トーマス・サヴェージ『パワー・オブ・ザ・ドッグ』角川文庫を読了。 西部小説の名作ということで読みだしたのだけれど、娯楽小説としての西部小説ではなく、いわゆる文学作品なのでありました。正直、自分にはこの作品の良さが分からないし、ラストのオチも見え見えだったので衝撃もなかったし。 1920年代のモンタナ州。フィルとジョージの兄弟は広大な牧場を保有していた。経済的にも恵まれ、安定した生活をしていた2人だが、あるときジョージが子持ちの未亡人ローズと出会って結婚したことで、兄弟の間に亀裂が入っていく。フィルは、自分の価値観と相容れない存在のローズを精神的に追い詰めていき、ローズはそのストレスからアルコー…