紀元1世紀にパレスチナ地方を中心に出現した思想運動。語義はギリシア語で「知ること」を意味する。キリスト教、ユダヤ教、ゾロアスター教等と融合。ヨーロッパの正統派カトリシズムからは異端視された。ヨーロッパ、中央アジア思想の地下水脈のひとつ。
アダムを誘惑した蛇を肯定的にとらえ、シンボルとしている。
現世否定と叡智による救済を中心とした他力的というよりも知性主義的で自力的な色彩が特色。
世界を創造した神(デミウルゴス)を崇拝対象とせず叡智によって真の神、至高神に到達できると説く。
「トレーン、ウクバール、オルヴィス・テルティウス」「ユダについての三つの解釈」(ホルヘ・ルイス・ボルヘス)、『ヒーザーン』(ジャック・ウォマック)など