紀元前8世紀後半の古代ギリシアの叙事詩人。盲目の吟遊詩人。「最高の詩人」と言えばこの人のこと。 叙事詩という詩のジャンルを作った。アウリスで叙事詩人ヘーシオドスと詩作を競ったとされる。 ホメーロス的哄笑とは「とめどなく笑う」の意。 実在したかを巡って議論がある。また『イーリアス』と『オデュッセイア』の作者は別人という説もある。
『イーリアス』 『オデュッセイア』
漫画「バーナード嬢曰く。」施川ユウキ(一迅社)に登場していた書籍の中でとても気になった「カササギ殺人事件」アンソニー・ホロヴィッツ/山田蘭・訳を、3月中旬図書館で借りた。 年度末バタバタしていてなかなか読めなかったので貸し出し延長してもらい、本日ようやく読み終えた。 読み進められなかったのはただただ自分の怠惰によるもの。 2018年9月初版、「このミステリーがすごい!」(宝島社)、「週刊文春ミステリーベスト10」(週刊文春)、「2019本格ミステリ・ベスト10」(原書房)、「ミステリが読みたい!」(ハヤカワ・ミステリマガジン)のナンバー1に輝いた作品がつまらないわけがない。 上巻は一気に読み終…
木庭『ローマ法案内』で(私が理解できた範囲で)一番重要と思われたのが、交換関係と「自由」についての洞察だった。 木庭は人間の活動にとって、具体的な空間、特に土地、テリトリーが欠かせないことに注目する。テリトリーの上で経済活動も行われ、その「果実を巡って取った取られたの関係(※=交換関係)が発生」し、それは「人間の集団」へと発展する(「1−5 都市が無ければ政治は無く、したがって法もない」35〜40頁) 「テリトリーと交換関係(échange)の間の複雑な展開は社会人類学が高度な分析を蓄積し、贈与交換関係などのメカニズムが解明されてきた。およそ集団ないし組織を考えるときの基本であるが、しかしそう…
葬送のフリーレン(週刊少年サンデー) ▶ デコンストラクション(脱構築)してみようぜ。 違いのわかる男。ジャック・デリダ (Wikipediaより引用 ①) 神格化(英語: apotheosis、アポテオーシス、アポテオシス、英: deification、divinization)とは: 天体や自然、何らかの実在・個人・集団などの、具体的な対象を神、もしくは神の域にあるなどとする扱い。 演劇研究生の女優化に成功した、映画「Wの悲劇」 Wikipedia ② apotheosisの語源はギリシア語の ἀποθεόων、apotheoun)。 日本語ではいずれの単語も「神格化」と訳されるが、キリス…
【まえがき】から ……まずは、このクリティックが発展してきたギリシャ以来の系譜を辿る。 もちろん、クリティックが批判的な思考、ないし批判的な議論一般、と深い関係にあることも間違いない。様々な認識や価値観を鵜呑みにせず疑ってかかり、それらに簡単には従わない、という態度、あるいは鋭く対立する認識や見解を考慮するという態度、は明らかにクリティックの基礎にある。しかしクリティックが批判的思考一般に解消されるわけではない。何故ならば、クリティックは批判的な思考のさらなる前提のところにもう一段吟味の手続きを構築するからである。特定のことをすべきだと言い立てる人がいるとして、それに従わず、その論拠を糺し、反…
全6項目●代表作●「物語の作り方」 ●「ジャーナリズム作品集」 ●「生きて、語り伝える」 ●「第55回カルタヘナ・デ・インディアス」 ●「Las películas favoritas」 「ロベレ将軍」より 全6項目 ●代表作 小説「百年の孤独」、 「誘拐」「エレンディラ」、 「コレラの時代の愛」、 「迷宮の将軍」、 映画共同脚本「前兆(Presagio)」ルイス・アルコリサ、 〃共同監督「青いイセエビ(La langosta azul)」等 ※langosta(ランゴスタ。ロブスター。イセエビ) 小説家、ジャーナリスト、映画評論家、脚本家、映画監督、俳優 、映画学校共同創設 等で活躍したガブ…
映画「失楽園」の血液がワインでできている女 (Wikipediaより引用 ①) コーキュートス、またはコキュートス(希: Κωκυτός, Kokytos, 羅: Cocytus)とは: ギリシア神話の冥府に流れる川である。 その名は「嘆きの川」を意味し、同じく地下の冥府を流れるアケローンに注ぎ込む。 冥府は5つの川で取り囲まれており、おそらく一番有名なのがステュクス。 Styx「烈風」 wikipedia ② 他にプレゲトーン、レーテー、アケローン、そしてコーキュートスがある。 ・文学コーキュートスは冥府にある他の川と共に、古典文学によく登場する題材である。 ホメーロス、アイスキュロス、ウェ…
『ボーはおそれている』を観てきました。 いいですね、中年にとって帰省がいかに恐怖かを体感する3時間。あまりにも身につまされるので大爆笑でありました。 www.youtube.com 不安のあまり「不眠のせいで朝寝坊したりして」とか「鍵盗まれたりして」とかちょっと嫌なことを考えると全部本当に起こるんだけど、ボーさんは最初から薬物中毒なのでどこからどこまでが現実の世界なのかが観てても全然わからない。 住んでるアパートの一帯は完全に薬物中毒者のスラムで、一歩外に出ると画面の隅々で嫌なことが起こっており、どこで誰が何をやってるのか全然把握しきれない悪魔的祝祭感ががとってもアリ・アスターでありました。嫌…
