【homosocial】 セジウィックによる概念。
ホモフォビア(同性愛嫌悪)とミソジニー(女性嫌悪)を基本的な特徴とする男性同士の擬似同性愛的な強い親愛・連帯関係。
それ自体、同性愛と見まがうような強い接触・親愛関係でありながら、同性愛者と女性を嫌悪・蔑視して排除し、異性愛男性同士で閉鎖的な関係を構築する。
例としては、軍隊や体育会系などに見られるマッチョな関係。
→欲望の三角形(ジラール), 女性の交換(レヴィ=ストロース)
男同士の絆―イギリス文学とホモソーシャルな欲望―
クローゼットの認識論―セクシュアリティの20世紀
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保険会社のサラリーマン、バディ(ジャック・レモン)は、不倫の情事用に既婚の上司たちに自分のアパートを貸している。よい評価、出世と引き換えだ。しかし、新たに部屋の貸し出し先に加わった人事部長のお相手は、バディが思いを寄せるエレベーターガールのフラン(シャーリー・マクレーン)だった。 ネタバレを含みます。 タイトルのとおり、今見ると、人間的であろうとする男性が、社内の女性をいっときの情事の相手としか見ず、下位の男性には無理な奉仕をさせる会社の上司たちの男社会(ホモソーシャル)を降りる話だと思った。 主人公のバディは、出世を目指して上司に取り入ろうとするが、貸し出した後の散らかった部屋をてきぱき片付…
文春の仕掛けにより、突如、松本は事実上の「退場」を迫られるに至っている。 今後は裁判闘争が見込まれるものの、どのような見通しとなっていくかは、事実関係解明の進捗とともに、今後の展開次第だろう。 事実関係自体が最重要なのは当然だが、(現状ではその解明が開始されたばかりの段階でもあり)本稿では、それを云々することが目的ではない。 今回の騒動は、(先の「闇営業騒動」に次いでの)「芸能史上の重大な政治事件」になっていく(既に「なっている」か)筈だ。 自分の(「政治」上の)注目点としては、 ・(事実関係やその解明含めた)松本自身の「ケジメ」のつけ方 ・吉本は、いつまで松本に「伴走」していくのか ・今後の…
大学で全10回のゲストレクチャーを受けた際、抽象的な概念についてペラペラ話し続けたり、難しい哲学用語を並べて授業を行うゲスト講師が2~3人いた。ゲスト講師10人の男女比は男7:女3だったのだが、難解な語りをする講師に女性はいなかった。また、後期の全4回の授業は、ゲスト講師として女性と男性が2回分ずつ来た。女性ゲストはスライドを用いて、具体的で親しみやすい内容を話し、男性ゲストは抽象的で概念的な内容であるにもかかわらず、ほぼ全て口頭で授業を行っていた。なぜだか、難解な語りをするのはかなりの確率で男性なのである。なぜ、男性の中には、専門的で高度な知識を披露したくなる人が存在するのだろうか?
「暇空茜問題 日本のミソジニー」 kiyotaka-since1974.hatenablog.com で取り上げた、NHK・Eテレ「100分de名著スペシャル 100分deフェミニズム論」の話の続編を。 いろいろ面白い番組であったが、今回取り上げるのは、ホモソーシャル(同性同士の絆)の話。 筆者のメモによると、以下のとおりである。 ・男が女を選ぶとき、ライバルも女をすでに選択していることが大切。 ・ホモソーシャルな男の欲望は女に愛されるのではなく、男に認めてもらうことである。 ・女性にはカネと権力がなかったので、女性のホモソーシャルはない。 これを見て、筆者が思ったのは、阿久悠が作詞した「学園…
歴史はかなり好きだが、近代日本政治史を通史で読もうとして、結構辟易した覚えがある。 当時はきちんと気付けた訳ではないが、絶えずジイさんばかりが入れ替わり立ち替わり出てくるだけの代わり映えのない(ホモソーシャルな)歴史に、ウンザリしたというのが正体だと今ならわかる。 www.amazon.co.jp さいとう・たかを「大宰相」(戸川猪佐武原作)をようやく読了。 これも長いこと読めなかったが、「ジジイの歴史=プロレスの歴史」の視点に気づいたら、スラスラ読めた(「ヤクザ(=親分・子分支配)の歴史」と書こうとしてやめたが、どっちでも同じだ。笑) ジイさんたちの「プロレス」も、「怨念」と「執念」のねじり…
