミュージシャンなど。
<プロフィール> 1920-1959 フランス パリ郊外生まれ (男) ジャズ・トランペット奏者、シャンソンの作詞作曲をする傍ら、小説、戯曲を書いた。 すべてのルールと理論を拒否し、自由自在な言語表現に徹した彼の作品は死後、コクトー、サルトルらに評価されて若者たちの爆発的支持を得る。 39歳の若さで死去。
・小説(ボリス・ヴィアン名義)
・小説(ヴァーノン・サリヴァン名義)
・詩集
・戯曲
ボリス・ヴィアン全集〈12〉醜いやつらは皆殺し 作者:ボリス・ヴィアン 早川書房 Amazon さて、ボリス・ヴィアンである。作家、ジャズトランペッター、歌手、画家、俳優、などその多才ぶりは、おフランス好きの少年・少女、元少年・少女にとっては胸を焦がす永遠のアイドル的存在である。 彼の著作というと決まり文句のように『うたかたの日々』や『心臓抜き』、『墓に唾をかけろ』あたりが挙げられるが、僕は『醜いやつらは皆殺し』(ボリス・ヴィアン全集12)を第一に取り上げたい。 これはいけます。『うたかたの日々』で挫折した人もすいすい読めます。久しぶりに再読してみたが、「僕」の一人称で書かれた文体は、全然古び…
この映画に興味を持ったきっかけは香水だった。 ムードインディゴ lesillage.thebase.in ふわふわっとした花の香りから段々と水辺の匂いになり最後は深い水底に来たような感覚になる何とも言えない香りだった。 この香りは「うたかたの日々」と言う映画をモチーフにして作られたと言う。 肺の中に睡蓮の花が咲く病気になった妻の為に奔走する男の物語らしい。 とてもシュールな映画でダンスシーンで人物の足がびょーんと伸びたりするとかなんとか、、 不思議でロマンチックな物語なのかな?と興味をそそられた。 アマプラで無料では無かったのだけど、どうしても観たくなってレンタルして観ました。 見初めて5分で…
仏文50チャレンジ第6回の感想は、第14位の『うたかたの日々』(光文社古典新訳文庫、野崎歓訳)についてです。 前回『三銃士』の感想はこちらから。 guntou.hatenablog.com あらすじ 空想が現実に存在する世界。十字架のイエスが話し、そしてジャン=ソール・パルトルが熱狂を生み出している世界。 自由気ままに生活できるほどの資産を持つ若者コランは、ある日デューク・エリントンの曲と同じ名前を持つクロエと出会い、結婚する。 幸せの絶頂にあったが、ある日クロエの肺に睡蓮が成長していることが判明。治療のため、コランは花を買い続ける。次第に資産が尽きコランはついに働き始めるが、その努力も虚しく…
昔読んだフランス小説に、大切なものは恋と音楽だけでほかのものは消えていい、という一節があった。 私がこの世界に残しておきたいものを2つだけ選ぶとしたら、なにを選ぶだろう。そんなことを『ヒルナンデス』を観ながらぼんやりと考える。 平日お昼に放送されているこのTV番組は毒にも薬にもならず、ただ眺めているだけで時間が過ぎていく。ほかの局がこぞってウィルス感染者数の拡大を報道しているときも、まるで違う世界線から放送されているようにのんきにファッションコーデバトルをしていて、どこか救われたような気がした。 2020年、私たちはいろんなことを制限されてきた。夏も終わりに近づき、少しずつ外出の機会も増えてき…
うたかたの日々 (光文社古典新訳文庫) 作者:ヴィアン,野崎 歓 光文社 Amazon ★★★ 有閑階級の青年コランは、パーティーでクロエという名の女性と出会ってデートする。やがて結婚した2人だったが、クロエが胸の病気に冒されるのだった。医者の検査によると、肺の中に睡蓮が生えているという。金に困ったコランは、治療費を稼ぐために働きに出る。 「あの人たち、どうしてわたしたちのことをあんなに軽蔑するの?」クロエが尋ねた。「働くのは、そんなに立派なことかしら……」 「連中は、働くのは立派なことだといわれて働いているんだよ」コランはいった。「一般論としては、働くことは立派なことなんだ。でも実際にはだれ…
【あ】アーモンドの樹(ウォルター・デ・ラ・メア)アイオワ野球連盟(W・P・キンセラ)愛しているといってくれ(マージョリー・ケロッグ)愛の果ての物語(ルイザ・メイ・オルコット)青い花(レーモン・クノー)赤い高粱(莫言)赤毛のサウスポー(ポール・R・ロスワイラー)悪魔なんかこわくない(マンリー・ウェイド・ウェルマン)悪魔に食われろ青尾蠅(ジョン・フランクリン・バーディン)悪魔の収穫祭(トマス・トライオン)悪魔のベッド(ジャン・レイ)悪魔はぼくのペット(ゼナ・ヘンダースン)悪夢の化身アシスタント(バーナード・マラマッド)明日に別れの接吻を(ホレス・マッコイ)熱い太陽、深海魚(ミシェル・ジュリ)あっぱ…
