アラビア語で「絶対帰依」を意味する語で、紀元8世紀ごろアラビア半島に興ったマッカ(メッカ)の豪商クライシュ族のムハンマド(預言者ムハンマド、マホメット)を開祖とする社会秩序および思想・宗教を指す。
→イスラム、→イスラム教、→回教
(日本には西欧の文献などを通じ、イスラームの知識が最初にもたらされたため、各種の単語が原音より英語に近い発音で一般化されていることが多い。【例ムハンマドがマホメットに】その後、原音に近い表記に改める動きが徐々に進んでいる)
ムハンマドの言葉に「キリスト教徒たちをイスラーム教徒にするなんてことは考えるな、あの人たちはそのままですでにイスラームの精神をもっているのだ」という言葉があり、イスラームが他の宗教を認めないといった考えは誤解である。
「歴史総合」という科目が、あります。いきなり16世紀、イスラーム3帝国があって…といういうふうに始まるので、中学で日本史に親しみ高校生になってこれを見たら驚いてしまうことでしょう。 しかし、しょうがないです。受け入れるしか、ありません。16世紀といえば、織田信長・豊臣秀吉の時代。その頃、世界は?ということです。 そして歴史的思考力を身につける観点からは、それほど怖くないし、とっつきにくいこともありません。教科書の内容を読み解き核心部分を把握すればいいだけです。重要用語は、その核心部分に沿うように理解しましょう。 ①16世紀のイスラーム3帝国とは、オスマン帝国(イラク・トルコ・パレスチナ・エジプ…
モスクワ劇場占拠事件(2002)をモチーフにした、劇場テロサスペンス。 再現ドキュメンタリー系なのかと思ったが、ヒューマンドラマ仕立てのフィクションと見るべきだろう。 (英文wikiにはかなり詳しく経過が載っているが、精細には追えてない) Moscow theater hostage crisis - Wikipedia というより、ロシアで、精密な再現ドキュメンタリーなど政治的に出来るはずはない。笑 トンチンカンな期待だったというものだ。笑 それでも、サスペンスとしても、ヒューマンドラマとしても非常によく出来ていて楽しめたし、考え感じることも多かった。快作と言っていい。 サスペンスとしての構…
伊東俊太郎氏の『十二世紀ルネサンス』を読みました。この書名を見て、疑問を覚える方もいるかもしれません。ルネサンスといえば14世紀から16世紀の文化運動じゃないの、ギリシアやローマの文化を復興しようということで、ダ・ヴィンチとかミケランジェロとかが活躍したイタリアはフィレンツェなどを中心とする「あれ」でしょうと。ルネサンスという言葉については、私もそういう雑駁な理解しかなかったのですが、先般中田考氏の『イスラームの論理』を読んでいたら、伊東俊太郎氏のこの『十二世紀ルネサンス』が引用されていて、そこにはこんな記述がありました。 我々は、西欧文明というと、ユークリッドやアルキメデスや、アリストテレス…
Ⅰ 一九九九年のNATOのユーゴ空爆は現代世界史の本質的転換点なのか? 『ブッシュの戦争——イラク侵略戦争の意味と世界制覇の野望』(二〇〇七年刊、『新世紀』二〇六号所収の論文を底本としている)という論文において、黒田が明らかにしている現代世界のとらえかたに私は疑問をもった。そのことを検討したい。二四頁から二五頁で黒田は次のように論じている。(以下ことわりなき場合は『ブッシュの戦争』の頁数を記す) 「国防相ラムズフェルドが口癖のように言う「同志連合」あるいは「友邦同盟」を基礎にして、しかもRMA(軍事技術革命)の粋を集めたハイテク爆弾を、いわゆる精密誘導爆弾を霰のように降らせ、もって「迅速性と効…
概要 構成 ポイント 3つのモチーフ、3つのジャンル 日本人を魅了してきたイスラームの美術 感想 概要 タイトル:すぐわかるイスラームの美術 著者 :桝屋友子 世界三大宗教であるイスラム教。 他の宗教が純粋な宗教美術を指すのと比較して、イスラム美術は世俗的な美術も含む幅広いものとなっています。 建築・写本芸術・工芸品を中心に美しいイスラム美術について、特徴だけでなく歴史も交えて解説しています。 美術史学において、「イスラーム美術」という言葉は包括的な意味で使われる。つまり、ある美術作品があって、それを注文した人物、それを制作(製作)した人物、それを受け入れた人物のいずれかがムスリムであれば、そ…
