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カースト

(一般)
かーすと

インドの職能を基にした階級制度。もしくはその中の階級を指す。この階級は世襲であり、崩されることはない。法的にはカーストは廃止されたが、現在もなお厳然として存在しており、人権関係の団体組織からは長期的な懸案のひとつと目されている。

最初期には、

の4階級(種姓 ヴァルナ)であったが、時代と共に職能毎にさらに細分化、序列化していった。現代では1000のオーダーに昇るサブ・カースト(ジャーティ)があると言う。

西北インドへの印欧語族の征服にともなって、土着の種族を支配するために設けられた。上位カーストがアーリア系であり、下位カースト、シュードラと不可触賤民*1に土着の民族を設定した。

カーストの目的は「社会を維持し、余分な人口を増やさないため」であるとヒンドゥー教の経典(バガヴァット・ギーター)の中で説明されている。社会全体の人数を制限し、その中で必要な職能を必要な数だけ常に確保するための制度であったが、多くの制度がそうであるように、当初の理念を離れて一人歩きし始めたカースト制度は、維持のための維持を行う制度のための制度に成り果てている。中国に続いて爆発的に人口を増やしていることからも、この当初の理念が忘れ去られていることがわかるだろう。

http://blhrri.org/kokusai/un/un_0020.htm

あるカーストに生まれた者は、そのカーストが定める職業以外の職業には、よきにつけあしきにつけ就職できない。例えば、(何故そんなカーストが存在するのかの理由はさておき)ひったくりのカーストに生まれた者はひったくりでした生計を立てることはできない(出身のカーストを問われ、他職=カーストへの就職が困難)。だからといって、官憲や付近住人からその行為を許されている訳ではなく、他の犯罪者と同様に逮捕されたりリンチされたりする。結婚は同じカーストか、せいぜい一つ二つ序列の違うカーストとの間でしかできない。(現代ではまだ緩和された方らしい)

また、極端に低いカーストの女性たちはもっと上位のカーストの男性たちから、共同体ぐるみで習慣的にレイプ・虐待を受けており、そのことに反抗できないでいる。女性の人権団体からは非常に問題視されている。さらには、このカーストの外、人間とは認められない人間も多数存在していることを忘れてはならない。彼らはバラモン教、ヒンドゥー教で言うところの人間ではないので、家畜や野生動物と同等の扱いを受けている。

カースト制度を否定する動きはインドの歴史の中で何度も起こった。その中でも最も古いのは、紀元前6世紀頃の仏教の勃興である。仏陀ことシャカ族の王子ゴータマ・シッダールタが人は皆平等であると唱え、カースト制度(すでにその頃から破壊不可能なほど堅固で、かつ現代と同じような問題を発生させていた)を否定したが、既得権益者の激しい抵抗にあって頓挫している。インドでは見る影もなく、むしろ日本、東南アジアで受け入れられている現状が何よりそれを物語っている。

インド独立の祖マハトマ・ガンジーもまた、その運動のさなか、インド国民の意思統一を図る目的で、カースト制度の否定を行った。バイシャ、シュードラを革命勢力に取り込めると目論んだのである。けれど、最終的には「戦後」の混乱を見越して既得権益者であるバラモン、クシャトリヤへのアピールとして、ガンジーは言を翻していた。政治は奇麗事ではないと言う実例か。

*1:ハリジャン、アンタッチャブル

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