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インプレッサ

(一般)
いんぷれっさ

富士重工業(スバル)の乗用車。

初代インプレッサ

1992年デビュー(初代・GC/GF型)。発売当時のボディバリエーションはセダンとワゴン。一部FFも採用していたが基本的には水平対向エンジン+4WDという構成*1。後、クーペを追加*2


レオーネの実質的後継車として発売されたレガシィの車格が1ランク上がってしまったため、小型車ジャスティの間を埋めるためのモデルとして登場した。
しかしそれは「販売上の」理由であり、実際のところはそれまでレガシィセダンでWRCに参戦していたスバルが、より戦闘力の期待できる一回り小さな車を必要としたことにあるともされている。その後、期待に違わない活躍を見せ、WRCで何度も優勝する常勝マシンとなった。
初代からターボモデルの「インプレッサWRX」は人気車だったが、その後登場した「インプレッサWRX STiバージョン」*3で、その人気は一気に爆発する*4

二代目インプレッサ

2000年、8年間という長いモデルサイクルを経て、遂にフルモデルチェンジを遂げる(二代目・GD/GG型。ボディはセダンとワゴン*5アプライドモデルA、B。通称「丸目」)。しかし、WRCを戦う「戦闘マシン」としてはファニーな顔つきの丸目ヘッドライトが市場に受け入れられなかった。そのため、2002年のビッグマイナーチェンジと同時に「大整形」が敢行された(GD/GG型。アプライドモデルC〜E、通称「涙目」)。
なお、WRX STiバージョン(GDB)はこのアプライドモデルC以降エキゾーストマニホールドが等長化された為、それまでの低音が脈打つような排気音(通称ボクサーサウンド)ではなく、澄んだ排気音となっている。


2004年、一脚55万5千円のレカロシートを装備した限定車「S203」は発売と同時にほぼ完売。このS203をターニングポイントとし、インプレッサはその「走り」に対する姿勢を変えている。つまり、一部のスポーツ好きに受けるようなごつごつした足回り、ストイック過ぎる運動性能、ではなく、大人向けのコンペティションカーへと方向性を変えたのである。
そして2005年、R1やR2、R9トライベッカ(日本未導入)で採用されていたスバルの新アイデンティティと言われている「スプレッドウイングスグリル」をついに採用、再び大胆な顔面整形が行われた(右上写真。GD/GG型アプライドモデルF。通称「鷹目」「ザパ顔」)このF型インプレッサでもS203で取られた手法は変わらず、走行性能を重視しながらも乗り心地にも配慮したした足回りになっている。

三代目インプレッサ

2007年6月、フルモデルチェンジ施行。車輌形式はGH型。従来のセダン&スポーツワゴン路線と決別し、5ドアハッチバックのみのラインナップとなった。(その翌年にセダン版の「アネシス」が登場している。)
フルモデルチェンジに伴いトレッド幅の拡大が行われ、遂に全車3ナンバーと化した。同年10月にSTIバージョン(GRB型)が発売された。
STIバージョン(GRB型)に至ってもGH型同様の5ドアハッチバックボディーが採用された。(一説にはハッチバックボディを採用した理由はWRCで欧州勢のハッチバック車相手に2006、2007年と成績不振だったことが影響しているとされている。ラリーに於いてはリアのオーバーハングがより小さいハッチバックが有利との見方が強い。しかし、2008年12月、成績不振や不景気による業績悪化を受けてWRCからの撤退が決定し、ハッチバックボディでのWRC参戦は僅か1年で終了。14年に渡るWRCでのインプレッサの活躍はここで幕を下ろすこととなった。)
この点に於いては、4ドアセダンボディを踏襲し続ける長年のライバル「三菱・ランサーエボリューション」と袂を分かつ形となった。
スポーツ性は歴代最強とも言える内容になっており、量産車初の300馬力オーバー、新型リアサスペンション(ストラット式→ダブルウィッシュボーン式への変更)に始まり、DCCDオートモードの新機能搭載、マルチモードVDC、SI-DRIVEといった新機構が数多く採用された。
特に初代で強かったじゃじゃ馬的なイメージは影を潜め、正に「大人のGTカー」的なイメージを纏う1台となり、実際購入層の多くは30代〜40代である。

