「リスト::SF作家」
A&B(アルカージイ&ボリス)・ストルガツキー。ソ連時代のロシアのSF/幻想文学作家。兄弟の共作により小説を発表した。代表作『ストーカー』はアンドレイ・タルコフスキーにより映画化されている。 兄アルカージイ(1925-1991)は日本文学研究者であり、弟ボリス(1933-)は天文学者でもある。 ストルガツキイ、ストルガッキー、ストルガツキー兄弟、とも。
主な邦訳(SF)作品は
収容所惑星 (ハヤカワ文庫SF)
ストーカー (ハヤカワ文庫 SF 504)
蟻塚の中のかぶと虫 (ハヤカワ文庫SF)
波が風を消す (ハヤカワ文庫SF)
『ストーカー』(原題の『路傍のピクニック』のほうが私は好きです)ですっかりストルガーツキイ兄弟に惚れてしまって、彼らについて調べたり彼らの著作のサンプルをKindleでいろいろ(日本語だと『ストーカー』しか無いので英訳を)ダウンロードして読み比べたり図書館に彼らの本を借りに行ったり古本屋さんで注文したりしていたら、歯医者さんの定期健診の予約入れてたのをど忘れしてすっぽかしてしまいました。反省。 『ストーカー』には本当に、脳みそを10トントラックではね飛ばされたような衝撃を受けました。 寝食を忘れる勢いで小説にのめり込んだのなんていつ以来だろう。嬉しいです。 ストーカー (ハヤカワ文庫SF) 作…
ストーカー (ハヤカワ文庫 SF 504)作者:アルカジイ ストルガツキー,ボリス ストルガツキー早川書房Amazon ファーストコンタクトもの第2弾は、アルカジイ&ボリス・ストルガツキーの『ストーカー』。タルコフスキーによって映画化されている点以上に、未知のものが人間という存在を克明に写しだす鏡であるという点において、この小説はレムの『ソラリス』とふたごの兄弟のようによく似ている。 邦訳の『ストーカー』というタイトルは、作中のゾーンと呼ばれる地球外生命の来訪地から、来訪者たちが残していったものを盗み出す男たちをそう呼んでいるところから取ったもので、他人にしつこくつきまとう異常者のことではない…
見知らぬ惑星で死ねない体となり進化する謎の円盤と対峙する避けゲーかつ死にゲー 遊びやすいアーケードスタイルのアクションゲームだけど、同時に未知の存在と人間の邂逅を描く素晴らしいハードSFでした! 非常に気に入ったのでSteamレビューに加筆してブログにも置いておく。 作り込まれたストイックかつ快適なアクションゲームと硬派なSFエッセンスがコンパクトにぎゅっと詰め込んである小粒良品。特に、小説・映画「2001年宇宙の旅」やスタニスワフ・レム「ソラリス」やストルガツキー兄弟「ストーカー」等のすこし古めのSFが好きな方には強くおすすめ ひととおりクリアまで2~3時間、ハードモードや謎解きまでやりこむ…
劉慈欣 著、大森望、光吉さくら、ワン=チャイ 訳『三体』。前日譚を入れるとシリーズ6作品の1作目になる。冒頭は文化大革命の描写から始まる。序盤は科学者たちが超自然的な事態に遭遇し、命の危険の代わりに研究を中止するよう促されるという展開。過去と現代(のARゲーム)を行きつ戻りつしながら将来の脅威の正体が明らかになっていく。序盤の現代パートはアルカジー&ボリス=ストルガツキー「世界終末十億年前」のような展開。鈴木光司の「リング」シリーズのように提示された謎は全てきちんと種明かしされるため、曖昧模糊とした脅威のようなものは無い。年末年始からSF作品を読み進めているものの、長い物語に手を出してしまった…
1986年チェルノブイリ原子力発電所大爆発。半径30kmが汚染地域(ゾーン)として封鎖。2003年、人の出入りないのをいいことに政府はここに極秘の研究所をおっ建てて何やら怪しげな研究をしていたら2006年に再び大爆発。ゾーン全体が光に包まれて軍人と科学者の大半が即死。原因は解明できず、探査は常に失敗(大半が死亡)。生還者によると変異した動物やら人間やらがうようよしている変な空間「アノーマリー」が存在するという。 2009年にアノーマリーで超自然的な力を有する未知の物質「アーティファクト」が発見された(お宝だ!)。見つければ一攫千金。軍も汚染も空間のねじれも気にしない命知らずな喰い詰め者「ストー…
呪いを解く者作者:フランシス・ハーディング東京創元社Amazonこの『呪いを解く者』はジュブナイル系ファンタジイ長篇の名手フランシス・ハーディングの最新邦訳作にして、呪いとそれを解きほぐすことをテーマにした異世界ファンタジイだ。ハーディングのこれまでの邦訳作には『嘘の木』、『カッコーの歌』、『影を呑んだ少女』、『ガラスの顔』(すべて少年少女を主人公にしたファンタジイ)があるが、どれも違った傾向を持ちながら素晴らしい長篇ばかりで、一言でいえば「おそろしく各作品の平均点の高い作家」といえる。そのため、ハーディングは新刊が出たらまっさきに「次に読むリスト」の最上位にくる作家になっている。で、今回も刊…
