出家した釈尊の修行の話に入る前に、当時の宗教的な時代背景を見ていきたいと思います。釈尊をはじめ、当時の出家者達が苦行や瞑想の修行をする理由は何なのかが分かりやすくなるかと思います。 ○生天思想、そして天界での再死への恐れ 西洋人と祖先を同じくするアーリア人がコーカサスの地を離れて東方に向かって遊牧の旅を続け、一部はイランに入り、他は西北インドからインダス河の上流五河地方を占拠し、定住しました。アーリア人は紀元前1200年頃までに「リグ・ヴェーダ」の宗教を成立させます。アーリア人が「リグ・ヴェーダ」の中で信じた神々は多神教であり、例えば自然神として、天神ディヤウス、太陽神スーリヤ、暴風神ルドラ、…