原題:The Godfather
「マフィア」という存在を世に知らしめたマリオ・プーゾのベストセラーを原作にした、コッポラが監督した1970年代ばかりか映画史を代表する傑作ドラマ。マフィアを単なる暴力団として捉えたのではなく、主役となるコルレオーネ家の普遍的なファミリー映画とした着眼点が素晴らしい。
家族を重視するイタリア系の物語だが、映画そのものもイタリア系であるコッポラ・ファミリーが集合している。タリア・シャイアはコッポラの実の妹だし、クライマクスに登場する赤子はソフィア・コッポラだ。音楽の一部を作曲したカーマイン・コッポラは実父である。
苛烈な暴力描写はディック・スミスのメイクアップによるものだが、特に素晴らしいのは当時48歳だったマーロン・ブランドを70歳の老人にしたメイクだろう。
NHK-BSで3月14日放送。フランシス・フォード・コッポラ監督。1986年。 キャスリーン・ターナーのおばさんくささが終始かなりの違和感を漂わせており、昏睡状態で見た夢だと考えればそれはそれで良い気はするものの、意図的な演出にも見えず、他方で夢ではなかったという描写(マイケル・フィッツシモンズの著書における献辞)もあり。 借金返済のための雇われ仕事とはいえ、「ゴッドファーザー」や「地獄の黙示録」の監督がここまでキレのない鈍臭い作品を撮るのかという驚きはある。長く厳しい103分。 若き日のジム・キャリー、ヘレン・ハント、ソフィア・コッポラは見ることができる。