Fritz Haber(1868年12月9日〜1934年1月29日) ドイツの化学者。アンモニアを高温高圧のもとで生成する「ハーバー・ボッシュ法」をカール・ボッシュとともに開発。ユダヤ人だったがプロテスタントに改宗し、ドイツのために「毒ガス兵器」も開発したが、ヒトラーはこの愛国者にも過酷な運命を強いた。
宮田親平著『愛国心を裏切られた天才 ノーベル賞科学者ハーバーの栄光と悲劇』 ジャンル:ノンフィクション 概要 毒ガスの父と呼ばれた男、フリッツ・ハーバー。ハーバー・ボッシュ法の生みの親として知らる一方で、彼は祖国ドイツのために毒ガス製造へと手を染めた。国際条約に違反するとした指摘を受けながらも、ハーバーは第一次世界大戦の早期終結という目標をかかげ、一心不乱に祖国への愛から毒ガスを作り続けた。その結果、待ち受けていたのは二度の家庭の崩壊とナチス党によるユダヤ人迫害の苦しみだった。 本書はノンフィクションとして、比類なき評価を得ているそうです。 その理由としては、窒素固定法。いわゆるハーバー・ボッ…
一条真也です。日本でも新型コロナウイルスのワクチン接種が始まりましたが、副作用を心配する声も多いようです。そこで、世界的なワクチン学の権威が書いた本を読みました。『禍いの科学』ポール・A・オフィット著、関谷冬華訳、大沢基保日本語版監修(日経ナショナルジオグラフィック社)です。「正義が愚行に変わるとき」というサブタイトルがついています。著者は1951年生まれ。米国の医学研究者かつ臨床医で、ペンシルベニア大学医学部の教授(ワクチン学および小児科学)。フィラデルフィア小児病院のワクチン教育センターの所長。ロタウイルスワクチンの共同開発者であり、ワクチン研究分野では著名な研究者・臨床医。米国の疾病対策…
『恐るべき緑』。自然破壊の話かと思いきや、数名の科学者の苦悩を記した一冊。アインシュタイン博士は有名であるが、(自分だけかもしれないが)意外と知らない科学者が数多く登場する。「プルシアン・ブルー」では第一次世界大戦の塹壕戦で用いられた毒ガス兵器の開発者フリッツ・ハーバーが、「シュヴァルツシルトの特異点」では天文学者シュヴァルツシルトが、「核心中の核心」では不世出の数学者グロタンディークの苦悩に満ちた人生が描かれる。宇宙の背後にある論理や数式が天才らの前に随所におのずと現れる。
出遅れた国々:インドの場合 京都大学の文化人類学者・梅棹忠夫は、1955年5月~11月にインド・パキスタン・アフガニスタンの調査旅行を行いました。このときに目撃した凄まじい貧困の様子を、彼は『文明の生態史観』のなかで次のように報告しています。 「インドを旅行していると、まったくたまげるような職業にぶつかる。ここでは、洗濯ものをほすのに、ものほしざおにかけたりはしない。女が身にまとうサリーは、ながい一枚の布である。ふたりの男が、その両端を手にもって、日のあたるところにたつのである。そのまま、かわくまでたっている。 わたしはまた、道ばたにはいつくばって、手で地面をたたいている男をなんどもみた。それ…
昔からイノベーションに強く関心があって、イノベーションを成し遂げてきた人に話を聞いたり、どうしたらイノベーションを起こせる組織にできるかとか試行錯誤したりしてきました。 そんな中『やわらかな遺伝子』とか『赤の女王』『繁栄』とか優れたサイエンスノンフィクションを書いているマット・リドレーがイノベーションについて本を書いているのを見つけて読んでみました。正直、この人は生物学の人だと思っていたのでイノベーションを題材にするのは意外でしたが、いやはや、すっごくいい本でした。 人類とイノベーション:世界は「自由」と「失敗」で進化する (NewsPicksパブリッシング) 作者:マット・リドレー ニューズ…
BBCより。アカデミー司会者のスピーチだが最後のパラグラフから引用。ハリウッドはリベラル系が多数派らしいが、この司会者さんもそうらしい。犬笛老人にカウンターを:) www.bbc.com 「どの前大統領がトゥルース・ソーシャルにこれを書いたか分かりますか?」と、キメル氏は畳みかけた。 その上でキメル氏は 「トランプ大統領、ご視聴ありがとうございます。まだ起きていてびっくりです。そろそろ刑務所の時間では?」と痛烈に返した。 トランプ氏は現在、2020年大統領選挙の敗北を覆そうとした罪や、ポルノ女優への口止め料をめぐる疑惑など4件の刑事裁判を抱えている。 (英語記事 Cillian Murphy …
