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フォレスト・J・アッカーマン

(読書)
ふぉれすとじぇいあっかーまん

Forest James Ackerman 1916年11月24日生まれ。アメリカの編集者、作家、アンソロジスト、エージェント。ファンには“ミスターSF”や“ミスター・モンスター”と呼ばれ、世界一のSF&ホラーのコレクターとしても有名。ロサンゼルス在住。人柄の良さと、SF界、ホラー界への無償の愛で、非常に幅広い交友関係を持つ。
ドイツのSFシリーズ「ペリー・ローダン」のアメリカン版権人でもあり、妻のウェレディン・アッカーマンはペリー・ローダン・シリーズの翻訳を行った。


若い時代からファン活動をはじめる。
レイ・ハリーハウゼンレイ・ブラッドベリとも若い頃からの親友。また、ロバート・ブロックロバート・E・ハワードらとともに、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの文通相手だったが、ラヴクラフトは彼のことを「害虫野郎」と呼ぶほど嫌っていた。


1958年、怪奇映画専門誌『FAMOUS MONSTERS OF FILMLAND』という雑誌を創刊し、25年間、編集長をつとめた。映画監督のジョン・ランディスジョー・ダンテ、特殊メイクのリック・ベイカー、作家のスティーブン・キングディーン・R・クーンツらは、この雑誌を愛読し、のちに彼らの映画に、アッカーマンは多数、カメオ出演した。


1968年には、女吸血鬼VAMPIRELLA(バンピレラ)のキャラクターを考案し、アメコミ雑誌「VAMPIRELLA」が フランク・フラゼッタのカバーで創刊される。VAMPIRELLAのキャラはジョー・ゴンザレスの絵により決定的なものとなり、人気を博した。
なお、1979年「スターログ日本版」別冊として、日本版の雑誌「バンピレラ」が創刊されたが、2号のみで終わった。日本作家としては、生頼範義大友克洋萩尾望都が寄稿している。


また、ステレオの「Hi-Fi(ハイファイ)」の発音にヒントを得て「Sci-Fi(サイファイ)」という「Science Fiction」の略語を考案し、自分の自動車のナンバープレートに(アメリカでは、自分の自由に決めることができる)するほどだったが、あまり人気がなく、普及しなかった。


アッカーマンの自宅、通称「アッカーマンション」は、私設「SF、ホラー博物館」となっていて、世界中のファンが訪れる聖地になっている。


また、日本のSF界とも縁が深く、恩人的存在である。
戦後、SFのペーパーバックに魅された矢野徹が、SF雑誌の投稿欄に投稿したところ、アッカーマンは数百冊のSFを送ってくれた。
そして、1953年、アッカーマンに招待されて、矢野は渡米し、ビバリーヒルズのアッカーマン宅で6ヶ月間、SFに囲まれて暮らし、その年の世界SF大会で「日本人初の参加者」として「ゲスト・オブ・オナー」となった。
他にも、伊藤典夫が渡米してアッカーマンの世話になったとき、ハインラインと会う約束をしてくれたが、アッカーマンが日時を間違えてハインラインの怒りをかい、伊藤はハインラインにあうことができなかった。
また、1975年に荒俣宏鏡明横田順弥がはじめて渡米した時もアッカーマンの世話になっている。
1977年に、来日。SF同人誌「宇宙塵」の20周年記念イベントに参加(なお、この際、文通をしていた石田一との対面を果たしている)。「SFマガジン」1977年11月号に、「アッカーマン氏を囲んで」という座談会が掲載された。(参加者は、妻のウェレディン・アッカーマン、矢野徹野田昌宏早川浩
1983年にも来日。この際はファングループ「宇宙軍」が対応した。


90歳を超えた近年は、経済的に困窮していて、2007年に日本で初の「ワールドコン」が開かれた際は、「アッカーマンの渡航費用を集める」ためのカンパ・コミュが、MIXI内に作られた。
最終的には、石田一聖咲奇が、海洋堂と交渉し、海洋堂が主催するワンダーフェスティバルワンフェス)にアッカーマンをコレクターの元祖としてゲストに招き、トークショーを開催することで、スポンサーとなることとなった。アッカーマンは見事、来日し「ワールドコン・ジャパン」に「ゲスト・オブ・オナー」として参加して、ファンの喝采を受けた。


2009年12月4日、心臓発作により92歳で死去。

関連書

  • 少年マガジン増刊「アッカーマンSF博物館」(講談社 1978)
  • 石田一「フォーレスト・J・アッカーマン SF&ホラー コレクション博物館」(キャッスル・カンパニー 2008年4月末発売予定)
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