クリティック再建のために (講談社選書メチエ) 作者:木庭 顕 講談社 Amazon 本書が掲げる「クリティック」は、ふつう「批評」や「批判」という日本語に訳されます。しかし、それらの語では十分に表されない意味が「クリティック」には含まれていることを日本の知的世界は気づかずにきました。その状況を憂える碩学が、これまでの仕事を総括するとともに、将来の知の土台を提供するべく、本書を書き上げました。「クリティック」とは「物事を判断する場合に何か前提的な吟味を行う」という考え方です。その系譜をたどる道程はホメーロスから開始されます。そこからヘーロドトスとトゥーキュディデースを経てソークラテース、プラト…
ポルトガル・リスボンから保養地アルガルヴへ向かう列車内.主人公マカリオは隣りの席に座る見知らぬ婦人に,自身の衝撃的な恋愛体験を語り始める.彼は会計士として,叔父のフランシスコが営む洋品店で働いていた.ある夕方,2階で仕事をしながら外を見ると,通りをはさんだ向かいの家の窓辺に扇を手にしたブロンドの少女が現れた.マカリオは一瞬にして,その少女ルイザに恋し,焦がれるようになる…. ポルトガル文学の自然主義リアリズムの始祖エッサ・デ・ケイロス(José Maria de Eça de Queiroz)の短篇『ある金髪女の奇行』を,齢100に達したマノエル・ド・オリヴェイラ(Manoel de Oliv…
You can also read this magnificent interview in English : スーレマントのオリビア・ブランズブールが主宰するアートプロジェクト、ICONOFLYの新コレクション、レジャルダンプロミ。その第一弾として登場した、オデュッセイアに登場する草木を香りという形で召喚した叙事香、ペルソンヌ。フランス文化庁から白羽の矢が立ったオリビアさんが依頼したのは、古代香に情熱を注ぎ、自らも香りの深堀りエンサイクロペディア、The Perfume Chroniclesを運営する独立系調香師、アレクサンドル・ヘルワニでした。ヨーロッパではニッチフレグランス最大の見本…
こんにちは! Golden Hearts Publicationsの梅本です。 早いところではもう夏の吹奏楽コンクールの選曲を始めているようですね。 ということで今日は「吹奏楽コンクールでカットなしで演奏できる曲特集」です。 毎年この企画をやっていますが、「カットなしで演奏できる」ことをポイントにしているのは、Golden Hearts Publicationsが吹奏楽コンクールでのカットを推奨していないからです。 著作者人格権のこともありますが、自分が作曲する側だったらカットされたら嫌だなあと思うので、なるべくカットしなくても出来るような作品をご提案する形になります。 ただ、中には吹奏楽コン…
その時に流行っているモノを作中に取り入れるとすぐに意味不明になってしまうという話の元祖「源氏物語・第二帖・帚木より」ついでに漫画によくある、物語に関係なく作者が独り言をつぶやくってのも紫式部は1000年前にやっている。 pic.twitter.com/4LRjosjnz2— 杉村喜光:知泉(源氏物語の漫画、執筆中 (@tisensugimura) October 18, 2022 古くなりかけた流行語を登場人物に言わせて別の登場人物に「古い古い」とツッコませ、更に単行本化の時に「本当に古くなった」と作者独白を書き足した漫画家師も居らっしやいますね。元ツイートで触れられている人でもない、本ツイー…
古代ローマ 古代ローマ(こだいローマ、羅: Roma antiqua)は、イタリア半島中部に位置した多部族の都市国家から始まり、領土を拡大して地中海世界の全域を支配する世界帝国までになった国家の総称である。 概要古代ローマの当時の正式な国号は元老院ならびにローマ市民(Senātus Populusque Rōmānus)であり、共和政成立から使用されて以来滅亡まで体制が変わっても維持された。伝統的には476年のロムルス・アウグストゥルスの退位で古代ローマの終焉とすることが一般的であるが、ユスティニアヌス1世によってイタリア本土が再構成される554年までを古代ローマに含める場合もある。ローマ市は…
アエネーイス 上 (岩波文庫) 作者:ウェルギリウス 岩波書店 Amazon アエネーイス 下 (岩波文庫) 作者:ウェルギリウス 岩波書店 Amazon ノルウェー・ブック・クラブが選出した「世界最高の文学100冊」(原題:Bokkulubben World Library)の一冊。 https://www.bokklubben.no/SamboWeb/side.do?dokId=65500 めっっちゃ面白い!! ジャンルとしては《古事記》と同じく建国神話。かのホメーロスが《イーリアス》で詠いあげたギリシャとトロイアの戦争物語の続きともいえる作品。作者のウェルギリウスはギリシア文学に絶大な影…
展覧会『小山真由子・佐々木成美・中嶋典宏「B.C.|A.D.」』を鑑賞しての備忘録HIGURE 17-15 casにて、2023年11月18日~29日。 小山真由子(3点)・佐々木成美(2点)・中嶋典宏(10点)の絵画(全15点)を、古代ローマの大理石のトルソー、古代エジプトのガラスの装身具、ペルシャのセラミックの小瓶などとともに展観する企画。 エジプトの新王朝時代のガラス器の装身具、王政期から共和政期にかけてのローマの大理石のトルソーは、いずれも紀元前に制作されたミニアチュールである。それらは人間の世界に対する眼差しであり、自らを世界にどう位置付けるかという物語の断章である。 大きなものを小…