マルクス・リキニウス・クラッスス。
共和制ローマ末期の政治家・将軍であり、当代随一の大富豪。私設消防団で儲けたことで有名。 ポンペイウス、カエサルとともに第一回三頭政治を行う。蓄財能力は抜群だったが、軍事的名声を獲得しようとパルティアと戦ってうっかり戦死。結果、三頭政治は終わり、カエサルとポンペイウスの直接対決への道が拓かれた。
「ローマの歴史」(I・モンタネッリ著 藤沢道郎訳)によれば ガイウス・ユリウス・カエサル は、 完全無欠の俗人 癇癪持ちで時々てんかんの発作を起こす 若禿(わかはげ) 長身、肥満、色白、眼は黒くてよく光る(スヴェト二ウスによれば…) やせすぎで中背(プルタルコスによれば…) 長い軍人生活で身体を鍛え上げた。 若い頃から馬術にすぐれ、両手を後に組んで早駆けさせることができた。 だが兵士の先頭に立ってよく歩きもした。 戦車で眠り、粗食に甘んじ、血はいつも冷たく、頭脳は冴えていた。 美男子ではない。 禿げ上がった頭は少々巨大すぎ、えらが張り、口はへの字に曲がっていて、両側に まっすぐな二本の深い縦じ…
今回は塩野七生氏の「ローマ人の物語」を要約していきます。9は「ユリウス・カエサル ルビコン以前」の中巻です。ローマ帝国属州スペイン統治にて武功を挙げたカエサルはその勢いのまま第一回三頭政治を司り41歳で執政官に就任し、ガリア遠征を繰り広げる紀元前60~49年までを扱います。 「ローマ人の物語9」 ■ジャンル:世界史・歴史小説 ■読破難易度:低(非常によみやすい文体で書かれており、一部物語調なのでサクサク読めます。世界史の教科書や地図を手元に置いて読むとわかりやすくなります。) ■対象者:・ヨーロッパの歴史について興味関心のある方 ・ローマの栄枯盛衰の変遷を詳しく理解したい方 ≪ローマ人の物語6…
今回は塩野七生氏の「ローマ人の物語」を要約していきます。8は「ユリウス・カエサル ルビコン以前」の上巻です。ローマを共和政から帝政へ移行させていく方向に大きく動かしたユリウス・カエサルの生涯を紐解いていくのが8の目的です。8はその上中下巻の上巻にあたり、ユリウス・カエサルの生い立ち~青年後期にあたる紀元前100~61年までを扱います。 「ローマ人の物語8」 ■ジャンル:世界史・歴史小説 ■読破難易度:低(非常によみやすい文体で書かれており、一部物語調なのでサクサク読めます。世界史の教科書や地図を手元に置いて読むとわかりやすくなります。) ■対象者:・ヨーロッパの歴史について興味関心のある方 ・…
こんにちは、Clariceです。少し前に、熱海へ温泉旅行に出かけました。行きたかったMOA美術館にも行くことができ、嬉しかったです。 今回は、オーシャンビューを楽しむ旅となりました。熱海駅で友人たちと現地集合です。 驚いたのが、とても暖かかったこと。数日前は長野に居たので、寒暖差に衝撃を受けました。笑青い海に青い空に、ヤシの木が良く映えます。 そして、歩いていると、桜が咲いていることに驚きました。 初めて知りました。春の訪れを感じ、とても嬉しかったです。まだ2月なのに!と思ったのですが、熱海の桜は日本でいちばん早くに開花するそうですね。 ◇熱海銀座にて、海鮮丼を探しますが、どこも満員でものすご…
度重なる戦争やラティフンディアの開始などによって貧富の差が顕著になると、これをなんとかして解決しようとした人物が現れた。グラックス兄弟である。 →兄のティベリウス=グラックスは没落した中小農民に土地を与えることで再建し、強い軍隊を組織しようとした。しかし、護民官の再選に失敗すると、国法に反したとして殺された。このため、ティベリウスによる改革は失敗に終わった。 →弟ガイウス=グラックスは元老院に対抗する勢力を確保することに努めたが、最後には3000人の味方とともに殺された。このためガイウスによる改革も失敗に終わった。 →グラックス兄弟の改革に影響され、野心的な政治家が台頭してきた。彼らは元老院の…
