活字で読む名馬たちの物語。一冊を通したコンセプトがあるわけではなく、どの名馬/名レースも同じ紙幅で描かれていることから、全体の感覚としては二作目に近い。また「はじめに」にある通り一章は『名馬を読む』というより『名伯楽と名手を読む』といった感じの内容になっている。簡潔で明瞭というシリーズの良さも十分に発揮されている。また章内である程度年代をばらけさせているのもバランスがとれていて良かった。知っていた馬、知らなかった馬、最近知った馬。 一章で印象的だったのはワンアンドオンリーVSイスラボニータ。前話のラストを受けて橋口師を中心とした語り口になっており、その人柄について述べつつ彼が定年直前に栄冠を手…