フランシスコ・バレーラ。1946〜2001、チリの神経生理学者。
サイバネティクス研究の師匠;ウンベルト・マトゥラーナと共に『知恵の樹』、『オートポイエーシス』など執筆。
前作でアダン・バレーラが死んでしまったこともあり、序盤からうまく乗り切れずしばらく停滞。新幹線移動の機会に再開したところ囮捜査の開始あたりからグイグイと引き込まれて一気に読了。 ドナルド・トランプ憎しという作者の政治的スタンスが明瞭すぎて鼻白むところも。クライマックスの半沢直樹的な展開も微妙。 モルモン教徒の独特な下着(ガーメント)は初耳だった。 3部作各上下巻で満喫はしたけれど、「犬の力」だけ読んでおけば十分という気もしないではない。
10年以上前に購入したらしきもの。2010年1月17日の毎日新聞「今週の本棚」掲載の江國香織の書評が挟んであった(「発熱しそうにおもしろい陰謀小説にして、マフィア小説。息をもつかせぬ展開で、一気に読ませる。大胆で巧妙、そして鮮やか」)。 ゴールデンウィークの旅行の機会に何の気なしに読み始めたらドカンと引き込まれて一気読み。序盤中盤の猛烈な熱さに比べると若干の尻すぼみ感はある気はするものの、グイグイと一気読みする体験自体がかなり久しぶりでとても楽しかった。 アート・ケラーとアダン・バレーラの微かな友情らしきものが発端にあるところが実に良い。ボクシングを通じてバレーラ兄弟と仲良くなるくだりにはレイ…