今回は塩野七生氏の「ローマ人の物語」を要約していきます。7は「勝者の混迷」の下巻であり、紀元前110~紀元前63年の混沌とした時代を描きます。前半は共和政ローマ末期を牽引したガイウス・マリウス・ルキウス・コルネリウス・スッラの執政官としての振る舞いに関する記述がなされ、後半は後に第一回三頭政治を取り仕切ることになるグナエウス・ポンペイウスのローマ帝国領土東方拡大の様が記述されています。 「ローマ人の物語7」 ■ジャンル:世界史・歴史小説 ■読破難易度:低(非常によみやすい文体で書かれており、一部物語調なのでサクサク読めます。世界史の教科書や地図を手元に置いて読むとわかりやすくなります。) ■対…
2019/6/22 購入、2024/1/26 - 2/18 で読了。おもに広電内で。 500ページ以上あるのにほぼ全ページが面白いという驚異の書。映画的名場面、どんでん返しがありすぎる。 訴訟王エジソンの標的 (ハヤカワ文庫NV)作者:グレアム ムーア早川書房Amazon なんで買ったのかは覚えてない。丸善のハヤカワ棚でなんとなく惹かれたから? しかし訳者あとがきで著者は『イミテーション・ゲーム』の脚本家であったと知り、深く納得した。そら面白いわけやで。 原題は THE LAST DAYS OF NIGHT。それでは伝わらんであろうということで「発明王」をもじった「訴訟王」にしたものと思われる…
プルタルコス英雄伝 下 (ちくま学芸文庫 フ 8-3)作者:プルタルコス筑摩書房Amazon 収録されているのは、クラッスス、ポンペイウス、カエサル、キケロ(付比較)、アントニウス。天寿を全うした人は一人もいない。 キケロが比較されているのはデモステネス(上巻)。カエサルのペアはアレクサンドロス(中巻)であるが、これにはもともと比較がついていない。 クラッススの相手はニキアス、ポンペイウスはアゲシラオス、アントニウスはデメトリオスであるが、いずれもギリシア方のペアが選に漏れたので、比較も省略されている。 プルタルコスが描くキケロ像。 小心で臆病であるにもかかわらず、名誉欲に取りつかれた皮肉屋で…
1. 僕が何かを発見した時はいつでも、君が「山分けにしましょう!」と言うまで待ったりはしません。君のために僕は自分からそう言いましょう。僕が発見したものが何かを知りたければ、財布を広げて下さい。丸儲けです。僕が君に教えるのは、どうすれば速やかに金持ちになれるか、ということです。君はどれほど熱心に、これを聞きたいと思っていることでしょう!当然のことです。僕は君を、最大の富者への近道を通って導きましょう。とはいえ君は、金を貸してくれる人が必要だと思うことでしょう。事業*1を行うためには、借金の契約をする必要がありますから。しかし僕は、君が仲介者を通して借り入れすることを望みませんし、金貸し業者が君…
アフィリエイト広告を利用しています # ユリウス・シーザーとは? ユリウス・シーザーは、古代ローマの最も有名で影響力のある人物の一人です。彼は政治家、将軍、作家、改革者として、ローマの歴史に多大な足跡を残しました。彼の名前は、今でもラテン語で「皇帝」を意味する「カエサル」として残っています。 ## 生い立ちと家族 ユリウス・シーザーは、紀元前100年(一説には紀元前102年)の7月12日または13日に、ローマの貴族の家系であるユリウス氏族の一員として生まれました。彼の家族は、ローマの建国者ロムルスや女神ヴィーナスの子孫を自称していました。 シーザーは若い頃から政治に興味を持ち、紀元前68年また…
