Czechoslovakia
現在のチェコ共和国とスロヴァキア共和国の前身。
日本での表記として“チェコスロバキア”も用いられていた。
長らくオーストリア・ハンガリー帝国の支配下にあったが、第一次世界大戦後の1918年にチェコスロヴァキア共和国として独立。西欧型の議会制民主主義国家として歩み始めた。
国内には二大民族であるチェコ人(チェック人)とスロヴァキア人(スロヴァク人)以外にもドイツ人、ルテニア人(ウクライナ人)、ハンガリー人などの多数の少数民族が居住しており、かつ、肝心なチェコ人とスロヴァキア人の関係も良好とは言いかねる物だった*1。
その後、隣国ドイツの政権をヒトラー率いるナチスが掌握すると、チェコスロヴァキア北西部のズデーテン地方のドイツ人がその影響下に自治やドイツへの併合を要求。1938年のミュンヘン会談の結果、ズデーテン地方のドイツへの活動が決定された。ついでにハンガリーとポーランドからも領土を奪われ、最終的には1939年にチェコスロヴァキアは解体され、国土の主要部はボヘミア・モラヴィア保護領としてドイツ支配下に置かれた。
1945年にソ連軍によってナチス支配から解放される。戦後は共産党が勢力を伸ばし、最終的にはソ連の衛星国となった*2。
1989年にいわゆる「ビロード革命」が起きて共産党政権が倒れ、その後、連邦制*3を経て、1993年1月1日をもってチェコとスロヴァキアに分離した。