[Edmund Husserl]1859年〜1938年 現象学的哲学を確立したオーストリア出身(フッサール出生当時はオーストリア帝国、現在はチェコに属しているモラヴィア地方東北部プロチョエフ(ドイツ語では、プロスニッツ)という町で生まれる。)のユダヤ系ドイツ人。哲学以外にも人間を対象とする科学全般に大きな影響を与えている。
愛称「フッ君」
デカルト的省察 (岩波文庫)
*リスト:リスト::学者
読んだ本 富山豊『フッサール 志向性の哲学』青土社 (2023) 山城むつみ『文学のプログラム』講談社文芸文庫 (2009) フェルナンド・ペソア『新編 不穏の書、断章』平凡社ライブラリー (2013) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ "可能なもの、正当なもの、近いものを夢見る人のほうが、遠くのものや奇妙なものを夢見て身を滅ぼす人よりも哀れだ、と私は思う、大いなる夢を見たり、気が狂っていたりするならば、自分の夢を信じることができて幸せだし、ただの夢想家にとっては、夢想は無言で彼を揺する塊の音楽だ。ところが、可能なものを夢見る場合は、ほんとう…
読んだ本 フッサール『デカルト的省察』岩波文庫 (2001) モリエール『人間ぎらい 改版』新潮文庫 (2012) スーザン・ソンタグ『反解釈』ちくま学芸文庫 (1996) フローベール『感情教育(下)』光文社古典新訳文庫 (2014) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『反解釈』 メモ "歴史的進歩の観念を信じているくせに、新マルクス主義の批評家たちは、非社会主義の国々における現代文化の興味深い創造的な特質に対して、奇妙な鈍感ぶりを示してきた。一般に前衛的芸術に関心がないこと、質も意味もさまざまな現代芸術、現代生活の諸形式をひとまとめに告発…
★この記事を読むと、「エトムント・フッサール」の時間意識の現象学的分析に関する著作『内的時間意識の現象学』が読みたくなります。 ★詳細はこちら→『エトムント・フッサール - Wikipedia』 この著作は、時間がいかにして意識の内部で構成されるか、また私たちが過去、現在、未来をどのように経験するかについて深い洞察を提供しています。 (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;b[a]=b[a]||function(){arguments.currentScript=c.currentScript||c.scripts[c.scrip…
最近はいろいろ哲学書を読んだ。紹介します。 なんか読んだ本を逐一紹介するスタイルにすると私があまり本を読んでいないことがバレるので、どばっと紹介します。 ロバート・ステッカー、森功次訳『分析美学入門』 西村清和編・監訳『分析美学基本論文集』 ベンジャミン・クリッツァー『21世紀の道徳』 富山豊『フッサール 志向性の哲学』 白川晋太郎『ブランダム 推論主義の哲学』 まとめ ロバート・ステッカー、森功次訳『分析美学入門』 現代の英語圏の美学・藝術哲学をまとめた分厚い教科書。いろいろなトピックでいろいろな立場の議論が網羅的に解説されているので何回も読み返すことになりそう。 個人的にはダントーのアート…
現象学的還元とは、哲学における方法論の一つであり、現象学を創始したフッサールによって確立されました。現象学は、意識のあり方を直接的に考察する方法論であり、現象学的還元は、その方法論を実現するためのための第一歩です。 現象学的還元は、自然的態度から超越論的態度への転換を意味します。自然的態度とは、日常生活において、私たちが当たり前のようにとっている態度であり、世界は存在し、その存在は私たちにとって客観的なものであると信じています。一方、超越論的態度とは、世界の実在性について判断を停止し、純粋な意識のみを対象とする態度です。 現象学的還元は、以下の2つのステップから構成されます。 エポケー(Epo…
ランキング参加中哲学 ■以前の記事「研究日誌(2022/3/19)フッサール他者論、リシールの空想身体論、ファンタシアを経由して間身体性へ?」で、坂本(2021)の次の文章を引用しておいた。 「フッサールは「知覚的空想(perzeptive Phantasie)」という概念を導入する(ⅩⅩⅢ, Text Nr.18)。これは矛盾した概念ではない。この概念における「知覚」とは像物体のWahrnehmungではなく、像客体のPerzeptionであり、後者は実在を措定しない、いわば中和化された知覚だからである。リシールによれば‥‥」(p.134) 「他者身体の構成は、像意識とは別の準現在化作用であ…