図書館で見かけて、だったかなぁ? 文庫じゃないから、表紙の絵は違うんだけど(NHK出版のサイトの絵とは一致)。 闇に魅入られた科学者たち 人体実験は何を生んだのか (宝島SUGOI文庫) 作者:NHK「フランケンシュタインの誘惑」制作班 宝島社 Amazon この番組の書籍化?:フランケンシュタインの誘惑 科学史 闇の事件簿 - NHK wikipedia:仲野徹*1とかのコメントが多かった。 科学者にとって最も必要な素質は、健全な好奇心です とか(ハイ、オラのは、健全とは言い難いですね、わかってま)。 膝窩動脈瘤・大腿動脈瘤 - 埼玉県立循環器・呼吸器病センター 「Why think? Wh…
宮田律の著作『ナショナリズムと相克のユーラシア』についての考察を指導するなかで、本書の内容を深堀りし、時代の転換点を追いつつその影響についての考えを交えた。軍事衝突の激化する第一次世界大戦で登場した新兵器の数々は、それまでの戦争の様相を一変させた。特に毒ガスを発明したユダヤ人科学者フリッツ・ハーバーの逸話は象徴的であり、天才的な思考が持つ倫理的な二面性を示す。アインシュタインの批評は、科学者としての判断の責任について問い直す機会を提供する。 歴史の大きなうねりの中にあって、ユダヤ人問題とイスラエル国家の問題は、時代を超えた普遍性を持つテーマとして本書に取り上げられている。そこで描かれるナショナ…
ロバート・バーンズ・ウッドワード 動画 YouTube https://www.youtube.com/watch?v=vslgrV0aJLw ロバート・B・ウッドワード 『マンガと図鑑でおもしろい! わかるノーベル賞の本』 うえたに夫婦/著 大和書房 2023年発行 空気からパンをつくった!? 1918 元素からのアンモニアの合成 フリッツ・ハーバー(ドイツ 1868-1934) 19世紀後半、人口が急増する一方で食料生産に必要な肥料が不足していた。肥料の原料になるアンモニアは窒素と水素で構成されているので、空気中に大量にある窒素を使えばいいという考えはあったが、誰も開発できなかった。 しか…
水素ガス市場規模は、2023年の1億0558万トンから2028年には1億2753万トンに、予測期間(2023年〜2028年)のCAGRは3.85%で成長すると予測される。 COVID-19パンデミックは2020年の市場にマイナスの影響を与えた。パンデミックに伴う規制のため、水素ガスの生産量は大幅に減少した。しかし、規制の緩和とパンデミックの状況の改善により、2021年にはわずかに増加した。 主なハイライト 中期的には、化学産業からの需要増と製油所での水素利用拡大が市場調査の推進要因になりそうである。 その反面、青色および緑色水素の製造コストが高く、輸送・貯蔵コストが増加することが市場成長の妨げ…
「空気からパンをつくる」とも称されたハーバー・ボッシュ法は,現在でも活躍しているアンモニア合成法です. いったいどのような経緯で誕生したのでしょうか? Fritz Haber (1868-1934, 左)とCarl Bosch (1874-1940, 右)今回はハーバー,ボッシュそれぞれの役割にフォーカスしてその経緯をみていきましょう.
こんにちは! chem(ケム)です! 「ハーバー法ってなんだっけ?」 「ハーバー・ボッシュ法ちょっと覚えてないかも」 そんなあなた! 大丈夫です! 忘れているなら覚え直して定着させちゃいましょう! なので 今回は ハーバー・ボッシュ法 を紹介していきます! ハーバー・ボッシュ法って何? まず、 ハーバー・ボッシュ法は工業的製法で重要な製法なんです! 窒素が空気中に窒素分子の形で含まれているとき、 窒素は不活性であまり役には立っていません。 ところが、より反応性の高いアンモニアなどの形では、 がぜん優れた肥料となります。 これを第一次世界大戦の少し前、 フリッツ・ハーバー(左)とカール・ボッシュ…
化学物質の製法の一覧。○○法などの名前があるもの。