ダフネ・デュ・モーリア『レイチェル』創元推理文庫を読了。 亡き父に代わりわたしを育ててくれた、兄とも父とも慕っていた従兄のアンブローズが、旅先のイタリアでわたしの遠縁にあたるレイチェルという女性と結婚したと連絡が入る。すぐにアンブローズが帰国するものと思っていたのだが、イタリアでの滞在は長引き、やがて体調が優れないという手紙が届いたかと思うと、「すぐ来てくれ。ついに彼女にやられた。私をさいなむあの女、レイチェルに。」という手紙が届く。わたしはすぐにイタリアに旅立ったが、ときすでに遅く、アンブローズは亡くなっていた。 わたしはレイチェルという見ず知らずの女性に対する憎しみの念を募らせるのだが、や…