(ネタバレ注意) 少し前だが、自主上映されていた映画「わが青春つきるとも」を見た。 戦前の社会運動家伊藤千代子を主人公にしたもの。 映画自体とても素晴らしいもので、史実として知らないことも結構あった。 それについては、また別の機会があればまとめたい。 「転向」(運動者側の視点では、「変節」という言葉が使われていた)について、最近ハマっているフェミ・男性学的な視点で、少し気づいたことを記しておきたい。 この映画の素晴らしい点は、徹頭徹尾「若き女性運動家」の視点から、戦前の社会運動を描いた点で、「ゾンビ化したマルクス主義運動者の自慰」に陥ってない点だ(映画観覧者が本当にじいさんばあさんしかおらず驚…
先日、銀行の窓口で60歳代の男性が窓口の行員に対応が悪いと罵声を浴びせていました。相手が女性で若く、しかもヒラだからでしょう。彼は女性蔑視(ミソジニー)をしているのです。「男らしさのボックス」(後日詳細は投稿します)に閉じ込められ、ネガティブなホモソーシャルの世界で生きているから、何の躊躇いもなく行員を怒鳴るのです。同じ対応で、相手が男性で、役職付きでしたら、どうだったでしょうか? 私たちはこのような場面に何度も遭遇します。そんな時に、モヤモヤして確実に自分が二次被害を受けますよね。そういう社会を変えていくにはまずそのことにモヤモヤしているだけではなく、その構造を学ぶことです。 最近、ミソジニ…
ネットでも日常でも「非モテ」という言葉は聞かれるし、男性自ら「俺は非モテ」と自称するする人もいるが、非モテとはいったんなんなのだろうか。一般的なイメージでは「モテない男」というイメージだし、weblioでも同様の定義をしている*1。 「非モテ」の当事者研究を行う社会学者西井開は、研究を通じて、非モテとは恋人の有無ではなく、男性同士の人間関係から生じた性質であること明らかにしている。「非モテ」の行動様式が、どのように形成され、意味づけられ、評価され、価値内面化してくのを明らかにしたのだ。結果として「恋人がいない」ことを強調されるが、それは「非モテ」現象の一部分に過ぎない。 「『非モテ』男性はモ…
男性はなぜ風俗に行ったことを自慢げに話すのかを、前々から不思議に思っていた。 出張に行った時に、デリヘルを読んだにも関わらず「チェンジ!」と言い放ちデリヘル嬢と揉めて警察沙汰になった話。家にデリヘル嬢を呼んだことが嫁にバレて3ヶ月口を聞いてくれなくなった話。 書き出せばもっと書けるけど自主規制する。 風俗だけではなく、女性に対して酷い扱いをしたことも自慢する。 たまたま飛行機に乗り合わせた女性とそのままホテルへ行くことになり、セックスしている様子を撮影して、それを会社の男性に1000円で売りまくった同僚がいた。信じられないことだけど、この話は社内のみんなが知っていた。 他には仲良くしていたデリ…
以前書いたこの記事。桃山商事代表の清田さんの話をちょっと書いた。 関連記事→ 私の人生を大きく変えた記事の話【エッセイ】 清田さんの新刊が出たので図書館で借りて読んでみた。買えよって話だけど。 「さよなら、俺たち」清田 隆之(桃山商事) (著) (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a; b[a]=b[a]||function(){arguments.currentScript=c.currentScript ||c.scripts[c.scripts.length-2];(b[a].q=b[a].q||[]).push(argum…
8人組ソウルバンド・思い出野郎Aチーム。2021年からはサポートミュージシャンと手話通訳者をメンバーに迎えた編成でも活動している彼らの楽曲に、「フラットなフロア」がある。 フラットなフロアつまづくような段差はないフラットなフロア何かを遮る壁はないフラットなフロアに向かう君が誰でもいいぜスポットライトに照らされて僕らの肌はまだら模様話す言葉は歌に溶けて聞いたことのないラブソング信仰よりもコード進行右左よりも天井のミラーボール♫ フラットなフロア/思い出野郎Aチーム この楽曲で歌われる「フロア」とは、パーティーのダンスフロアを意味しているのみならず、私たちが暮らすこの社会そのものをも表しているので…
遅れ馳せながら、フェミマガジン『エトセトラ』の「特集:男性学」号(vol.10)を読んだ。同誌はこれまでに「特集:くぐりぬけて見つけた場所」(vol.7)を読んだことがあって、とても面白かったのを覚えている。 今号も、掲載されている論考はどれもとても面白いのだが、雑誌としての全体の構成がやや読みにくいように感じた。よって、本来の順序とは関係なく、自分にとって説明しやすい順番で感想を書いていく。 まず、そもそもこの特集号はどういう意図で編纂されたのか。背表紙には以下のように書かれている。 性差別がはびこるこの社会では、実は「男」のことすら誰も考えていない。語られてこなかった男性の多様さはどこにあ…
