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ウォームギア

(一般)
うぉーむぎあ

円柱に螺旋状に連続的に歯を切った、ねじのように螺旋状に歯を切った「ウォーム」と、円盤の側面に、このウォームと併せて円弧状の歯を切った「ウォームホイール」を組み合わせて使われるギアシステム。なお、ウォームのことを「ねじ歯車」としているものがあるが、ねじ歯車は「曲がり蓮歯歯車」等、ねじられた歯車全般を言うことがある。 

特徴としては

  • ウォームギア側からのみ回転する。ウォームギアから逆回転はしない。
    • 自己停止性、セルフロックとよばれる。ただし、潤滑を十分に行い、多条にしたり角度等を専用に設計したものならば、逆動も可能なものも存在する。
  • 非常に高い減速比をコンパクトに得られる。
    • ギア専門メーカが準標準在庫としておいているものでは、120分の1といった非常に大きな減速比が得られるものがある。
  • 歯鳴りがないため比較的駆動音が静か

機械要素として使用する際、注意が必要な点としては

  • 駆動する際、ウォームギア側には軸方向(スラスト方向)へ常に力が働くため、完全に固定する方法が必要
  • その方式上、平歯車などと比較して大きめのバックラッシ(ガタ)が必要
  • 高速回転には向かないとされる。
    • 高速回転、高負荷なものに使用する際は、高精度の加工品を用い、組み付け角等に注意を払い、十分に潤滑を行うことが必要。
  • 伝達効率が悪い。
    • 一般に平歯車は伝達効率0.98程度であるが、ウォームギアは一般に1条ウォームであれば0.5から0.6程度である。(多条ウォームや高精度の物であれば0.8以上の伝達効率があるものも存在する)
    • ただし、平歯車減速器でウォームギアほどの減速を稼ぐには一般に多段にしなければならず、システム全体で比較する必要がある。

一般的に専門メーカーのものを購入し、それを加工して用いることが多い。特にウォームは、高精度のものを作成するには転造で造る必要があり、そのためには専用の治工具が必要とされるため、コスト高になってしまうからである。

また、通常はウォームとウォームホイールは「ウォームギア」として使われ、交換する際はセットで交換する。これは仕組上摩擦が大きく、長時間使っていると変形してくるためである。

なお、ウォームのことをさして「ウォームギア」と呼ぶ場合があるがこれは間違い。本来はウォームとホイールを合わせたギアシステム全体をさす。
ウォームとは、別のカタカナ読みでは「ワーム」とも読む単語で、芋虫の形状からとられた言葉である。

似たような仕組み、形状、性質を持つものに、このウォームギアと「スパイラルマイタギア(ねじり蓮歯歯車)」を足して二で割ったような、ハイポイドギアというものがある。これはウォームホイールの自己停止性、高い減速比をそのままに、さらに駆動音を押さえ、効率を上げ高速回転にも多えら得るようにしたものである。ただしこちらはウォームギアに比べて許容できる取り付け誤差が少なく、特殊な加工を必要とするため高価であるといった弱点がある。

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