懐疑主義と新しい思想 ~価値観を疑うことによって崩し、生まれる新しいもの デカルト哲学と分解と数学化 【フッサール『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』,デカルト『方法序説』】 懐疑主義者デカルト フッサールと懐疑主義 【フッサール『イデーン』,セクストス・エンペイリコス『ピュロン主義哲学の概要』】 懐疑主義の批判 既存の価値観を疑う懐疑主義者により起こる思想的革命 前回のお話 waka-rukana.com 懐疑主義と新しい思想 ~価値観を疑うことによって崩し、生まれる新しいもの デカルト哲学と分解と数学化 フッサールはヨーロッパ諸学における数学的世界に対抗するために体験を軸とした現象学を…
現象学とヨーロッパの学問の数学化と失われる統一的人間観 現象学の問題意識 【フッサール『論理学研究』】 ヨーロッパの学問と数学化 【フッサール『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』】 人間が数字化されて物扱いになっていく 【マルクス『経済学批判』】 部品の集まりとしての人間観 【フッサール『デカルト的省察』】 前回のお話 懐疑主義のエポケー/思考停止を用いる現代的な哲学である現象学とは - 日々是〆〆吟味 現象学とヨーロッパの学問の数学化と失われる統一的人間観 ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学 (中公文庫) 作者:エドムント フッサール 発売日: 1995/06/01 メディア: 文庫 …
エトムント・フッサール(1859 - 1938)は、ドイツの現象学の哲学者です。 このページでは、「エポケー」「現象学的還元」といったフッサールの思想をわかりやすく解説します。 また、フッサールの思想を現代社会で生かす方法を紹介します。 フッサールの主な思想 フッサールの思想を現代社会で生かす方法 フッサールのおすすめ入門書 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); フッサールの生涯と時代背景 フッサールの主な思想 現象学 ノエシス・ノエマ エポケー 現象学的還元 他の思想との関係 実践!フッサールの思想を現代社会で生かす方法 瞑想(…
ランキング参加中哲学 ■タイトルの通りです。論文名は"The sleeping subject: Merleau-Ponty on dreaming", by James Morley, in Theory & Psychology, Volume 9, Issue 1,1999. https://doi.org/10.1177/0959354399091005 この著者のものは数年前の「他者になる夢の現象学的解明」という論文でも引用したことがある。それはともあれ、該当部分を引用する: " ......Our waking relations with objects and others e…
* 有限性の哲学--意味がある無意味と意味がない無意味 千葉雅也氏の哲学をあらわすキーワードの一つに「有限性」というものがあります。ここでいう「有限性」とは物事の「意味」と「無意味」をめぐる問題に関わっています。千葉氏は『意味がない無意味』(2018)という論集の冒頭に置いた総論的な論考「意味がない無意味--自明性の過剰」で「意味」に対する「無意味」を〈意味がある無意味〉と〈意味がない無意味〉から論じています。 意味がない無意味 作者:千葉雅也 河出書房新社 Amazon このうち〈意味がある無意味〉とは無限に「意味」を産出する源泉である一方で、その「本当の意味」は明らかにならず常にいわく言い…
「政治哲学という分野を研究していた」と話すと、その反応はおおよそ次の二つで、「政治に関心があるんですね」、あるいは「哲学に関心があるんですね」のいずれかだ。一般の人にとって「政治哲学」という聞き馴染みのない二つの熟語の組み合わせは、たいていパキっと切り離され、一方だけが耳に残って話が進む。 「哲学」の方で話が進んだとき、会話は泥沼へ一直線だ。相手の言うところの「哲学」を理解するのに時間がかかるし、そもそも「哲学ってなんだかわからん」というイメージが先行する。加えて、そもそも自分に純粋哲学の意義や役割を平易な言葉で説明するだけの知識と理解が不足している。哲学的な何かに数年関わっていたが、それを研…
