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ソラナックス

(サイエンス)
そらなっくす

成分(一般名) : アルプラゾラム
GABA-Aベンゾジアゼピン受容体*1に結合することでClイオンチャネルを開口し、神経系の興奮に対して抑制的に作用する。大脳辺縁系(海馬、扁桃体など、主に間脳視床下部)の神経系の興奮の頻度を減少させ、抗不安作用を示す。精神安定剤、催眠鎮静剤、抗うつ剤の付加薬などとして幅広く使用される。急速な経口服用での吸収、高い力価を持つことが特徴である。
作用の発現(最高血中濃度到達)には通常1〜2時間を要し、血中濃度半減期T1/2は10〜15時間である*2。主に肝臓、また腸管にも存在する酵素であるシトクロム(CYP3A4)により代謝され、薬理作用を持つ活性代謝産物(水酸化により生じるヒドロキシアルプラゾラム)が生じるが、これは速やかにグルクロン酸抱合により不活性化され、尿中に排泄される。
喫煙により酵素誘導を起こし代謝が亢進し、血中濃度が低下する恐れがある。また、アルコールや他の自律神経作用薬とは一般的に用いるべきではない*3。注1に述べたように、副作用としては眠気、ふらつきといった自律神経症状が生じることが最も多い。
休薬、減薬は可能であるが、長期間の服用(3ヶ月以上)では身体依存・精神依存などが生じるために困難であることが多い。「今日からやめる」などと勝手に判断せずに、必ず医師と相談し、慎重に行なうこと。突然の休薬、減薬により焦りや苦悶感といったような不安・発熱や頭痛、反跳性不眠などが出現する可能性がある。
製品例 : ソラナックス0.4mg錠~0.8mg錠 コンスタン0.4mg錠~0.8mg錠は同一成分。
この他、後発医薬品として「カームダン」「メデポリン」などがある。
「精神科に行こう」(情報センター出版局刊、ISBN:4795829322)の著者・大原広軌氏が服用していた薬で、いわゆる「パニック障害」に効果があると言われている*4

区分 : 催眠鎮静剤,抗不安剤/ベンゾジアゼピン系/マイナートランキライザー

関連キーワード:トランキライザー 医薬品

*1:受容体は異型(サブタイプ)が三種類あり、その内のω-1,ω-2受容体に結合する。ω-1受容体は鎮静作用を示し、ω-2受容体は不安の軽減と協調運動障害、また記憶障害を起こすため、副作用としてふらつきやめまいといった自律神経症状はほとんど必発する

*2:半減期は抗不安作用が消失することを示すものではなく、抗不安作用は24時間続く

*3:中枢神経抑制が強まり呼吸抑制など重大な副作用が起こる可能性があるので、医師の指示に従うこと

*4:このほかに社会不安障害(SAD)、PTSDの過剰な不安など気分障害・睡眠障害・心身症などに用いられる。日本においては主にICD-10に基いて疾患分類と治療を行なっているために、DSMに見られるような分類、治療とは多少の差がある

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