冷たい雨。 Kさんが個展を開いているので市内のギャラリーへ。 川岸のセンダンの実が美しい。この写真では伝わらないけど。 「おおっ!」と驚かせられたインスタレーション カラフルなクリップがブラ下がっている。 白ダンボールにパステル。徹底的なチープ路線に共感。 この後、駅前のジュンク堂書店へ。久々の本屋。 一番驚いたのがこの書棚。俺も就職する学生の推薦書を書く時に難儀した。 「ちょっと的外れな所もありますけど、まあ、いい人ですから雇ってあげてください」と書いてもいいのだけど、儀礼的なものでもあるので何か参考になるものはないかと探したりして、30分以上もかかっていた。 それをクラス全員に書くのだから…
そういえばこのブログ、当初の出発点はウォーラステインの世界システム論(World-Systems Theory)の検証辺りだったのです。 世界システム論(せかいシステムろん)とは - コトバンク 近代以降の世界全体を単一の社会システム,すなわち世界資本主義体制としてとらえ,その生成・発展の歴史的過程を究明することによって,さまざまな政治経済的諸問題,とりわけ国家間関係,経済的な支配・従属,世界秩序の構造と変動などを全体的に究明しようとする理論。まず世界をアメリカおよび他の工業諸国から成る「中心」と,発展途上国から成る「周辺」に分けた上で,前者によって後者が搾取され,さらに両者によってその周辺が…
神代植物公園 第32回MK学習会 12月1日 参加者4名 『文学とは何か』(加藤周一 2014 角川ソフィア文庫)について取り上げました。 選書理由は、これまで課題図書として文学を扱ってこなかったから、というものがありました。なぜ、文学を扱ってこなかったのか、数年前のことを振り返りました。 学習会の開催準備をしていたころ、平和のための知識を学びたいと、個人的な思いを抱いておりました。それが、現在も選書をお願いする図書館員さんの当時の興味とも重なり、集って関連するテーマ図書を学ぶことになったように思います。関心ごとだったリベラルアーツの歴史を調べたり、参加者を募ろうかと企画したり、準備が進みまし…
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 愛を語り、友情を交わし、人生の夢を追う、三組の恋人たち──純情無垢のコランと彼の繊細な恋人のクロエ。愛するシックを魅了し狂わせる思想家の殺害をもくろむ情熱の女アリーズ。料理のアーティストのニコラと彼のキュートな恋人のイジス。人生の不条理への怒りと自由奔放な幻想を結晶させた永遠の青春小説。「20世紀の恋愛小説中もっとも悲痛な小説」と評される最高傑作。 1865年、アメリカ南北戦争を終え、黒人奴隷が解放されました。アメリカの南部に位置するルイジアナ州の港町ニューオーリンズでは、政府公認の娼館のある歓楽街で、解放された元奴隷たちは生きていくために酒…
👇のリストがベース 1~1001番までは2007年版の年代順。 1002番以降は2007年以降に追加された書籍順。 英語表記は翻訳されていない本。(見落としあったらコメントください。。。) 1000~1100/1300くらいは翻訳されてそう。 訳が古かったり、世界文学全集の中だけ収録されているものだったり、割と希少本も少なくないので、図書館など活用して消化していきたい… 1. Aesop's Fables (Aesop) 1 イソップ寓話集 アイソーポス 2. Ovid's Metamorphoses 2 変身物語 オウィディウス 3. Chaireas and Kallirhoe 3 カイレ…
恋する潜水艦 / ピエール・マッコルラン(著)、大野 多加志・他(訳) 陶器製のチューリップ、学のある豚ソーセージ、人工飼料で飼育された大砲、深海でハンマースリコギ魚を写生する画家―奇妙奇天烈な多数のオブジェが登場するなか、超人カール大佐が艦長を務めるUボート713号は、南国の美しい歌姫に恋してお魚に戻っていく…「ジャリの『ユビュ王』とダダイズムとの架け橋となった作品」と評される未来派的な奇作『恋する潜水艦』。古びた海賊の地図をたよりに、金銀財宝を求めて上陸した島に見いだしたものは…“『宝島』異聞”ともいうべき傑作『海賊の唄』。カリブ海を荒らし回るバッカーニアたちの多彩なエピソードをモザイク状…
