カシュガル(Kashgar, 喀什)は中華人民共和国新疆ウイグル自治区カシュガル地区唯一の県級市。 タリム盆地最大の都市で、古くからパミール高原越えの拠点として栄えたシルクロードの要衝。 かつては仏教やマニ教が栄えたが、カラハン朝の侵入後はイスラム教色が強く、町の中心にあるエイティガール・モスクは特に有名。
カシュガルはウイグル族を中心としたイスラム教を信仰する少数民族が大部分。旧市街の中心には、この地のイスラム教徒の中心でもあるモスクや、2万人の人が住むバザールとなっています。旧市街は数年かけた大規模修繕が昨年終わったところだそうです。 1442年ごろに建てられたエイティガールモスク このモスクの原型は8世紀に遡るのですって。古く歴史のあるモスクに国旗がハタハタしているのを見るのはなんともアレな気分だったので、ハタハタしてない写真にしてみた。風に吹かれて見事にハタハタしてるのを見るとほんと喉の奥が苦しくなる。この辺りのことを書き始めるとアレなので、今回アレしておく。 カラフル! ここでお祈り バ…
ウイグルに来るにあたってわたしを悩ませていたことのひとつは、ヒツジを食すことを避けることはできるのかということ。ウイグルはヒツジ王国(食べる方)なのです。 ウルムチではヒツジを避けたのですが、トルファンでいよいよ避けることができなくなり、無理ならこっそり残そうと思いながらえいやっと食べたヒツジ。・・美味しかった・・。 ヒツジを最後に食したのは、アルゼンチンのパタゴニア(2014年)のこと。あの時もせつない気持ちを押し殺してえいやっと食べたら、フレッシュでめっちゃおいしかった。 カシュガルもヒツジ三昧エリア。肉といえばヒツジ。むしろ食事といえばヒツジなくらいヒツジを食べるそう。・・言うまでもなく…
ウイグル族のゆりかご(ウイグル語でブシュク)の話。ウイグルの都市部など(首府のウルムチとか)ではあまり使われなくなってきたそうですが、カシュガルでは2023年現在も現役のブシュクたち。 ウイグル・ブシュク(ゆりかご) 赤ちゃん(1歳まで使うらしい)をここに寝かせ、赤ちゃんが落ちないように、2箇所を紐(ふんわりとした棉のはいったもの)で固定するそうです。 足を伸ばした状態で固定するので、ウイグル人の足はまっすぐキレイな足なんですって。 ふんわり紐とふんわりお布団 こんな風に使うそうです 気になるのがこの穴(直径10cm-12cmくらい) ゆりかごの穴にジャカ(便器)をセットして使うそう 左が男の…
最後にやって来たのは、中国の西の端っこの街カシュガル。ここまで来ると漢民族の割合はぐっと減り、91%がウイグル族を筆頭に中央アジア系の少数民族。 この日はカシュガルの街からさらに西、山を越えたらダジキスやキルギスという国境エリア、7,000m級の山々に囲まれる氷河湖のカラクリ湖やブロン湖へ行ってきた。 中央アジアとの国境界隈はお国事情がなかったとしてもデリケートなエリアなので、外国人だけではなく、カシュガル界隈以外の中国人も同様にチェックは厳しめ。そんなわけで西へ向かう前にお役所へ出頭。 通行書は平日の当日申請、当日発行、所要時間15分程度 最終目的地までは車で3時間ほど。カシュガルをちょっと…
からの続き。 3日間カシュガル近郊の支水系と市内の河川を調査し、出発当初の予定から1日間前倒しとなる1月31日に、上海へ向けての帰路に着いた。1日前倒しにした理由は、一つにこの地域で”何か”をするという事に対して覚える、強烈な圧迫感と被拒否感。一つに無計画釣行故のあまりにもな時季外れ。前者に至っては初日に入った水系でこんな出来事が有った、衛星地図で見る限り恐らく半径50km圏内に住人は存在して居ないであろうと思われる地点で、何やら遠方上空から聞き覚えの有る不快な旋回音が近付いてきたのである、まさかこんな所に?と思いつつも、急いでタックルを畳み、場所的に絶対通じないであろう事は承知の上で、散歩を…