2008年10月8日、4ドアセダン「インプレッサ・アネシス(GE型)」が新たにラインナップに追加された、当初北米限定の4ドアセダンモデルであったが、日本においてもファンの根強い要望や、法人需要や業務用車両としてのニースが高まったためラインナップに加わる事となった。ラインナップは1.5L、2.0L、2.0Lターボの3種類のエンジンに5速MT、4速AT(上級グレードには5速AT)が組み合わされる。


2009年2月24日、一部改良とともに、追加モデル「WRX STI A-Line(GRF)」が発売開始。STIによりチューニングを加えられた2.5Lシングルスクロールターボにトルコン式5速ATとVTD-AWDが組み合わされる。
中身は実質レガシィなのであるが、GR系インプレッサでは最も売れ行きの良いモデルである。


2010年7月1日、GR系のマイナーチェンジにともない、インプレッサ・アネシス(GE系)のエボリューションモデルである「WRX STI 4door(GVB)」とそのA-line仕様である「WRX STI 4door A-line(GVF)」が発売された。
旧来のファンからの根強いセダンSTIモデル待望論があったのに加え、2008年を最後にスバルがWRCを撤退したこともあり、サーキットなどのロードスポーツへとスポーツイメージを展開するためだと思われる。

四代目インプレッサ

2011年12月20日、フルモデルチェンジ施行。ファンの根強い要望や実際の売り上げに答える形で、再度4ドアセダンと5ドアハッチバックの2つのバリエーションに戻っている。車輌形式は5ドアハッチバックがGP型、4ドアセダンがGJ型。ハッチバックには「スポーツ」、セダンには「G4」のサブネームが与えられた。
先代GE/GH型からサイズはほぼ据え置きとしながら、ホイールベースを長く取り、室内空間の拡大を図っている。
また、先にフォレスターで搭載されたFB型新世代ボクサーエンジンがインプレッサにも搭載された。
バリエーションは1.6Lと2.0Lの二種類。旧式化した4速ATと5速ATに替わり、リニアトロニックCVTが搭載されている。
従来全てのバリエーションに必ずMTを設定してきたスバルであるが、今回からは1.6LのAWDモデルにのみ5速MTが設定されるに留まった。そして新エンジン搭載にあたってターボモデルの設定がなくなっている。


従来のインプレッサに設定されていたWRX-STI仕様については、2010年7月1日のインプレッサ・アネシスベースのWRX-STI4ドア(車両形式GVB、GVF)を追加を機に、名称を「スバル・インプレッサWRX STI」から「スバルWRX STI」と改め、このGP型/GJ型に移行するにあたって、それぞれ「インプレッサ」「WRX STI」と独立したモデルへと設定がなされている。
ただし、これらはあくまでカタログや店頭販売での都合上の識別であり、現在でもGR/GV型の正式名称は「スバル・インプレッサWRX STI」となる。

3代目WRX STIは2014年3月に生産終了。同年8月25日に発売された4代目はスバル・レヴォーグをベース車両としたため、これにてインプレッサとはベースモデルから完全に別車種となった。

五代目インプレッサ

2016年12月20日、フルモデルチェンジを施行。先代同様に4ドアセダンと5ドアハッチバックの2つのバリエーションから成り立っている。
車輌形式は5ドアハッチバックがGT型、4ドアセダンがGK型。先代同様ハッチバックには「スポーツ」、セダンには「G4」のサブネームが与えられている。
スバルの新世代プラットフォームである「SUBARU GLOBAL PLATFORM」が初めて採用され、これにより走行性能と安全性能と車体剛性が大幅に向上した。
エンジンは先代同様に1.6Lと2.0Lの二種類のFB型4気筒水平対向エンジンが搭載され、全グレードにアイサイトver.3が標準装備される事になった。
また先代では1.6LのAWDモデルにのみに搭載されていたMT設定は無くなり、全グレードでリニアトロニックCVTのみとなっている。
2016年12月9日に「2016-2017 日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。

