PERRY RHODAN(独)
ドイツのSF小説のシリーズ名。日本では早川書房から「宇宙英雄ローダン・シリーズ」として翻訳が出版されている。まず間違いなく世界最長のSF小説シリーズ。
地球人「ペリー・ローダン」を主人公とするドイツの宇宙冒険物SF。
ドイツでは週刊の冊子形式(ヘフト)で発売されている。1961年にスタートし、2010年時点でも連載中。複数の作家(4〜6名程度)がチームを組み、リレー形式で書きついでいる。
日本では1971年に早川書房のハヤカワ文庫SFから「宇宙英雄ローダン・シリーズ」として翻訳が開始された(日本語版は原書の2話分を1冊にまとめて発売している)。2010年時点でも刊行中。当初は数ヶ月おきに一冊発売というペースだったが、1980年代から年10冊、2004年から年12冊、2010年1月から年24冊、というペースとなっている。
1971年6月、アメリカ人宇宙飛行士「ペリー・ローダン」の指揮する月ロケットが人類初の月面着陸に成功した。ところが、月面には地球人より数万年進んだ文明を持つ異星人「アルコン人」の宇宙船が不時着していた。ローダンはアルコン人との出会いにより「テラナー(地球人)」という概念に目覚め、以後、アメリカ人ではなく、一人のテラナーとして、地球を一つにまとめようと戦いを開始する。
その後、ローダンは大冒険の末、伝説の「永遠の生命の星」を発見して、歳を取らない「相対的不死者」となり、テラナーが宇宙で巨大な勢力に成長していく中で、信頼する仲間達に助けられながら、指導者として人々を率いてゆく・・・
物語は日本版でだいたい25巻もしくは50巻を区切り(サイクル)とする。長いシリーズのため、作品の傾向も初期から大きく変化している。
原書刊行年 | 話数 | 日本巻 | サイクル | 概要 |
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1961年 | 1-49 | 1-25 | 第三勢力 | 人類は月で異星文明の難破船を発見し、一気に進化段階を飛び越える |
1962年 | 50-99 | 25-50 | アトランとアルコン | 時間の流れの異なる異宇宙からの侵攻 |
1963年 | 100-149 | 50-75 | ポスビ | 全ての生命を敵と見なすロボット種族の大侵攻に、銀河種族は大同団結する |
1964年 | 150-199 | 75-100 | 第二帝国 | 知られざる”第二の帝国”との遭遇 |
1965年 | 200-299 | 100-150 | 島の王たち | アンドロメダ星雲を支配する強大な存在との戦い |
1967年 | 300-399 | 150-200 | M-87 | 時間警察との死闘は、大小マゼラン星雲から遥かM-87銀河へと舞台を拡大する |
1969年 | 400-499 | 200-250 | カピン | 分裂した人類同士の争い、そして異銀河からの侵略 |
1971年 | 500-569 | 250-285 | 大群 | 銀河系の知性体の大半は”大群”の力で痴呆化していた |
1972年 | 570-599 | 285-300 | 旧ミュータント | 未知の勢力”苦悶の声”の驚くべき正体とは |
1973年 | 600-649 | 300-325 | 宇宙チェス | 人類は超知性体同士のゲームの駒とされる |
1974年 | 650-699 | 325-350 | 公会議 | 銀河系は巨大勢力の前に征服される |
1975年 | 700-799 | 350- | アフィリー | 人類は愛を失い、ローダンを地球から追放する |
ローダン・ハンドブック (ハヤカワ文庫 SF (1065))
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