からの続き。 1月25日、上海を出発して早4日、困った事にまだ一度も水辺に立てていない。 当初のプランでは、人が多いであろうウルムチで”何か”をする予定は無かったのだが、セカンドプランが皆無だったので、とりあえずウルムチ近郊の水系をGoogle Mapで調べ、行ける限りで回ってみる事にした。 最初に向かったのは、市内からも比較的近い乌拉泊水库というリザーバー、 ここはウルムチ市の生活用水を供給している水甕との事だったので、恐らく侵入禁止であろうと思っていたのだが、意外にも水辺に取り付くことが出来た。 だが、しかし、こんな感じでアイスフィッシング以外に出来る事はなかった。 そして次に向かったのが…
前回の続きです。 定刻より少し遅れて北京時間9時45分頃にカシュガル駅に到着しました。 カシュガル駅の駅名標。 列車のレースカーテンはラクダ柄でした。 カシュガル駅を外側から。トルファンやクチャと同じように公安との交流があるかと思ってましたが、何もなくあっさり出れて拍子抜けしました。 駅前からバスに乗ってカシュガル古城のあたりまで来ました。交差点に大きなモニターがあり、お知らせや広告を流していました。 モニターに映し出された1枚の写真。真ん中に電線が入っていて少し見づらいですが、習近平主席と少数民族の子供たちが映っています。 カシュガル古城の地図。 地図と説明の看板。 看板を設置した当初、カシ…
私は、1994年8月27日、新疆ウイグル自治区のウルムチから汽車でカシュガルに着いた。着いてすぐに、ウイグル族の居住地域の中心地、エイディガール広場を訪ねた。 カシュガル中心地エイディガール広場に立つ筆者 イスラム教のエイディガール寺院 寺院前のエイディガール広場のカシュガル歌舞団 エイディガール広場の時計塔 カシュガルは、中国最西端のキルギス共和国との国境の町。シルクロード時代から交易の町として栄えた所で、ウイグル族中心に人口60万余りの大きな町。 エイディガール寺院横の通り ウイグル族居住地域の通り 街頭の靴の修理屋 街頭でジャガイモ売りとイチジク売りの少年 街頭の鋳掛屋 裏通りと木工屋 …
「牛肉麺」 旅という生活もあるのだなと思いました。
「甘いお茶」 なんでも調べられるようになりましたが、何が正しいかまではわからないんだなと思いました。
ホータンの町は、心地よい。砂漠の中にありながら水辺の風景がある。夕方から柳並木の公園の中を散策した。平日にも関わらず家族連れやカップルが清涼感を満喫している。カシュガルほど大きくなく、喧騒もない。 水辺のある風景・ホータン中心部 街を歩いていると「臭豆腐」の看板が目に入った。ウイグル料理ではないけど、急に食欲が湧き始めちょっと寄り道。「漢人がやっぱり増えているのかなー」と思いながら覗いてみる。客はいなかった。臭豆腐とは読んで字のごとく、豆腐と野菜を漬け込んで発酵させたもの。アンモニアっぽい独特の匂いがあるが僕は気にならない。そもそもクサヤが好き。臭豆腐を初めて食べたのは、台湾の夜市だった。「長…
ラマダン到来に伴い、中国は新疆ウイグル自治区で「イスラム教の中国化」を推進 新疆ウイグル自治区の共産党書記は、これは「避けられない傾向」だと述べた。 ジュランとウイグル語、RFA ウイグル語2024.03.12 2021年5月4日、中国北西部新疆ウイグル自治区カシュガルの旧市街にあるモスクの上にはためく中国国旗。 トーマス・ピーター/ロイター 今週のラマダンの開始にあたり、ジョー・バイデン米国大統領からアントニオ・グテーレス国連事務総長、レジェップ・タイップ・エルドアントルコ大統領に至る世界の指導者らが世界中の18億人以上のイスラム教徒に祝意を表した一方、中国大統領は沈黙を保った。 新疆ウイグ…
今のところまだ渡航する予定がない国の中で、行きたい国を自分用にメモしておく。 正直有言不実行というのが一番みっともないので、「〜〜行きたい!」みたいなのはあまり記事にしないようにしているのだけど、ひょっとしたらこの記事が将来自分にとって旅行先を決める一助となる可能性もなきにしもあらずということで、思考の記録として残すことにした。 今年末から家庭の事情で、おそらく今のような頻度で海外旅行に行くのは困難になるだろう。 世界一周というのは昔からあまり興味がないし、192カ国全制覇というのもほとんど食指が湧かない。要は私が行きたいと思わされた国に全て行くことができればそれでいい。とりあえず今興味がある…
