私は考えるより先に口が動くおしゃべりおじさんである。 口は禍の元なんていうもので、よく面倒くさい思いをしていたのだが、三十路になりやっと口を紡ぐことの大切さを理解した。今では友人と話すとき以外はかなり神経を使って言葉を選ぶ。 のだが、おっさんは人懐っこいので、フランクな空気になると、すぐに油断してベラベラ話し出してしまう。 話に興がのった私のその勢い足るや、妻曰く、ピングーのようらしい。 話すからにはとにかく相手を笑わせてやろうと考えるのだが、おっさんは笑いのツボが人と合わないことが多く、よく滑る。 質のいい石鹸みたいだね。(そう、今みたいなこんな空気だよ) 私が面白いと思ったものを参考に伝達…