世界規模のネットワークに常時接続されている世界を生きる現在の人間の在りようを現代記号論の立場から分析しより良き未来に繋げることを意図してなされた総計13時間を超える講義対談録。 基本的に東大教養学部時代の師弟コンビの再編となる高級コミュニケーションで、一般的読者は後れを取ることを覚悟しないといけないが、それぞれに思い描いている未来像はどうあれ、現状分析までは確実に傾聴に値する学知を提供してくれている。 グーテンベルクの書字複製アナログメディアの世界から20世紀初頭の電気科学的複製メディア社会に移行し、20世紀後半さらに世界規模のデジタル複製社会に推移する状況を言論をもって跡づける行為は傾聴に値…
4月8日誕生日の全国35万人の皆さん、おめでとうございます (拙句) 蓮華草苦を和らげる命帯び 雅舟 【花】レンゲソウ 【花言葉】私の苦しみを和らげる 感化 【短歌】 山峡のレンゲ田ゆけばたたずめば小さい蜂のいとなみありき 種を蒔いたレンゲ田は、田植え前にレンゲをそのまま鋤き込んで肥料にします。山々の間に広がるレンゲ田では、ミツバチが花を求めて飛んでいました。 【季語】 紫雲映 蓮華草 【俳句】 げんげ田へ女がさきに坐りけり 星野麦丘人 死ぬ真似をして紫雲英田に倒れけり 山崎 一生 子山羊にも掛けて蓮華の首飾り 沢 聡 【三行詩】 「蓮華草」は蓮の華を浮かべる 「紫雲英」はイメージがゆたか 野…
- 08. APRIL * Edmund Husserl * 099日目 あと267日 TOKYO_SUNRISE-05:18 0SUNSET-16:08 MOON-28.7 DAYS _ Some people have extreme psychological reactions to total eclipse https://www.nationalgeographic.com/premium/article/total-solar-eclipse-psychology-awe 1859年 エドムント・フッサール、数学者、哲学者 * Edmund Gustav Albrecht Hu…
葬送のフリーレン(週刊少年サンデー) ▶ デコンストラクション(脱構築)してみようぜ。 違いのわかる男。ジャック・デリダ (Wikipediaより引用 ①) 神格化(英語: apotheosis、アポテオーシス、アポテオシス、英: deification、divinization)とは: 天体や自然、何らかの実在・個人・集団などの、具体的な対象を神、もしくは神の域にあるなどとする扱い。 演劇研究生の女優化に成功した、映画「Wの悲劇」 Wikipedia ② apotheosisの語源はギリシア語の ἀποθεόων、apotheoun)。 日本語ではいずれの単語も「神格化」と訳されるが、キリス…
空気を読むことの科学的根拠 〜自然科学における科学的根拠と、人文・社会科学 丸山眞男の世界的評価 科学的根拠とはどのようなものだろうか 科学的根拠その1 〜観察・実験・再現性、そして仮説と法則 自然科学的手法の人文・社会科学への適用と挫折 科学的根拠その2 〜反証可能性 丸山眞男の分析と実証性 学界における払い落とし 蓄積されたデータと理論化 まとめ 気になったら読んで欲しい本 丸山眞男『現代政治の思想と行動』 丸山眞男『超国家主義の論理と心理』 『わたしの知的生産の技術』 メンデル『雑種植物の研究』 ベルナール『実験医学序説』 ポパー『科学的発見の論理』 平岩正樹『がんで死ぬのはもったいない…
第一章 志向性について考えるうえで、対象は必ずその作用とセットで考えられる。つまり『これは対象ですか』と問うことに意味はなく、『これはあなたが欲しいと思っているビールですか』という仕方で作用との関係を問われる。 さて、志向性を成立させているものはなんだろうか。たとえば『実母と実子の関係』は出産という出来事があるだろう。同じように「この作用の対象はこれだ」という関係は、何にもとづいているのだろうか。たとえば<視線を向ける>という行為は案としてうまくいかない。志向性の<向ける>というイメージは単なる比喩にすぎない。では<イメージ>ならどうか。だがそもそもそのイメージが対象のイメージになっているとい…