日本国首相・岸田文雄は4月8日から14日までアメリカを公式訪問し、アメリカ大統領バイデンとの会談において、「日米両国がかつてなく強固な友好・信頼関係に基づくグローバルなパートナーとなっていること」を確認した。日本国首相が国賓待遇でアメリカを訪問したのは、2015年の安倍晋三による訪問以来、9年ぶりのことである。このような「公式訪問」は、日米関係の転換点になってきたと言われているが、それは今回も例外ではない。すなわち、岸田訪米は、日本の独占ブルジョアジーが安倍政治からの明確な転換をアメリカ帝国主義に対して表明した出来事として特徴づけられうる。 今回、アメリカ上下院における演説で、岸田は次のように…
テイラー・スイフト - The Man MV 男らしさの呪縛が、男性も女性もLGBTQの人たちも苦しめているのかもしれない トキシック・マスキュリニティ ビリー・アイリッシュ- bad guy MV bad guy なのは男性だけとは限らない セクシーでちょっと頭がわるいくらいがいい女という古いステレオタイプ ショーン・メンデス Wonder MV 泣いたり弱音を吐くのは男らしくない? 有害な男らしさからの解放 最後に:有害な男らしさの正反対にあるBTSの世界を見れば・・・ 【BTS 日本語字幕】メンバー仲良しシーンまとめ♡〔動画〕 BTS Emotional Moments〔動画〕 【BTS…
// YouTubeの才能と圧倒的な華、そしてなによりも愛嬌資本とでも呼ぶべき他者から好かれ許される愛くるしさに満ち溢れたハンサムな男と、愛されることが仕事であるアイドルの出自から芸能界を20年近く生き延び、自分を魅力的に魅せる術を知り尽くした美しい女。生まれようとしている待望の第一子。そんな万人に祝福され応援される家族の陰で、もはや話題に上ることすら少なくなった、絶望的に愛嬌資本に恵まれなかった女のことをわたしは忘れない。彼女の動画を面白いと思ったことはない。昔、男は彼女を「圧倒的パフォーマンスを誇るエンターテイナー」と評して、自信喪失するほどの衝撃を受けたらしいが、そのときは紛れもなく煌め…
女ぎらい――ニッポンのミソジニー作者:上野 千鶴子紀伊國屋書店Amazon今週のお題「お弁当」 今朝、毎月恒例の発達障害を考えるオンラインミーティングに参加する。思い出すに、ぼくたちはこのミーティングを9年ほど前に始めたのではなかったか。その後、オフラインでやってた頃は料理を試みたり散策したり、あるいはおのおのの関心あることや仕事などでの成果を紹介したりしあったのだった。今日はぼくは、R・D・レイン『好き? 好き? 大好き?』についてぼくの思い出とからめて紹介した。他のメンバーはそれぞれの仕事について話してくれた。午後にイオンで弁当を食べたあと、本腰を入れて上野千鶴子の本を読まねばと思い『女ぎ…
パチーノ×デニーロの二大スター共演。街の臭気に銃の火薬が煙る。男の美学がむんむんに立ちこめる──あるいは至高のホモソーシャルに巻き込まれる女たちの悲劇。そんな黒い磁場に引き寄せられる少女時代のナタリー・ポートマンもまた。 ☆3.1
こんにちは。 てるまです。 形だけでも社会人になって3週間経ちました。 この3週間で学んだら感じたりしたことを殴り書きします🤛 まだ研修中なので社会人の辛さとか精神的負担みたいなところが理解できているとは思いませんが、いちばん感じるのは会社のコミュニティが同質的だということです。 同じ新卒の同期たちは、当然出身地やこれまでやってきたことや趣味なんかは多種多様ではあるのですが、生まれ育ってきた環境や精神的な側面を大雑把な視点でみるとかなり同質的に感じます。 同じ条件で採用活動しているから当然といえば当然なのかもしれません。ただ、ペーパーテストだけで合否が決まる大学のコミュニティの方が育った環境や…
