代表的な外部記憶装置。HDD(ハードディスク ドライブ)と略されることが多い。
ひらひらする、パタパタするという意味のフロッピーディスクに対して固いためハードディスクと呼ばれるようになったものと思われる。
世界で初めてのハードディスクは1955年にIBMが開発したRAMACだといわれている。現在のハードディスクの原型となったのは1973年同じくIBMによって発表されたウィンチェスター型ドライブである。
磁性体を塗布したアルミニウムやガラスのディスク(プラッタと呼ぶ)に磁気ヘッドを使ってデータを読み書きする。
内部には数枚のプラッタが入っており、動作中は高速で回転している。プラッタ表面と磁気ヘッドの隙間は数nm(タバコの灰の粒子よりも小さい)*1と言われており、接触すると表面が傷つくため読み書きができなくなる。これをクラッシュという。
また、このような性質のため製造はクリーンルームで行われる。もちろん分解は厳禁である。
近年、デジタル家電(特にAV機器やカーナビ)への利用が多くなってきたが、ハードディスクのデータ記録性能を信頼しすぎる場合が多い。故障などでデータを消失する可能性があるという前提で利用しないと、大事なデータを消失しかねないので注意が必要だ。
プラッタの大きさは古くは5インチ、現在デスクトップパソコンに用いられるものの主流は3.5インチ、ノートパソコンに用いられるものは2.5インチ、デジタルカメラや携帯型AV機器の記録媒体として超小型の0.85〜1インチがある。
2011年で主要なモデルは容量1テラバイト(TB)から3テラバイト(業務用ではそれ以上もある)。
プラッタ回転速度は毎分4500回転(rpm)から15000回転に達するものもあるが、販売されているハードディスクの大多数はプラッタ回転速度は3.5インチは毎分7200回転、2.5インチは毎分5400回転。
パソコンの部品のなかではCPU、メモリーと並んで高速化、大容量化が著しい。
パソコン本体との接続はシリアルATA(リビジョン3.0)が主流*2でハイエンドサーバー機などではSCSIが用いられる。
2011年秋のタイの大洪水の影響で内蔵用を中心に急激な値上がり(一時期は倍以上に高騰)が発生した。これは生産工場の多くがタイにあり、洪水で向上が長期間操業不能に陥って供給不足になったことが要因である。それと同時にSSDへの注目が集まった。