今の時期、やりたい・やろうと思ってるけどやれていないことについて、全部「来年のやることリストに入れておこう」と悠長に構えられる。気楽でいいもんですね。 本を読んだりネットサーフィンをしたりして「この本読みたいな」と思った本のメモ。絶対に忘れるので、自分用に。すでに読んだことがある(けど再読したい)ものは★、すでに買って積んでいるものは*をつけた。 津村記久子『やりなおし世界文学』に載っている本 やりなおし世界文学 作者:津村 記久子 新潮社 Amazon 1. スコット・フィッツジェラルド『華麗なるギャッツビー』★ 2. ヘンリー・ジェイムズ『ねじの回転』* 3. モーパッサン『脂肪の塊・テリ…
amazarashiもそうだろといえばそうだが、基本的に自分の中で、アニソン系統以外で普通に好きっていうだけで過去にデカい記事1本とアルバムレビュー1本を出していて、そこまで音楽家として飽きも来ていない日本ミュージシャンという括りの中でamazarashiはかなり頑張ってる方でなので、普段ALレビューとかは率先して書かないのですが、今回は『永遠市』の音源を聴く前から書こうと決めていたので書きます。どんなに守備範囲が広い人でも、結局は収まるところってあると思います。その意味では自分の中ではamazarashiは収まっている側のアーティストなのかもしれません。そこまでの熱狂さするほどではないが、新…
な~~~にが"ネット掲示板発祥の都市伝説をアニメ化!!"だよ!Z世代受けしそうな安い企画をたてやがって!!ケッ!! こんなアニメを好むようなやつぁ部屋にこもってニコ動みたいな落ち目動画サイトでテーブルトークRPGのような非モテ大学サークルの活動記録(これに関しては真面目に何が面白いんだろうか...と思ってましたけど)みてーなセッション動画だのボカロだの!、 かつて若い男たちがただただ、金がないという理由のために!!カメラの前で醜態を演じさせられたホモビデオを嘲笑してる考えなしの暇人なんだろうが!!!ええ!?言い返せるかよ!!! と思っていて勝手にイラついて見もしなかったアニメですが今さら見返し…
1850年 曾祖父・八三郎生まれる。 1855年(安政2)内ノ子騒動 1866年(慶應2)奥福騒動 1894年(明治27)父・好太郎生まれる。祖母はフデ。 1902年(明治35)母・小石生まれる。 1914年(大正3)20歳の父と12歳の母が結婚。 1919年(大正8)祖父この頃死ぬ。数え五十歳。 1923年( 12) 姉・一生まれる。 1924年4月24日、好太郎、明智新六らと大瀬革進会を結成、総選挙で窪田文三を応援と決定する。(史料愛媛労働運動史4巻、124p、愛媛新報) 1929年(昭和4)長兄・昭太郎生まれる。? 次兄・清信生まれる。 1933年、姉・重子が生まれる。 5月15日、伊丹…
「東欧SF傑作集(上)」が創元SF文庫の一冊として出されたのは1980年、当方の書棚に並んでいる書籍の中では比較的新しい出版だが、収録作はそれよりかなり前に書かれたもの、「上」と銘打たれていることが示す通り、下巻も同年、恐らく同時に刊行されている。 これら両者の位置付けは作品の年代に基づくものではなく、上巻はポーランド、ハンガリー、ブルガリアの、下巻の方はチェコ、ユーゴ、東独、ルーマニアの作家を取り上げた国別によるものである。 個人的なことを言えば、東欧のSFと聞くと、「R.U.R.(ロボット)」「山椒魚戦争」のカレル・チャペックと「金星応答なし」「ソラリス」などのスタニスワフ・レム、さらに共…
ストルガツキーの「そろそろ登れカタツムリ」を再読。 これは主人公が違う「カンジート編」と「ペーレツ編」の二つの部分からなる作品で、1966年に「カンジート編」が最初に発表された。その後「ペーレツ編」が発表されるとソ連政府に発禁処分に。発表した雑誌の編集者は全員解雇され、その後西側で完全な形で発行されたといういわくつきの作品だ。 ある場所にある「森」。そこはなにか異常な場所らしく、政府が厳重な立ち入り禁止の措置をとっている。主人公の一人ペーレツは「森」に興味を持って近傍の施設へ配属されたが「森」に入ることは許可されずもうこの地を出たいと思っている。一方、もう一人の主人公カンジートは事故で立ち入り…