今年も残すところわずかとなりました。「波」でのシリーズ連載は姿を変え雰囲気を変え、読んでいるこちらも毎回楽しかったり胸が痛かったりの日々でした。タイトルが予告されていた「カーテンコール」「プレイバック」を含む三年間の掌篇群を収めた最新作品集『カーテンコール』、まさに精髄を極めた一冊でした。「花魁櫛」の載ったコンビニ袋を隣の公園で読んだこと。松山で聞いた「川のほとり」。忘れられません。そして「波」での筒井康隆掌篇小説館。「夜は更けゆく」の危うさ。「文士と夜警」から「プレイバック」への流れ。どれも大好きです。とり・みきさんによる装画も素敵な、大切な一冊となりました。大江健三郎さん。豊田有恒さん。筒…