ランキング参加中図書室 最近買った2冊、井筒さん本は1981年の講演がベース、密教本は1986年のシンポジウムのまとめ、と図らずも2冊ともライブ感のある話し言葉が元である本でした。 私父方神道、母親キリスト教、父方祖父は宗教嫌いとなかなか複雑な宗教環境にありましたが、そういう意味では仏教は身近にないが故に自由で、仏像巡りや龍樹、原始仏教や禅、密教マンダラあたりを楽しくかじって来ました。 そして東西神秘思想の邂逅や類似点と違いなども面白いのですが、例えばユングのマンダラへのアプローチ(始めは理解されないと危惧し人には言わず自らの治癒のため描いた絵(red bookかな?)が、東洋ではマンダラと言…
あらすじ・概要 海外旅行をしていた著者は、それがきっかけでイスラム教徒の男性と結婚することになる。神を信じる男と信じない女、文化の違いは大きくて……。コミカルな描写ながらもイスラーム文化と日本文化を比較するコミックエッセイ。 私たちと違った倫理で生きる人たちの話 描写される文化は日本人の感覚からするとかなり倫理のないものもあります。婚前交渉すると村八分のようになったり、男尊女卑だったり。 しかし著者の夫やその家族は、当たり前のようにその文化を受け入れており、(不信心な方である著者の夫さえも)神の存在を疑いません。 神を信じるゆえに、喜捨の行動もためらいなく取ります。貧しい人に食べ物を上げたりお…
日本人にとってイスラームとは何か (ちくま新書) 作者:鈴木 規夫 筑摩書房 Amazon 素人にはレベルが高すぎる本でした。なんとか理解できた、イスラームの特徴についてだけメモを残しておきます。 イスラームの特徴 イスラームはネットワークの原理である イスラーム世界は開かれている イスラームは砂漠性と都市性を持っている イスラームの特徴 イスラームはネットワークの原理である イスラームの生まれた7世紀のアラビア半島は、世界的な交易の通路だった。ササン朝ペルシアとビザンティン帝国の戦争により、メソポタミアを通るルートが衰えていたためだ。 多様な人々の交易ネットワーク、そのような環境における統治…
イスラームとは何か〜その宗教・社会・文化 (講談社現代新書) 作者:小杉 泰 講談社 Amazon 世界史を勉強しているなかで、イスラーム世界の国がなかなか覚えられない。アッバース朝くらいまではなんとかなるが、帝国が分裂した後はごちゃごちゃしてややこしい。 そこで、イスラームについて知識を深めれば印象に残って覚えられるのではないかと思い、本書を読んだ。 読んだ感想は、とてもおもしろかった。読者に予備知識がないことを前提に書かれているため、記述が丁寧で分かりやすい。 ムハンマドによるその創始から、コーラン(より原音に近くは”クルアーン”)、スンナ派とシーア派、パレスチナに典型される現在進行形の紛…
司馬史観、なる言葉がある。 河合隼雄氏は、自分自身の生き方が一個の確固たる創作である、とおっしゃる。 歴史、というものは、自身が関わるものという感覚はあまりないのだが、大きく人生という視点で見ると自身の中の歴史というか、歴史の中の自分というか、当たり前であるが大きく関係するのである。 だがそのことに自覚的であることは難しい。少なくとも個人的には。 例えば私がユダヤ人でヒトラーのころに生きていればどうだろう。 あるいは逆にヒトラーのころのドイツ人であったなら。 最近NHKの「映像の世紀」を見ているが、やはり具体的な映像で見ると、文章では遠くの別世界の出来事のように思えた事象が、まさに今に地続きで…
某原稿に取りかかっているのだが、以前にコピーを取っていたはずのものが全く見つからず。先日めんどくさくて同じく必要な書籍をネット古書店で注文していたのだが、今度は30000円前後。仕方なく交通費を使って非常勤先の図書館へ出かけることに。結局、本日届いたものも借りてくれば良かったというオチ・・・。まあそのおかげで昨日の淡路往復から読み始めた表題書を読了。秋の講義のこともあって購入していたもの。奥付によると著者は慶応の社会学研究科で博士号を採ったかたで、基本的な手法は現地での関係者へのインタビュー。歴史的な制度の形成・展開について簡単に触れた上で、イギリス植民地時代の1932年に、イスラーム教徒、ヨ…
Hola!ゆみこです😃 先日のAnother Skyで田中みな実さんがバルセロナに来ていましたね〜✨ 自分の知っている場所に芸能人が来ていたり、テレビやYouTubeで紹介されているのをみると わ〜😃❣️という気持ちになる、ミーハーな私です。 そこで紹介されていたのは、世界2位のレストランや タコ🐙やイカ🦑墨のパエリア カサミラとグエル公園というガウディの建築の観光などでした。 グエル公園 グエル公園ではトカゲの置物?をお土産に買ってましたね。 今度行った時に見てみよ〜って思いましたw 日本人観光客に人気出そう〜 トカゲ さて、今回ご紹介したいのが 【モデルニスモ建築】というものです。 番組の…