展覧会『興梠優護・坪山小百合』を鑑賞しての備忘録ナイトアウトギャラリーにて、2023年6月24日~7月9日。 興梠優護6点、坪山小百合6点、共作2点の14点の絵画で構成される、興梠優護と坪山小百合との二人展。ギャラリーの窓(奥)に向かって、右に興梠作品、左に坪山作品が、同じサイズの画面が向かい合うように展示される。興梠作品の赤系でまとめられた画面と、坪山作品の緑味を帯びた画面とが対照をなす。 興梠優護《| 118》(652mm×455mm)は、俯く女性の上半身を右側から捉えた作品。灰色を背景に、水色の薄い布を被ったように、女性の姿は曖昧に表わされ、髪や胸の高さの辺りには布を表現すると思しき水色…
私は"Institute Français"というフランス語学校に通っていてます。この学校はDELFというテストに沿ってA1(初心者)~C2(熟練)にクラス分けされていて、1つのレベルを2ヶ月程度で終わらせるスケジュールになっています(基準が分かるように写真を添付しています)。週5回(月~金)9時~12時の3時間の授業で、お値段は1ヶ月20万CFA(4万6千円程度)くらいです。 私は4月中旬から通い始めて明日でA1が終了します。A1を終了すると日本の仏語検定の3級に相当する実力がついているようで、確かに仏検3級の過去問をある程度解けるようになっていました。この2ヶ月を振り返ってみて、テキストの…
身心が反応する音があり、リズムも。しかも、脳に入り込む言葉が意味を運んでくる。それだけではない。いくつもの名づけられていない領域が、前のほうからやって来るのだ。脳や心、身体が1つになっていく。 ▲『陽射し』(写真)自転車を降りる。足もとを視た。「何だか美しい」そう、感じてしまったのである。 www.youtube.com【驚いた/今日も少しだけ】「えっ?」 ウェブ内をフラフラしていたら、大昔、友人たちと作った自主制作盤と遭遇した。 オークションサイトで売買されていたようだ。 aucview.com バンド名は、酔いどれサムソン。 4人編成の一応、ロックバンドだった。 レコードを作ってくれた業界…
4/11 22:05 最近は自分から最速で逃げ切りたくて最高と最低の両極端をシャトル乱しており65パーとか78パーを愛せないことに泣いてる 4/13 18:56 今日はご飯屋さんでも電車内でもその場にいない新人への悪口が聞こえてきえて、できるように教えるのが上司や先輩の仕事なのではとうっすらおもった 大昔ひとまわり上の上司に頭が悪いのか要領がわるいのかどっちかしてくれない?どっちも迷惑だけどと2人きりの昼休みに直接言われてトイレでしずかに泣いた。本当によく注意されていたけど、言い訳しないところが良いところとのことだった その上司はボリス・ヴィアンの小説を貸してくれて(既読だったけど再読し感想を…
別冊宝島Real 17「腐っても『文学』!?―作家が知事になり、タレントが作家になる時代のブンガク論」(大月隆寛 監修、2001年)を図書館で借りる。 なぜこんなカビの生えたような、内容的には完全に死文化していると思われる本に手が伸びたかというと、 「好きだから“ブンガク”をやる」とか、そんな呑気なことじゃないんですよ!と題する中原昌也のインタビューが載っているからで、それに加えて、当ブログが注目する執筆陣(小谷野敦、吉田豪、大谷能生)の記事がまとめて載っているからなのだ。 この組み合わせって、今見ると結構斬新じゃね? というわけで、これらの記事についての感想を。 まず ・私小説の末裔?近ごろ…
4/01 ヴィトルト・シャブウォフスキ「独裁者の料理人 厨房から覗いた政権の舞台裏と食卓」白水社/ISBN: 9784560094822*1 4/05 中嶋博行「検察特捜 レディライオン」講談社/ISBN: 9784065306369*2 4/05 重松清「はるか、ブレーメン」幻冬舎/ISBN: 9784344040960*3 4/05 南杏子「いのちの十字路」幻冬舎/ISBN: 9784344040953*4 4/05 高見澤俊彦「特撮家族」文藝春秋/ISBN: 9784163916804*5 4/05 真下みこと「わたしの結び目」幻冬舎/ISBN: 9784344040663*6 4/05…