1998年4月、山人社から刊行された内田聖子(1943~)のエッセイ集。 日本のエネルギー産業が石炭から石油に移行する時代、歴史に残る三井三池闘争があり、れと並行して大正炭坑の闘いがあった。 中小の大正炭坑を拠点に大正行動隊を組織して積極的に活動、華々しくクローズアップされたのが谷川雁である。 朝日人物辞典によれば、谷川雁は一九二三年、熊本県水俣市生まれ。東大社会学科卒。六〇年刊行の『谷川雁詩集』では「瞬間の王は死んだ」と言い、詩をやめることを宣言。革命の原点を探る「原点が存在する』、『工作者宣言』などがあり、六〇年安保では多くの学生や活動家の思想上のよりどころとなる。その後も新左翼陣営や全共…