The Conversation
中年男ハリーは冷静に淡々と仕事をこなすプロの盗聴屋だった。ごく普通の依頼と思われた仕事をこなすハリーだったが、依頼主への疑念から自らのポリシーを破って盗聴内容を録音したテープを再生してしまう。そこには殺人事件をほのめかす会話が入っていた。
コッポラが『ゴッドファーザー』の大成功後、『ゴッドファーザーPART II』監督を条件に製作した意欲作。克明な盗聴作業だけではなく、自らのプライバシーが侵されているとの強迫観念に陥る主人公の心理が描かれている。
尚、ハックマンが主演した『エネミー・オブ・アメリカ』では、本作の主人公のその後とも受け取られるようになっている。
村上春樹が読者交流サイト(おそらく「村上さんのところ」)でおすすめしていたもの。2017年に転居で東京に戻る時にホテルで読み始めて、これはとても面白いから落ち着いてからちゃんと読もうと思ってはや6年超。 編集技術や音響デザインの細部は、ここまで神経を使うのかと蒙を啓かれるものがあり、さすがに読ませる。更に面白いのはコッポラ組でなくては語り得ない解説。例えば以下。 「これら70年代の名作はすべて《ゴッドファーザー》がヒットしたお蔭で作ることができたものだよ。皮肉なことに、《ゴッドファーザー》はフランシスが目指していた作品とは質が違う。当初は典型的な大予算ハリウッド映画の企画だったし、本来そういう…