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オタク

(一般)
おたく

中森明夫氏の造語。当時は「おたく」と表記。中島梓は後述する語源を踏まえ「おタク」と表記。「ヲタク」または「ヲタ」「オタ」などと表記されることもある。現在は、主に中学生以降の、アニメ・漫画ゲームアイドル・特撮などを愛好する人(たち)のことを指す。男女は問わない。

  1. 以前は、特定の趣味分野に生活の時間や所得の多くをかける人(たち)のこと。一般層が使用する、一見矛盾した「アウトドアおたく」的表現はここからくる。
  2. 元々ロリコン漫画誌から発せられた造語の為、本来は(性的表現も含む)コアな漫画・アニメマニア(特に男性)を指す蔑称。
  3. 「ファッションに関心が無い、自室にこもりがちな」暗い人物への蔑称として使用されることもあった。→引きこもりを参照。

歴史的背景

  • 正しくは、おたく。
  • 白夜書房刊の小判サイズのれロリコン志向なエロ劇画誌「漫画ブリッコ」で、1983年6月号巻末のコラムから生まれた(当時若手ライターだった)中森明夫の造語(http://www.burikko.net/people/otaku.html)であるが、実際はそれ以前よりあったとされる。1980年代初頭のコミックマーケットや漫画専門店にたむろする常連達が二人称に好んで使った「お宅は?」からヒントを得て、蔑称(差別用語)として定義されたもの。当時あった流行語「ネクラ(根暗)」の発展系と考えていい。掲載当時からその差別的な内容で読者からの評判は芳しくなく、僅か3回で当時編集長であった大塚英志から連載を打ち切られる。そのような経緯であったため、当時の読者以外からは殆ど相手にされなかった言葉ではあったが、1980年代後期あたりから一部アニメ・SFマニアの間で使用され始める。当時は、仲間内でのダメ人間ぶりを揶揄する表現で使用するに過ぎなかった。
  • ところが、宮崎勤の事件以降、その被告の趣味性の異常さからキーワードを探していたマスメディアがこの言葉に飛びつき、瞬く間に流行語となる。以降、その言葉に対するマニアへの迫害を恐れた中森と大塚との歴史的な和解もあり、ネガティブイメージを払拭するために「オタク趣味」を自らアピールする芸能・文化人も現れ、それにより一部では主にインドア志向な趣味に精通する自分をアピールする形でエリート主義的にステータスを表すキーワードとなっていき、上記の差別的な蔑称としての意味合いと真逆の意味ながら同時に用いられ続けていくこととなる。
  • もともとSFマニアで、同時に宇宙戦艦ヤマトなどのアニメにも魅せられた岡田斗司夫は、アニメを認めない古参のSFマニアからアニメを擁護する立場にあった。そのような世代間の対立は、機動戦士ガンダム放映時にピークを迎えた。岡田がオタクこそ最強だと主張し続けるのは、そのような背景があったからなのかもしれない。上記の事件がきっかけで様々な論客(批評家、精神科医、芸能人など)がアニメやオタクそのものについて言及し出すようになり、「新世紀エヴァンゲリオン」のブレイクもそうした動きに拍車をかけた。
  • その後、自らオタクを宣言(告白・自称)する人が大勢増えてきたのだが、それが過去にオタクであるがために辛酸を舐めてきた世代にとっては自嘲的であるのかもしれない。以前は「オタクとは何か」という論争は内輪受け(つまり岡田の一人勝ち)しかしなかった。
  • 現在も尊称としての意味合いと蔑称としての意味合いが同居し続けている呼称で常に定義議論が絶えないが、ここ最近になってそういう問いに明確に答える必要性が出来てきたのかもしれない。

オタクと書くと大塚英志が怒る、その理由。

「おたく」なる語が「オタク」と片仮名に書き換えられるあたりから文部科学省や経済産業省や、ナントカ財産の類がちょっとでもうっかりするとすり寄ってくる時代になった。ぼくのところでさえメディアなんとか芸術祭という国がまんがやアニメを勝手に「芸術」に仕立て上げようとするばかげた賞がもう何年も前から「ノミネートしていいか」と打診の書類を送ってくるし(ゴミ箱行き)、そりゃ村上隆や宮崎アニメは今や国家の誇りってことなんだろうが、しかし「オタク」が「おたく」であった時代をチャラにすることに加担はしたくない。国家や産業界公認の「オタク」と、その一方で見せしめ的な有罪判決が出ちまった「おたく」なエロまんがはやっぱり同じなんだよ、と、その初まりの時にいたぼくは断言できる。国家に公認され現代美術に持ち上げられ「おたく」が「オタク」と書き換えられて、それで何かが乗り越えられたとはさっぱりぼくは思わない。だから「オタク」が「おたく」であった時代を「オタク」にも「おたく」にも双方にきっちりと不快であるべく本書を書いた。

下記著書より引用

「おたく」の精神史―一九八〇年代論 (朝日文庫 お 49-3)

「おたく」の精神史―一九八〇年代論 (朝日文庫 お 49-3)

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参考文献

参考リンク

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