マジックリアリズムというジャンル名は随分前から知っていた。 森見登美彦が、日本におけるマジックリアリズムを扱う作家として扱われていたからだ。 そしてマジックリアリズムを象徴するのは南米の作家たちである、と。 大学の課題でラテンアメリカ文学をネタに出来た機会にごく短い比較評論を書きつつも、熱心さの足らない私は課題の為に作品を読み込んでから挑むということはしなかった(作品でなくあくまで作家を扱ったので)のだが、どうにもラテンアメリカ文学の機運が脳内でにわかに高まり、三か月の時間差でこのハイカロリーをよく噛んで食べようと決意した。 さて、課題の為の下調べで行き当たった、出来過ぎた話がある。 ガルシア…