磔にされたイエス・キリストが言った最後の言葉。「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」という意。
『マタイによる福音書(マタイ伝)』第27章
さて、昼の十二時に、全地は暗くなり、それが三時まで続いた。三時ごろ、イエスは大声で叫ばれた。「エリ、エリ、レマ、サバクタニ。」これは「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」という意味である。」(45-46節)
イエスが、神への不信を表明したとする解釈がある一方、旧約聖書の『詩篇』第22篇を謳おうとしていたとする見方もある。
わたしの神よ、わたしの神よ
なぜわたしをお見捨てになるのか。
なぜわたしを遠く離れ、救おうとせず
呻きも言葉も聞いてくださらないのか。(第1節)
この詩篇の最後は
わたしの魂は必ず命を得
子孫は神に仕え
主のことを来るべき代に語り伝え
成し遂げてくださった恵みの御業(みわざ)を
民の末に告げ知らせるでしょう。(第30-32節)
となり、神への讃歌となっている。この場合、イエスは神への讃美を捧げていたということになる。
(※訳は新共同訳)