[英] Super Bowl
スーパーボウルは、アメリカンフットボールのプロリーグである「NFL」のチャンピオンチームを決める試合。AFC、NFC各カンファレンスを代表するチームが1試合のみで決着をつける。
9月〜12月のレギュラーシーズン、1月のプレーオフシーズンに続き、例年、2月の第一日曜日*1に開催されることになっている。開催地は通常、出場チームとは関係なくあらかじめ決められた場所となる。
スーパーボウルの勝利チームには、ティファニーが制作し、スターリングシルバー製のトロフィー「ヴィンス・ロンバルディ・トロフィー」が贈られる。
スーパーボウルは、単なるスポーツイベントの枠を越え、アメリカ文化の主要な一部分として、多くの人々に楽しまれている。アメリカの国民の祝日には指定されていないものの、スーパーボウルまでの1週間は“スーパーボウル・ウィーク”と呼ばれ、出場チームの地元や開催地はもとよりアメリカ全土がスーパーボウル一色になる。
試合当日は"スーパーボウルサンデー"(Super Bowl Sunday)、"スーパーサンデー"と呼ばれ、テレビでは朝からスーパーボウル関連の話題や試合の予想で一色となる。また、多くの人々はスーパーサンデーに友人や家族などを集めパーティーを開き、毎年1度のアメリカ最大のスポーツイベントを楽しむ。
スーパーボウルの始まりは、NFLに対抗して創立されたAmerican Football League(AFL)とNFLの優勝チーム同士の対抗戦である。
1960年にシーズンをスタートさせたAFLが大方の予想を裏切り着実に人気を勝ち取っていくにつれ NFLとの間で選手の争奪戦が激しくなるに従い、両リーグは共存の道を探り始め合併することに合意。その移行期間である1967年1月15日に、後にスーパーボウルと呼ばれるようになる“AFL-NFLワールド・チャンピオンシップ・ゲーム”が両リーグの優勝チーム同士の間で行われた。これが、スーパーボウルの原型である*2。合併が終了し現在のAFC対NFCの形になったのは、1971年の第5回から。
開催地はオーナー会議によって、数年前に決定するため、出場チームとは関係ない*3。
スーパーボウルは中継する各国のテレビクルーやマスコミ、観客にとどまらず、その雰囲気を味わおうとする観光客やアメリカンフットボール・ファンも訪れ、開催都市には莫大な経済効果をもたらすと言われ、多くの都市が開催を希望するが、収容人員6万人以上のスタジアムしか使用しないという規定が存在する。
開催立候補する都市には、スタジアムの収容人数のほか、それだけの観光客を受け入れられる宿泊施設、交通網などの施設が整っていることが求められ、そのため観光地や大都市圏が選ばれることが多い。
また、2月の平均気温が10度以上であるか、風雪に耐えられるドーム球場があるという条件も満たす必要がある。そのため、フロリダ州、カリフォルニア州、アリゾナ州といったある程度温暖な地域やニューオーリンズ、アトランタ、ミネアポリス、デトロイトといったドーム球場を持つ都市などに開催地が偏る傾向にある。
ただし、2014年の開催地はニューヨーク近郊のニュージャージー州イーストラザフォードに建設されたメットライフ・スタジアムに決定した。同スタジアムは屋外であり、周辺の2月の平均気温も-4℃近くという寒冷地であることから、過去の例から考えると極めて異例の決定となった。
米国内では4大ネットワークのうち、NFLの放映権を持つネットワークが持ち回りで放映権を獲得して生中継される。
スーパーボウル中継は、毎年非常に多くの視聴者を集め、テレビ中継の視聴率は1991年以降22年連続で40%を超えている。
2012年の第46回大会では、米国内の視聴者数が約1億1300万人と米国のテレビ史上最多を記録した。なおスーパーボウル中継における最高視聴率は、1982年の第16回大会で49.1%。
このため、テレビ中継に流されるコマーシャル枠の価格は世界で最も高価で、大手企業の大金を惜しみなくつぎ込んだコマーシャルが見られることでも知られている。アップルコンピュータが1984年のスーパーボウルでマッキントッシュの発売告知のコマーシャル「1984」を放映したことにより、一躍名を知られるようになったことが契機とされている。2011年現在、CM枠の価格は30秒枠で平均290万ドル。
米国外では、世界200か国で生中継される。テレビ視聴者数としては世界で多く視聴されている。
日本国内では、当初はTBS系列で、さらに日本テレビ系列で独占生中継していたが、衛星放送の普及や視聴率の低下から、現在は生中継はNHKがBS1で放送し、地上波では日本テレビ系列で日本時間月曜深夜(火曜未明)に2時間に編集した録画中継という形で放送されているほか、CS放送のGAORA(独自編集)と日テレG+(日テレ製作のノーカット版)で後日録画放送している。
回 | 年度 | AFL代表 | 結果 | NFL代表 | 開催地 |
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1 | 1967年 | カンザスシティ・チーフス | 10-35 | グリーンベイ・パッカーズ | ロサンゼルス・メモリアル・コロシアム (ロサンゼルス) |
2 | 1968年 | オークランド・レイダーズ | 14-33 | グリーンベイ・パッカーズ | オレンジボウル (マイアミ) |
3 | 1969年 | ニューヨーク・ジェッツ | 16- 7 | ボルティモア・コルツ | オレンジボウル (マイアミ) |
4 | 1970年 | カンザスシティ・チーフス | 23- 7 | ミネソタ・バイキングス | チューレーン・スタジアム (ニューオーリンズ) |
回 | 年度 | AFC代表 | 結果 | NFC代表 | 開催地 | |
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5 | 1971年 | ボルティモア・コルツ | 16-13 | ダラス・カウボーイズ | オレンジボウル (マイアミ) |
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6 | 1972年 | マイアミ・ドルフィンズ | 3-24 | ダラス・カウボーイズ | チューレーン・スタジアム (ニューオーリンズ) |
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7 | 1973年 | マイアミ・ドルフィンズ | 14- 7 | ワシントン・レッドスキンズ | ロサンゼルス・メモリアル・コロシアム (ロサンゼルス) |
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8 | 1974年 | マイアミ・ドルフィンズ | 24- 7 | ミネソタ・バイキングス | ライス・スタジアム (ヒューストン) |