木田元『現象学の思想』(ちくま学芸文庫)を読む。発行が2000年といささか古く、「ちくま学芸文庫」のために編集したものだとある。内容は現象学に関する6篇の論文を集めたもの。一番古いのは1964年に発表したもので、新しいのも1980年といささか古いのはやむを得ない。 ただ木田元の現象学に関する論文を集めたものなので、大変興味深い内容だ。最初に「現象学とは何か」という70ページ近い文章が置かれているが、これは『講座・現象学① 現象学の成立と展開』(弘文堂)という全4巻の総序として書かれたもの。まさに現象学の要約となっている。ただ、木田元が岩波新書のために書いた『現象学』に比べるとこちらは新書と違っ…
序章 志向性とは、意味を把握することによって、我々の思考や想像、知覚といった経験が「何らかの特定の対象についての経験」として成立していることをいう(『現象学は外在主義から何を学べるか』)。これはわれわれと「対象」のかかわりである。 当たり前のことを確認すれば、ソクラテスという哲学者に憧れるとき、私たちはソクラテスという文字列に憧れるわけではなく、ソクラテスという人物自体に憧れているのである。そのソクラテスという対象はショーペンハウアーでもハイデガーでもプラトンでもなく、ソクラテスである。だがソクラテスそのものとは、いったいなんなのだろうか。私たちはいかにしてそれを特定し、関係しているのだろう。…
cir.nii.ac.jp ここに「外在主義」とは意味論的なもので、『ある主体が何を思考しているのかといった経験内容を特徴づける上で、その主体の外部に存在する周囲的な状況、外在的な要素を無視することはできない』ということである。これは、意味や思想内容といったものの特徴づけに主体の””心の中””だけを問題にする「内在主義」に対する批判でもある。 フッサールの現象学は『主体に外在的な要素を前提して経験の成立を説明する方式を自覚的に排し、その主体が何をどのように経験するのかを主体自身の内在的な視点から記述しようと』試みる。すると外在主義は現象学に対する矛先を向けていることにもなるだろう。だが実のとこ…
ふとAmazonを見てたら、岩波新書がけっこうKindle Unlimitedに入ってたことに気づいた(たぶん新書だけ) Kindle Unlimited は月980円払って利用する図書館みたいなものだと思っているので、岩波みたいな出版社の本が読めるのは非常にありがたい(Kindle Unlimitedの中では岩波だけがカバーしている領域っていうのがたしかにあるので) まあ、今回unlimitedに入っている本は昔の本が多いので(岩波新書で、表紙が赤以外の色のやつは、どんなに新しくても40年くらい前に出た本)、現代の読者にとってどれくらい嬉しいのかと言われると微妙なんだけど……とりあえず、読ん…
フッサールの他者認識、共同主観的世界認識の構成 フッサールの認識論ではどのようにして他者や共同主観的世界認識が可能になると論じているのであろうか。フッサールは現象学的判断停止から出発する、いわばモナドから出発するが、既にその当時からあったフッサールに対する批判として、それは所詮独我論ではないか、というものがあった。 フッサールは、素朴に何か客観的な世界が与えられているという措定を批判する。そして他者認識や「客観的」世界が成立する源泉として、志向性を置く。志向性とはエゴが世界を操作し、関り合おうとする傾向・動機と考えられる。つまり世界とは、予め「客観的」に与えられているものではなく、自分の操作対…
哲学は、「愛智」というギリシャ語に由来し、「知の愛、真理の探求」を意味します。それは人間の思考と存在の根本に関する質問に答えようとする学問です。なぜ私たちはここにいるのか?善とは何か?真実を知ることは可能か?これらの普遍的な疑問は、古代から現代に至るまで、多くの偉大な思想家たちを惹きつけてやまないテーマでした。この記事では、そんな人類の哲学的旅をたどり、その過程で生まれたアイデアがどのように私たちの文化、政治、そして日常生活に深く根ざしているのかを探ります。 次に、古代哲学の起源について記述します。このセクションを完成させた後、残りのセクションも順番に作成していきます。 古代哲学の起源 古代哲…
「事象そのもの」とは? 現象学の根本精神である「事象そのもの」とはなんなのか。どうやらそれは直観的に把握され、直接的に見ることができ、概念や命題や思念の起源であるらしい。しかし一方で、それを見ることは難しいとも言われる。現象学という語は一般名詞として広く使われておりフッサールはそれを徹底化させたものであると捉えていた。現象学的と呼ばれていたもろもろの雰囲気の中心にいたのは、マッハであった。彼は『感覚の分析のために』という著作を残しているが、そこには右目を閉じて左目だけで見たときの情景が描かれている。この絵の特徴は、ものを見る私が可視光線を受ける姿を客観的に描いたものではなく、まさにいま自分が見…