本厚木に所用があって、妻と出かけた。帰りに駅で古本店が並ぶ企画をまだやっていた。塩屋賛『幸田露伴 下の二』(中公文庫)を購入。この4巻の書は、読売文学賞を受賞している。 読んでみると手元にある坪内祐三『慶応三年生まれ 七人の旋毛曲がり』の露伴についての底本のようだ。「詳細きわまる塩谷賛『幸田露伴 』との紹介があった。坪内逍遥は露伴を抜群の記憶力と博識を回想して「ルネサンス的天才」と称していた。 最後で、かつ最も優れた弟子であった塩谷賛の『幸田露伴』の中で露伴のことを何と紹介しているか。「国宝的存在」。「碩学、人傑」。「座談の名人」。「文豪」。「ミノスのラビリントス」(鴎外の「百門のテーベス」)…