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9 | 1975年 | ピッツバーグ・スティーラーズ | 16- 6 | ミネソタ・バイキングス | チューレーン・スタジアム (ニューオーリンズ) |
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10 | 1976年 | ピッツバーグ・スティーラーズ | 21-17 | ダラス・カウボーイズ | オレンジボウル (マイアミ) |
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11 | 1977年 | オークランド・レイダーズ | 32-14 | ミネソタ・バイキングス | ローズボウル (パサデナ*4) |
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12 | 1978年 | デンバー・ブロンコス | 10-27 | ダラス・カウボーイズ | ルイジアナ・スーパードーム (ニューオーリンズ) |
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13 | 1979年 | ピッツバーグ・スティーラーズ | 35-31 | ダラス・カウボーイズ | オレンジボウル (マイアミ) |
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14 | 1980年 | ピッツバーグ・スティーラーズ | 31-19 | ロサンゼルス・ラムズ | ローズボウル (パサデナ) |
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15 | 1981年 | オークランド・レイダーズ | 27-10 | フィラデルフィア・イーグルス | ルイジアナ・スーパードーム (ニューオーリンズ) |
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16 | 1982年 | シンシナティ・ベンガルズ | 21-26 | サンフランシスコ・49ers | ポンティアック・シルバードーム (ポンティアック*5) |
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17 | 1983年 | マイアミ・ドルフィンズ | 17-27 | ワシントン・レッドスキンズ | ローズボウル (パサデナ) |
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18 | 1984年 | ロサンゼルス・レイダーズ | 38- 9 | ワシントン・レッドスキンズ | タンパ・スタジアム (タンパ) |
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19 | 1985年 | マイアミ・ドルフィンズ | 16-38 | サンフランシスコ・49ers | スタンフォード・スタジアム (スタンフォード*6) |
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20 | 1986年 | ニューイングランド・ペイトリオッツ | 10-46 | シカゴ・ベアーズ | ルイジアナ・スーパードーム (ニューオーリンズ) |
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21 | 1987年 | デンバー・ブロンコス | 20-39 | ニューヨーク・ジャイアンツ | ローズボウル (パサデナ) |
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22 | 1988年 | デンバー・ブロンコス | 10-42 | ワシントン・レッドスキンズ | ジャック・マーフィー・スタジアム (サンディエゴ) |
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23 | 1989年 | シンシナティ・ベンガルズ | 16-20 | サンフランシスコ・49ers | ジョー・ロビー・スタジアム (マイアミ) |
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24 | 1990年 | デンバー・ブロンコス | 10-55 | サンフランシスコ・49ers | ルイジアナ・スーパードーム (ニューオーリンズ) |
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25 | 1991年 | バッファロー・ビルズ | 19-20 | ニューヨーク・ジャイアンツ | タンパ・スタジアム (タンパ) |
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26 | 1992年 | バッファロー・ビルズ | 24-37 | ワシントン・レッドスキンズ | メトロドーム (ミネアポリス) |
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27 | 1993年 | バッファロー・ビルズ | 17-52 | ダラス・カウボーイズ | ローズボウル (パサデナ) |
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28 | 1994年 | バッファロー・ビルズ | 13-30 | ダラス・カウボーイズ | ジョージア・ドーム (アトランタ) |
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29 | 1995年 | サンディエゴ・チャージャーズ | 26-49 | サンフランシスコ・49ers | ジョー・ロビー・スタジアム (マイアミ) |
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30 | 1996年 | ピッツバーグ・スティーラーズ | 17-27 | ダラス・カウボーイズ | サンデビル・スタジアム (テンピ*7) |
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31 | 1997年 | ニューイングランド・ペイトリオッツ | 21-35 | グリーンベイ・パッカーズ | ルイジアナ・スーパードーム (ニューオーリンズ) |
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32 | 1998年 | デンバー・ブロンコス | 31-24 | グリーンベイ・パッカーズ | クアルコム・スタジアム (サンディエゴ) |