  • 発売開始当初からWRC等で雌雄を決しているライバルである三菱自動車の「ランサーエボリューション」との、年に一度のモデルチェンジ競争により、この二台の車はとんでもないハイスペックマシンへと変貌を遂げている。現在もこの二台のモデルチェンジ毎の進化はとどまることを知らず、既に2リッタークラスのセダンでは「異常」とも言えるスペックを持っている*6。しかし、低重心・コンパクトな水平対向エンジンを搭載し、当初からWRC参戦を視野に入れ開発されたインプレッサに対して、元々「ただの」小型セダンにハイテク機器や補強を重ねに重ねたランサーでは、ベース車の成り立ちは大きく異なる。だが、この二車のスペックを比べ、「どちらが凄いか?」と聞かれれば、こう答えるしかない。「どちらも凄い」、と。
  • ちなみに「頭文字D」の文太パパもインプレッサWRX STiバージョン(初代の、恐らくバージョンV)に乗っている。豆腐の配達用ということで「インプレッサWRXワゴンのSTiバージョンに乗る」とネットでは噂されていたが、蓋を開けてみればクーペタイプ。豆腐の配達には不向きである。
  • インプレッサはスパルタンなWRXが好まれる一方、スバルのミドルクラスを担う車種であるが故に、1.5リッターエンジンなどを積んだベーシックモデルも存在する。また初代のワゴンでは「カサブランカ」というレトロカー的な内外装を持った限定モデル(後、カタログモデル)や、フロントプロテクターなどを装備した「グラベルEX」などの派生モデルも多く存在した。

*1:開発当初は排ガスなどの面で不利だった水平対向エンジンを捨て、他のメーカーが採用している直列エンジンを新規に開発、搭載する予定であったが、当時赤字経営状態の富士重工に新型エンジンの開発費用はなく、苦肉の策として水平対向エンジンを継続開発する事となった。この時、直列エンジンを無理矢理にでも開発して、インプレッサに搭載していたら、富士重工の歴史、そしてインプレッサの歴史は変わっていたに違いない。

*2:「インプレッサ・リトナ(1994〜96)」。NAのみの設定で、“オトナの女性”をターゲットにしたが販売は振わなかった。97年、WRCのレギュレーションにWRカーの規定が設けられたことにより、参戦車輌がリトナをベースにしたクーペボディとなると、市販車にもターボモデルの「インプレッサWRXクーペ(1997〜00)」を導入。こちらは市場でも好評で、STiバージョンや後述の「インプレッサ22B STi」に発展する。

*3:STI(スバルテクニカインターナショナル)」にてチューンされたスペシャルバージョンで、ホンダの「タイプR」のようなもの。先代インプレッサではSTiバージョンにはナンバリングがされており、バージョンVIまで発展した。現行モデルではナンバリングはされていないが、現在のSTiバージョンは二代目となる

*4:WRCマニュファクチャラーズチャンピオン三連覇を達成した翌年、1998年に「インプレッサ 22B STi(1997WRカーレプリカ版)」を400台限定で発売したところ、500万円という価格にもかかわらず即日完売した

*5:ブリスターフェンダーの有無でセダンは3ナンバーになり、ワゴンは5ナンバーのままだった。その後、ブリスターフェンダーなしの5ナンバーセダンも登場する

*6:このようなハイスペックのモンスターマシンが300万前後で買えてしまう国は世界中どこを探しても日本だけである。諸外国のカーマニアにとっては垂涎モノで、イギリスなどではGT-Rなどと同様に並行輸入中古車の市場が成立している

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