以前に他垢ブログで書いた映画評「「山守親分」観の変化」や、以前書いた「なぜ日本人は「いい人・やさしさ」「美談化」に逃げるのか?」の、補完的な内容となる。 自分の狙いは、(現代学校教育への系譜へも連なる)「道徳」と、「儒教・儒学」が、どのように日本社会や人々のものの考え方を支配しているかを抉り出したうえで排除し、近代的な(無論正確な法知識に根差した)法感覚・法意識へと植え替えるところにある。 (正確には、「仏教」的思想も支配的影響力を持ってきた(日本では「神道」も)が、ここでは便宜上、「道徳」を「儒教・儒学」との関係で整理することとする) 最近、ある動画の講義で、「日本人て『道義的責任』が好きで…
日々次々と流れては消えてゆくニュースに頭の中がまとまらず気持ちが悪いので、今の世界と日本について感じている不安、疑問などをとりあえず思いつくまま書き出してみました。 すぐに答えのでないことも多いし、正解もわからないし、相反する意見もあるだろうと思いながら、とにかく気になることを書き出してみたらリストがとても長くなって驚いてます。 ただ、ずっと頭や心のあちこちにひっかかっていたことが整理されて少しすっきりしたような気もします。何も解決したわけじゃないけど、自分の中で現状を把握した感じでしょうか。 私とは気になることがまた違うであろうみんなの気になるリストも見てみたいです。 戦争の懸念 法律改定に…
・ミライの源氏物語著者:山崎ナオコーラ出版:淡交社 大河ドラマ(光る君へ)の便乗本…じゃないかな?出版は23年3月だし。その頃には決まってたから、「狙った」って可能性もなきにしも…?どっちでもいいんですが、僕が大河の「副読本」として読んだのは確かですw。 「千年も前の作品なんだし、そのころ書いた人/読んだ人の考え方や常識は今と違う。それを今の視点から批判するのは無意味」…ってのは当然だし、著者もそんなことは重々承知。「その当時の人はどんな風に考えたり、とらえたりしていたか」をベースにするのは研究者なら当然だし(ナオコーラさんは源氏物語を研究されてたことがあります)、そういう視点で読書するってい…
オタク新陳代謝、良すぎ。 あれにハマったこれにハマったいうのが恥ずかしいですが、私の生きた記録ですし、このくそデカな想いをどこかに書いておかないと自分が気持ち悪いので書いちゃう。 去年の4月から1年間新規ハイで過ごしており、3月末に急に終焉を迎えることになった。大きなきっかけがあったわけじゃないけど、向き合ってみた結果、簡潔に言うと、①度々ホモソーシャルを感じることに嫌悪感がある。②女性絡みのことが嫌で自衛する心がある、という何とも面倒な気持ちであることがわかった。なっちゃんに限るとどちらにも当てはまらず、当てはまらないから、好きになったんだろうなと気が付いたけど、めんどくせえオタクだ。本人た…
平安文学研究者出身の作家・奥山景布子初の古典エッセイ。 「フェミニズム」「ジェンダー」「ホモソーシャル」「おひとりさま」「ルッキズム」など、現代を象徴するキーワードを切り口に「源氏物語」を読み解くとのこと。 夕顔の企みとか、葵の上と六条御息所の因縁とか、『雨夜の品定め』で光源氏が同僚らとともに「理想の女」「ひどい女」の話で盛り上がるくだりは「ホモソーシャル」とか。 ほぉほぉ、面白い視点だわ、これは。 脳内BGM♪水中メガネ/草野マサムネ
性欲って「生理現象、マスターベーションで満足できるもの」と「他者と触れ合いたい、セックスで満足できるもの」の大きくふたつに分けられると考えている。 まず生理現象として性欲が高まったことを知覚し、マスターベーションもしくはセックスを選択して収まる、ということかもしれないが。 私は女性の身体に生まれ20数年女性として生きることを選んでいる。男女二元論の話になるが、「性行為」の意味は男女で異なっているのではないか。生殖機能についても同様である。女性が加齢して、生殖機能が衰えることは閉経として顕れる。感じ方はひとそれぞれで検証したわけではないが、月経の煩わしさから解放されることは嬉しいことだと推測でき…
前回読んだときは、アダム・スミスのアメリカ分離論も、アーレントの「革命について」も深くは知らなかった。再読では彼らの考えを参考にする。前回の感想。 odd-hatch.hatenablog.jp イギリスは7年戦争(1754-1763)で疲弊していた。ヨーロッパのほとんどの国が参戦した長期間の戦争は勢力図を変えるのであった。このときイギリスは戦費の調達に苦しみ、植民地であるアメリカに負担させようとした。植民地議会は反対するが、決定権はイギリス議会と国王の決裁にある。当時の通信技術では返事が来るのに数か月、決定が下されるまで数年かかる。その間、税を払わねばならず、幾多の法令が追加でアメリカに送ら…