先ごろ甲府市の山梨県立美術館がユニークなイベントを開いた。県に所属する国際交流員とコレクション展をめぐる日本語のギャラリーツアーだ。興味を引かれて、「言葉の響きが好き」で日本語を学んだというブラジル出身のヂエゴ・ラモスさんの回に参加してみた。 「洋風の朝食と日本的な菊の花が同じテーブルに並んでいるのがおもしろい」。終戦後に地元の画家が描いた食卓の情景についてそう感想を話す。画面から連想した母国の詩をポルトガル語で披露すると、参加者のため息がもれた。「いつもの絵がちがって見える」。美術館で解説ボランティアを務める女性が驚いていた。 昨年の県内の在留外国人は中国4000人、ベトナムとブラジルの30…