ジョイ・ディヴィジョンはイアン・カーティスの死後、ギターのバーナード・サムナーがヴォーカルを担当し、新メンバーにキーボードのジリアン・ギルバートを迎え、ニュー・オーダーとして活動を再開。ギター・サウンドをベースにしたポスト・パンク・バンドであったジョイ・ディヴィジョンとは一転し、統合的なサウンドを目指す。
83年にダンス・フロアを沸かせた「ブルー・マンデイ」は、チカチカと瞬くディスコのライトに薄暗い影をおとすような不気味なムードを漂わせ、当時のディスコに飽きはじめていたクラブ・キッズたちへの賛歌となった。
その後、98年公開の映画『ブレイド』のサウンドトラックに収録された「コンフュージョン」のトランス・リミックスでは、生々しいまでのエレクトロ・サウンドに激しく流れるようなベースを応酬させている。彼らは世界的な大ヒットを飛ばす一方で、アンダーグラウンド向けの曲作りにも余念がない。エコーのかかった憂鬱なギター・サウンドと、もの哀しいシンセのメロディは重苦しい疎外感にあふれ、いかにもアングラ的と言える。→New Order。