ヨーロッパの政治シーンにあって、日本の政治シーンではほぼ存在感がない政治勢力に「緑」があげられると思います。 その「緑」の中でも、特にドイツの緑の党は以前から存在感を持っており、現在のショルツ政権では与党の一角を担っています。 この緑の党の源流は? と言うと、70年代の新左翼の運動から生まれたエコロジー運動を思い起こす人が多いかもしれません。 資本主義への批判の1つがエコロジー運動としても盛り上がり、それが政治組織となったというわけです。 ところが、本書を読むと実際はもっと複雑な成り立ちをしていることがわかります。 戦後西ドイツにおいて、「自然環境保全を主張することは、容易にナチズムによる「血…