トルコメディア、中国スパイ容疑者の身元を明らかに 容疑者らはトルコの著名なウイグル人およびウイグル人団体をスパイした疑いで告発されている。 RFAウイグル担当アルスラン・タッシュ著2024.03.01イスタンブール 2023年2月5日、イスタンブールの中国総領事館近くで、中国に対する抗議活動中にトルコと東トルキスタンの国旗を振るウイグル族のデモ参加者。 ムラド・セザー/ロイター イスタンブール在住の中国のスパイ容疑者が何年もトルコ当局の摘発を逃れ、サディク・メメテジズ氏の潜入捜査により香港、サウジアラビア、パキスタン、シリア、中国極西部の新疆に連れて行かれたとトルコメディアが公式文書を引用して…
例えば、昨年の春晩では、文工団の歌手やダンサーが、赤や白、金色の衣装で、プロとしての歌や踊りを披露していた。背景の大画面には空母など勇ましい映像が映し出され、国威発揚がテーマにはなっているものの、さほどきな臭い印象はなかった。 だが、今年の春晩の解放軍プログラムに出演したのは実際に戦闘を行う本物の兵士たちだった。具体的には北京に駐在する装甲部隊66477部隊だ。こうした実戦部隊の兵士による春晩でパフォーマンス、現実の上陸作戦を連想させるような出し物が行われるのは初めてという。しかも兵士たちは舞台衣装ではなく、作戦行動用の迷彩服と装備をまとっている。 兵士たちが謳う軍歌「決勝」は「使命を肩に、忠…
・ ・ ・ 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。 ・ ・ {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・ 多様性多民族国家は、平時・順境では富が集中し繁栄するが、戦時・逆境では脆く弱く崩壊しやすかった。 ・ ・ ・ 多民族国家の西遼(せいりょう)は、モンゴル高原でチンギス・カンとの攻防戦で敗北した異民族異宗教異文化の人々を無条件で受け入れていた。 ・ ・ ・ 古代の日本は、多様性を持った多民族多宗教多文化国家であった。 820年 弘仁新羅の乱。東国・関東には半島から逃げて来た移民・難民が多数住んでいた。 天皇への忠誠を拒否した新羅系渡来人700人以上は、駿河・遠江の2カ国で分離独立の反…
2024.Q1 「ドイツ部」対戦ログ リザルト プレイ日記 マルコポーロの旅路 1ラウンド目 2ラウンド目 3ラウンド目 4ラウンド目 5ラウンド目
カシュガル(喀什)からホータン(和田)へ シルクロード 監視の目に悩まされたカシュガル。でももう一度行きたい街であることは確かだ。中国というよりエキゾチックな雰囲気に魅了される。漢人の国内観光客もウイグル貸衣装を身につけ、写真を撮ったり、異国情緒ある街並みをぶらりと歩いていた。買い物型から体験型の旅行が中国国内でも展開し始めている。漢民族がここの民族文化にもっと触れることが増せば観光を通して人々の『多様性の尊重』が進み、理解し合えるかもしれないと思いながらカシュガル駅に向かう。 カシュガルからホータンへ 列車はカシュガル10:43発、ホータン到着15:30のT9531号。10時といっても北京時…
僕のタビは基本的に個人旅行。もちろんグループや団体で楽しく、美味しいものを食べる旅行も嫌いではない。が、線と線をつないで対象物となる観光地または有名店に行く(行った)のが目的となると、人々や生活に触れたりすることが少なく、時間にふりまわされ、時には退屈になる。 ひとり気ままに歩くことは、時に自分の感性に触れることができる。異文化の中にマイノリティーとして身を置き、これまで自分が培った価値観や刷り込まれた社会システムへの気づきにつながる。新しく出会う社会ルールや人々の行動にどうも興味があるようだ。時には否定的になり、時には肯定的になり、自分が持っている社会への適応能力や意識の幅を確認できる。タビ…