1. 君がお尋ねのことは、なぜある時代に堕落した文体が生じるか、またどのようにして才能ある人々が悪趣味(な文体)へと落ち込み、ある時は大げさな表現が、ある時は気取った表現が、ある時は歌のような調子の表現が広まるのかについてです。あるいは、なぜある時は信じられないほど大胆な表現が好まれたり、ある時は途切れ途切れで暗示に満ち、聞くと言うよりもむしろ読解しなければならない言い回しが好まれるのかについてです。あるいはなぜある時代には、隠喩的な表現が慎みもなく多用されていたのかについてです。この答えとして、君も普段からよく聞く言葉をご紹介しましょう。ギリシャでは格言にもなっているもので、「語り方はその人…
きゃりーぱみゅぱみゅが去年結婚したらしくて、結婚式で天竺鼠の将棋夫婦ネタをやったんだって。 いいですね〜。俺あのネタめちゃくちゃ好きなんだよ。耳コピしてベース弾いてたもん。 なにがいいかって、天竺鼠があのネタにメッセージ的なものを詰め込んだのかどうか全然わからないのがいい。しかし見ている側は確実にメッセージを受け取る。 しかし、瀬下の不倫騒動で作品にケチがついてしまった……のかな。べつにそんな気になんないけど。むしろそれであのネタがオチたのかもしれない。 日本人がいっぱい出てくる本を読んでいる。 なんなんだよこれ。人の名前が全然覚えらんないよマジで。登場人物が登場しすぎる。なに次から次へと人物…
ザ・グラディエーター 復讐のコロシアム(字幕版) パトリック・バーギン Amazon クラシアスってクラッススのことかしら? 一応史実に乗っかってるの? 考証とかは結構危うい面があるっぽいけど。砂時計とか出てきた時点で「むむ……コイツは怪しいぞ」とはなったよね。 でもまあ、映画の内容としてはそれ以前の問題だよなあ。表面上のテーマ若覧ではないんだけれども、史実を題材にしてこんなにストレートに女性の権利やなんやらを言われても、いやまあそれはそれだしなあ……という気持ちになる。アレで三頭政治の人間がやられちゃったら、それはそれでローマの威光ってなんなんじゃ! という感じだしなあ。 殺陣が面白いかとい…
1. 僕はノメントゥム*1の別荘に逃れたのですが、それはなぜだと思いますか?都会から逃れるためでしょうか?いいえ、熱病、それも確実に忍び寄ってくる熱病から逃れるためでした。それは既に僕を捉えていました。医者は僕に、脈拍が乱れて不規則になり、自然の調子を狂わせて、病気が進行していると言い続けました。ですから僕はすぐに馬車を用意するよう命じ、妻のパウリナ*2に引き止められても、出発すると言い張りました。というのも、僕の長兄ガッリオー*3が、アカイア州で熱を出した時に、これは体の病気ではなく場所の病気だと言って、すぐに船に乗り込んだことを思い出したからです。2. このことを、いつも健康に気を付けるよ…
たった一人の戦士がローマを苦しめた。奴隷にまで身分を落としたその英雄は、多くの戦士を集って、最大でも12万から18万まで勢力を拡大させて、ローマに大打撃を与えた。彼の名前はスパルタクス。ハンニバルに並ぶ「ローマの敵」と謳われることになる大英雄である。近代にもなると、カール・マルクスから「古代プロレタリアートの真の代表者」と評された。 今回はそんなスパルタクスをなるべく簡単に紹介していこうと思います。 生涯 奴隷以前 反乱の始まり 200人の守備隊を撃破 3000人の法務官グラベルを敗る。 15000の部隊と戦う 故郷を目指す クラッススと戦う 生涯 奴隷以前 古代ローマの歴史の中で奴隷による大…
Idus Martiae(3月15日)、カエサルは暗殺されました。 シェイクスピアは「ジュリアス・シーザー」で元老院議会の会場に到着したカエサルと、「3月15日の不吉」を唱え続けた占い師にこんなやりとりをさせている。 シーザー:「3月15日は来たぞ」 占い師 :「でもまだ過ぎ去ってはいません」 「3月15日になっても何も起こらないではないか」と占い師を嗜めるカエサルと、「いやいやこれから何かが起こるのだ」、という占い師のやりとりです(「ジュリアス・シーザー」より)。 歴史の中では、この3月15日には他にも不吉な兆候がいろいろ記録されているのだけれど、その多くは後世に想像力によって書き加えられた…