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ホラティウス

(読書)
ほらてぃうす

(B.C.65-B.C.8) クゥインティウス・ホラーティウス・フラックス Quintius Horatius Flaccus 。ホラーティウスとも。
ウェルギリウス(B.C.70-19)と並び称される、ラテン文学黄金時代であったアウグストゥスの世紀(B.C.63-A.D.14) を代表する古代ローマ詩人。その作風は辛辣な批判や風刺で知られるが、基本的には「中庸の精神」を信条として説く。ラテン語の詩の語法、韻律、詩形、修辞などの完成者でもある。

南イタリアのアプリア地方のウェヌスィア(現ヴェノーザ)に生まれる。12歳のころ、父とともにローマに上り教育を受け、18歳のときアテナイに赴き文学と哲学を修める。アテナイ滞在中にカエサルの暗殺、ピリッピーの戦いが起こり、彼はブルートゥスの軍に参加した(B.C.42)。ブルートゥスがアントニウスとオクタウィアヌスの連合軍に敗れると、彼は故郷に逃げ戻る。以後、故郷で詩作を始める。

◆作品◆
・『風刺詩』Saturae
発表の時期のことなる二巻の詩集。編者によってはこれと『書簡詩』をあわせて『談話集』Sermonesと読んでいる。
第1巻は前35年頃に発表された。さまざまなタイプの人間を皮肉な調子で歌う10編の詩からなる。その主題は人生の不満あるいはどん欲を戒めるエピクロス的思想の影響が濃厚である。第2巻は前30年ごろ発表され、8編の詩で構成されている。
・『エポーディー』Epodi
Iambiと呼ばれる短長格を主調にした韻律で書かれた叙情詩で、さまざまな主題を含む17編の短詩編。前40から30年頃に書かれたと考えられている。風刺的調子の詩が多い。
・『カルミナ』Carmina
4巻からなる103編の詩集。叙情的というより瞑想的な内容の詩集。最初の三巻は前30から23年に書かれたが、第4巻は続く10年間の間に書かれ、前13年に発表された。個人的な生活感情を歌う詩もあるが、社会的な問題をエピクロス的人生観に基づいて詩的に表現した作品が多数を占める。
・『書簡詩』Epistulae
前20から13年に書かれ、前13年に発表された作品。22編の書簡詩が二巻にまとめられている。第1巻は20編が所収され、個人的な生活や、人間の幸福、倫理などをテーマにしている。第2巻は二編からなり、それぞれアウグストゥス帝時代の文学を語る文芸批評的内容のものと、自身の文学的体験を記す自伝的内容のものに分かれる。
・『祝祭歌』Carmen Saeculare
アウグストゥスが定めたローマ祝日用に、皇帝から委嘱されたローマ賛歌。前17年に書かれ、発表される。
・『詩論(詩について)』Ars Poetica
本来は『書簡詩』に含まれていたもの。476行の長い、詩形式で書かれた文学論。詩人の友人であるピーソーに宛てた書簡の体裁をとっている。アリストテレスの『詩学』と並び、この『詩論』はルネサンス以降近代にいたる西洋文学の創作に大きな影響を与える。
・『頌歌』Odes
アルカイオスやアナクレオンを模倣・翻訳し、2つの四歩格行の後に2つの三歩格行を置くという古代ギリシア形式で書かれた。

アリストテレース詩学/ホラーティウス詩論 (岩波文庫)

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ホラティウス全集

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ホラティウス 人と作品

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