以前ピアニストのスタニスラフ・ブーニンについて記事を書いた時、書こうかどうか迷って書かなかったことがある。 それは、私がブーニン氏ご本人を見かけた時の話だ。 ピアノのリサイタルとか、音楽が関わる場所ではない。 どこかというと、自転車に乗っていた時だった。 ブーニン氏が東京にも住んでいることはかなり知られていると思うが、具体的な地名は控えたい。(ただ私は相当な距離をチャリで移動する人間ではある。) しかし自分にとっては「チャリを漕いでいる」というシチュエーションとスタニスラフ・ブーニン氏というのは、想像したことのない組み合わせだった。 なぜかというと、ブーニン氏は子供の頃の私にとって「現実離れし…