「必要とされるために必要とされたい」 愛着障害を抱えている人の苦しみの土台は、この観念に尽きるのではないかと思うのです。 生まれたばかりの赤ちゃんは言葉がしゃべれませんから、泣くことで母親またはそれに代わる養育者に対して欲求を伝えます。 「お腹が空いたよ、おっぱいをちょうだい」「ウンチが出たよ、気持ちが悪いよ、おむつを替えて」「寒いよ、温かい毛布をかけて」「暑いよ、もっとクーラーの温度を下げて」 と言った具合です。イギリスの小児科医のウィニコットが言うところの「ほどよい母親」は、赤ちゃんの発するそういった信号を的確に捉え、欲求を一貫性をもって満たすことで、赤ちゃんに「この世界は安全な場所よ。あ…