本名はFranz Xaver Wolfgang Mozart(1791〜1844)。作曲家、ピアニスト。ヴォルフガンク・アマデウス・モーツァルトの第6子にあたるが、成人になるまで成長したのは彼と兄の二人だけである。「モーツァルト2世」を名乗る神童として、サリエリやフンメルなど当代の名教師に師事し、ピアノや作曲を学ぶ。
父親の名声は死後に高まりを見せ、母親のコンスタンツェは、ここぞとばかり音楽的才能のあったクサーヴァーを煽り、幼少時期から猛烈なステージママぶりを発揮して各地に売り込むのだが、本人に怠惰なところもあり、ムラ気も多い人物だったから、最後まであまり大成しなかった。モーツァルテウムがザルツブルクにできた時も、フランツ・クサーヴァーはモーツァルトの息子であり、職業音楽家でもあるにかかわらず、初代院長には就任できないままに生涯を終えている。
録音された作品の数はあまり多くはないが、それを聞く限りは、ウィーン古典派から、ロマン派初期の二つの時代の折衷様式とでも言うべきか。