マンガ「ブラック・ジャック」の登場人物。
「安楽死」を専門とする、れっきとした''医者''である。
安楽死に対する考え方は
ブラック・ジャック(以下BJ)としばしば対立する。
患者は「死にたい」と願えばその手伝いをするのがキリコ。
患者が「生きたい」と願えばそれを叶えるのがBJ。
ふたりの黒い医者は患者に対して何を考えているのだろうか?
BJは患者が少しでも生きていれば自分の腕を信じてオペをする。
いわゆる、「諦めの悪い男」だ。
ならキリコは「潔い男」だろう。
しかし、その考えは患者の望みに反するかもしれない。
この話はキリコの登場作品で5本の指に入る作品だろう。
とは言っても、キリコが原作に登場する作品は十にも満たない。
しかしその存在感はとてつもなく、映画「ふたりの黒い医者」にも出演するほどだ。
BJの最大のライバルといっても過言ではない。
この話ではBJの医者としての敗北と
患者を苦しめた自責の念が見られる話だ。
しかしBJは
それでも私は、人を治すんだ!自分が生きるために!!!
この叫びを高笑いしながら聞き流すキリコが印象的な作品だ。
BJが植物人間の患者を起こす話だが、患者は悲観して死んでしまう。
キリコとBJはうなだれる。
そしてBJはこう叫ぶ。
おれたちはばかだっ!
キリコの失態で患者を殺しかけたが何とか助かった後の会話。
BJ「どうだい大将、人を殺すのと助けるのとではどちらが好きかね?」
キリコ「ふざけるな おれも医者のはしくれだ 命が助かるに越したことはない」
この会話から、キリコはただの「殺人医師」ではなく、人が助かるのを望んでいることがわかる。
この場面は映画「ふたりの黒い医者」にも引用された。