スクラムジェットとは超音速燃焼ラムジェット(Supersonic Combustion RAMJET : 縮めてスクラムジェット)のことで、およそマッハ4以上の高速で飛ぶ飛行機やスペースプレーンに使用するエンジンとして研究が進められています。
飛行機が高速で飛ぶと、空気は高温となりターボジェットのように回転式の圧縮機は使用できなくなります。逆に圧縮機を用いなくても空気はエンジンの中に流入し、通路を狭くすることで流れが堰き止められ、自分の勢いで圧縮されます。このように空気の勢いを利用して圧縮する形式のジェットエンジンをラムジェットと呼びます。ラムジェットでは、空気の通路を狭くするため、エンジン内部の流れの速度はマッハ1以下(亜音速)になります。しかし、機体の速度がどんどん上がっていくと、吸い込んだ空気の温度や圧力が過大になり、性能が悪くなります。これを避けるために、マッハ4以上の飛行では空気をあまり圧縮せず、エンジンの中で音速よりも速い速度(超音速)のまま燃焼させることが提案されています。こうしたラムジェットをスクラムジェットと呼びます。