ロバート・ラドラムの小説「暗殺者」及び映画「ボーン・アイデンティティー」「ボーン・スプレマシー」「ボーン・アルティメイタム」に登場する、架空の陰謀論。ラドラムの原作に於いてはトレッドストーン71とも呼ばれる。ここでは映画版のトレッドストーンについて記述する。
映画版のトレッドストーンは「トレッドストーン(踏み石)作戦」と、そのアップグレードである「ブラックブライアー(黒薔薇)作戦」からなる。
※以下の内容には、映画の核心に触れる記述が含まれています
ヴァージニア州ラングレーのCIA本部に本拠を置く。
ニューヨークの特別研究施設にて、睡眠剥奪や水槽を使った拷問など、長時間の洗脳工程により人格を改造し、暗殺要員を育成、世界各国にスリーパーとして架空の身分(レジェンド)を与えて潜伏させ、命令を受け取り次第標的の暗殺に取り掛からせる。作戦部長ウォード・アボットの管轄下で、アレクサンダー・コンクリンが指揮を取っていた。作戦自体がレベル5のSCI(Sensitive Compartmented Information)機密に属するため、CIA局内でもその存在を知るものは極端に少ない。フランスに滞在中であったアフリカ某国の元独裁者ニクワナ・ウォンボシ暗殺作戦をめぐる一連のトラブルにより解散。そのコンセプトはブラックブライアー計画へと引き継がれる。
トレッドストーン工作員は極端な人格改造の結果、命令を受ければ何の疑問も持たず機械的に行動するよう行動矯正されている。その副作用として頭痛や神経過敏などの症状を呈する傾向が多い。基本的に語学・戦闘能力に優れた志願者から選抜される。
CRI(Controled Resourses International)なる民間企業を装い、ニューヨークのとあるビルに秘密の本拠を置く。ノア・ヴォーゼンの指揮の許、極秘対テロ班として運営される。
発足時はNEAT(核緊急事態対テロ活動)目的の監視作戦だったが、テロの時代への突入を受けて、逮捕無しの拘禁及び尋問(rendition)、実験尋問(拷問)、致死行動(暗殺)など、あらゆる不正規活動の包括を担うように変化した。国家保安の名目で、外国要人のみならず、危険分子と目される自国民も暗殺対象とし、また暗殺に際して大統領をはじめとする行政府、議会及び司法へのいかなる事前申請も報告も踏まずに作戦を発動する。エシュロンをはじめとする監視ネットワークを日常的に駆使し、トレッドストーンの洗脳法を進化させたブラックブライアー工作員とは別に、拉致班(grab team)など多数の通常作戦要員を擁する。それらは通常CRIエージェントと呼ばれる。
パズ:ナポリのスリーパー。
デッシュ:カサブランカのスリーパー。ボーンとの交戦の結果、死亡。