過激なトークが売りだったDJのジャックは、失言が元で大量殺人事件を引き起こしてしまう。今や仕事もなく、恋人の元に転がり込んで呑んだくれている毎日だった。そんなある日、ホームレスのパリーと知り合う。彼は精神を病んでいたが、2人の間に奇妙な絆が出来上がる。
夢と現実、男と男の友情、2組の不器用なラヴロマンスと、内容もりだくさんな作品は、テリー・ギリアムならではの笑いと幻想渦巻く快作となっている。ギリアムならではのヴィジュアル・スタイルはいつもに比べて控え目だが、随所にそのセンスを伺えることが出来る。圧巻はパリーに見える悪鬼のような馬上の騎士と、グランド・セントラル・ステーションでの舞踏場面だろう。
ジャック役ジェフ・ブリッジス、パリー役ロビン・ウィリアムズも良いが、それぞれの相手役であるマーセデス・ルールとアマンダ・プラマーも好演。
本作によりマーセデス・ルールがアカデミー助演女優賞を獲得した。