2024年の春節は2月10日(土)。春節おめでとう~。なんとなく春節は梅も咲いているこの時期にあるくらいが気分的に合うような。 2024年中央広播電視総台春節聯歓晩会(央视春晚)は今年もニコニコ動画にて視聴。前もって番組表も入手したので、余裕をもって視聴しましたよ。 日本時間21時(中国20時)から放送開始。終了は1時半頃(中国0時半)だろうから、コントで休憩しながら視聴。実際の終了時刻は1:38で、4時間半強でした。表記は日本時間です。
パキスタンのペシャワール以来、ヒンドゥスタン、カラコルム山脈、パミール高原と世界の屋根を歩いてきた。ずっと山の中だった。久しぶりに街に出てきた感があるカシュガル。 中国最西端、新疆ウイグル自治区とはいえ立派な都会だ。「ゆっくり」を楽しむことがタビの目的なのだが、中パ国境沿いではいつ出発するかわからない乗合バスや曖昧な運賃で行程を組むのが難しくすこしうんざりしていた。あまり都会は好きではないが、たまには良い。やはり中国の都市部は公共交通機関が整備され移動がしやすい。 *交通移動 カシュガル市内はもっぱら公共バス利用。隅々を走っている。地図アプリ「高徳地図」を使えば、目的地近くを何番のバスが通るか…
国境の町、タシュクルガンからタリム盆地最西端の街カシュガル(喀什)に向かう。中国人たちは「カス」と呼んでる。古代には疏勒(そろく)と言われ、シルクロード南路の要所となるオアシス都市。僕が通ってきた路を玄奘も降りてきた。大唐西域記では佉沙国と記している疏勒。玄奘は仏教が盛んな国であると記述している。 7世紀時代、大唐西域記の地図(wikipediaより) 現在、新疆ウイグル自治区の州都はウルムチ。だが、ここが本当の新疆の文化、歴史の中心かもしれない。僕は、カシュガルが過去においても現在においても西域を代表する町のように感じる。同じ宿に泊まっていたウルムチから来た青年がこう語った。「夜行列車で一日…
中国新疆でM7.1の地震 住宅倒壊、3人負傷と報道 2024/01/23 中国新疆ウイグル自治区アクス地区ウシュトゥルファン県で、地震被災者の救援活動をする人たち=23日(新華社=共同) 【北京共同】中国新疆ウイグル自治区アクス地区ウシュトゥルファン県で23日午前2時9分(日本時間同3時9分)ごろ、マグニチュード(M)7.1の地震が起きた。震源の深さは22キロ。中国地震局が発表した。国営中央テレビは、アクス地区と隣接するクズルス・キルギス自治州で3人が負傷したと報じた。住宅が倒壊しており、閉じ込められた子どもが救出されたという。 国営通信新華社によると、ウシュトゥルファン県でも住宅が倒壊し、停…
古~いブログを見直していたら、2007年に中国関連で書いていたことがあったようだ。 2007-11-16 11:57:37 テーマ:中国 「関口知宏の中国鉄道大紀行」も9月2日からもう20週 いよいよ18日にカシュガルに到着して終わりですね この間の日曜日は砂に埋もれた…敦煌 ラクダに乗って砂丘を登ったり、オアシスの水をのんだり… シルクロード… http://www.nhk.or.jp/tabi/ そうでした。そういう人気番組がありましたね。NHKプラスを見たけれど、放送はない、図書を借りることにしました。 「関口知宏の中国鉄道大紀行」(2007) DVDは販売されているようです・・ その後…
Albert M. Kumukov and Sergey G. Luzyanin Russia in Global Affairs 1 January 2024中国とコーカサスの最初の貿易関係は中世にさかのぼり、グレート・シルクロード(GSR)の活発な運行と関連している。その後何世紀にもわたり、中国文化はこの地で時折、間接的にその姿を現した。中国と南コーカサス諸国との関係に関する専門家の言説は、最近かなり活発になっている。過去10年間に、ロシア、南コーカサス諸国、西側諸国、そして中国の学者による多くの著作が出版され、南コーカサスにおける中国の外交政策の追求、貿易、経済、輸送戦略について、歴史的…