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33 | 1999年 | デンバー・ブロンコス | 34-19 | アトランタ・ファルコンズ | プロ・プレイヤー・スタジアム (マイアミ) |
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34 | 2000年 | テネシー・タイタンズ | 16-23 | セントルイス・ラムズ | ジョージア・ドーム (アトランタ) |
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35 | 2001年 | ボルティモア・レイブンズ | 34- 7 | ニューヨーク・ジャイアンツ | レイモンド・ジェームス・スタジアム (タンパ) |
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36 | 2002年 | ニューイングランド・ペイトリオッツ | 20-17 | セントルイス・ラムズ | ルイジアナ・スーパードーム (ニューオーリンズ) |
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37 | 2003年 | オークランド・レイダーズ | 21-48 | タンパベイ・バッカニアーズ | クアルコム・スタジアム (サンディエゴ) |
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38 | 2004年 | ニューイングランド・ペイトリオッツ | 32-29 | カロライナ・パンサーズ | リライアント・スタジアム (ヒューストン) |
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39 | 2005年 | ニューイングランド・ペイトリオッツ | 24-21 | フィラデルフィア・イーグルス | オールテル・スタジアム (ジャクソンビル) |
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40 | 2006年 | ピッツバーグ・スティーラーズ | 21-10 | シアトル・シーホークス | フォード・フィールド (デトロイト) |
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41 | 2007年 | インディアナポリス・コルツ | 29-17 | シカゴ・ベアーズ | ドルフィン・スタジアム (マイアミ) |
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42 | 2008年 | ニューイングランド・ペイトリオッツ | 14-17 | ニューヨーク・ジャイアンツ | フェニックス大学スタジアム (グレンデール*8) |
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43 | 2009年 | ピッツバーグ・スティーラーズ | 27-23 | アリゾナ・カージナルス | レイモンド・ジェームス・スタジアム (タンパ) |
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44 | 2010年 | インディアナポリス・コルツ | 17-31 | ニューオーリンズ・セインツ | サンライフ・スタジアム (マイアミ) |
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45 | 2011年 | ピッツバーグ・スティーラーズ | 25-31 | グリーンベイ・パッカーズ | カウボーイズ・スタジアム (アーリントン*9) |
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46 | 2012年 | ニューイングランド・ペイトリオッツ | 17-21 | ニューヨーク・ジャイアンツ | ルーカスオイル・スタジアム (インディアナポリス) |
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47 | 2013年 | ボルティモア・レイブンズ | 34-31 | サンフランシスコ・49ers | メルセデスベンツ・スーパードーム (ニューオーリンズ) |
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48 | 2014年 | デンバー・ブロンコス | 8-43 | シアトル・シーホークス | メットライフ・スタジアム (イーストラザフォード*10) |
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49 | 2015年 | ニューイングランド・ペイトリオッツ | 28-24 | シアトル・シーホークス | フェニックス大学スタジアム (グレンデール) |
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50 | 2016年 | デンバー・ブロンコス | 24-10 | カロライナ・パンサーズ | リーバイス・スタジアム (サンタクララ*11) |
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51 | 2017年 | ニューイングランド・ペイトリオッツ | 34-28 (OT) |
アトランタ・ファルコンズ | NRGスタジアム (ヒューストン) |
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52 | 2018年 | ニューイングランド・ペイトリオッツ | 33-41 | フィラデルフィア・イーグルス | USバンク・スタジアム (ミネアポリス) |
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53 | 2019年 | - | メルセデスベンツ・スタジアム (アトランタ) |
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54 | 2020年 | - | ハードロック・スタジアム (マイアミ) |
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55 | 2021年 | - | レイモンド・ジェームス・スタジアム (タンパ) |
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56 | 2022年 | - | ロサンゼルス・スタジアム・アット・ハリウッドパーク (イングルウッド *12) |