前の「世界史B」だとギリシアはオリエントの後に来ますが、最近の「世界史探究」だとエーゲ文明だけオリエントと一緒になり、ギリシア文明ローマ文明はインド・中国・イランの後に来てしまいます。その後のイスラーム教や中世ヨーロッパにつなげようとしているのかもしれません。 まあ、順序はどうであれ、中身を把握する必要があるのは同じです。 古代ギリシアで形成された多数の都市国家ポリス。エーゲ文明時代はオリエント風の国家群でしたが、その後、インド=ヨーロッパ語族が移動侵入してくると社会の様子が一変します。 ①冒頭文…ポリスの構成員は、市民(貴族・平民)と奴隷。 一変したといっても、専制的な国王がいなくなっただけ…
まずは高速バスに乗り、空港へ。景色を見ているだけでも楽しく、初めはわくわくしながら窓の外を眺めていたけど、さすがに山と木ばかりの風景が続くと眠くなる。乗り過ごさないよう、到着予定時刻より少し早めの時間にスマホのアラーム(バイブレーションのみ)を設定して寝た。 空港に到着。飛行機に乗るのは昼前なので、まだ時間がある。大阪に着いてから博物館を見る時間を少しでも多く確保したいので、今のうちに何か食べておきたい。でも、お昼ごはんにはまだ早いのであまりお腹が空いていない。ドトールに入って、温かい紅茶とかぼちゃのタルトを注文した。せっかくだからほとんど行ったことのないロイヤルホストに行って大きいパフェでも…
私はシマーネ農業王国という地に住んでいます。近隣の大きな町は出雲市なのですが、出雲市駅前の商店街に「句読点」という本屋さんがあります。 ↓ツイッター https://twitter.com/books_qutoten ↓インスタグラム https://www.instagram.com/books_qutoten www.mishimaga.com 人文系の新刊と古本を扱う、とても雰囲気の良い書店です。私は、句読点がこの商店街に店舗を構えたはじめの頃から通うようになりました。もう数年になりますね。 人文学…つまり文学、歴史、哲学、文化人類学、美術、暮らし、などなど…といった良書を取り扱っていま…
2023年12月20日第1刷発行 表紙裏「第一次世界大戦後、西欧列強が『国民国家』を前提とし中東に引いた国境線。それが今なお凄惨な戦争の原因になっている。そのシステムの限界は明白だ。トルコ共和国建国から100年。それはオスマン帝国崩壊100年を意味する。以来、世俗主義を国是とし、EU入りをめざしたトルコ。だが、エルドアン政権のもと、穏健なイスラーム主義へと回帰し、近隣国の紛争・難民など国境を超える難局に対処してきた。ウクライナ戦争での仲介外交、金融制裁で経済危機に直面しても折れない、したたかな『帝国再生』から日本が学ぶべきこととは? 政治、宗教からサブカルチャーまで。ひろびろとした今後の日本の…
イスラーム映画祭にて観賞、2020年シリア=イギリス、ヤスミーン・フッダ監督作品。アサド政権下に行われている強制失踪を世に訴えるドキュメンタリーで、作中では2011年からの被害者の数が10万人とあったけれど上映後のトークによると現在は15万人を超えているのだそう。映画好きなら「シリア」と出てくる作品をこの十数年で何本も見てきただろう、その間ずっと犯罪が、今なお行われているということだ。携帯電話はIDかつ「殺人を止める道具」であるという話に始まる。反政府派のメディアセンター設立の意図や衣服の中に携帯を隠して録画するやり方の説明がなされる。「命懸けで撮影する人のおかげで世界に伝えることができる」……
今日もユーロライブでのイスラーム映画祭9。パレスチナが舞台のヨルダン映画『ファルハ』を観た。息をつめる92分。パレスチナ人少女の不安、恐怖、怒り、悲しみなどが抑制されたタッチで生々しく描かれている。早々に売り切れて満席、もっとどこかで上映されるといいのだけれど。 — OKA Mamiko_ಓಕಾಮಾಮಿಕೋ (@gang_m) 2024年3月17日 上映後は岡真理先生のトーク「ホロコーストとナクバ - 起源の暴力と暴力の起源」をたっぷりと。 pic.twitter.com/IFUKybzDh3 — OKA Mamiko_ಓಕಾಮಾಮಿಕೋ (@gang_m) 2024年3月17日
『サバイビング・プログレス 進歩の罠』を再度視て思う事ーそんな「理性の良心」としてのドキュメンタリー作品を視て思う事 壱ー さて今回と及び次回分の作文にてとりあえず「観念的」に「近現代社會」との決着をつけむしろ他の面へと飛翔して行きたく個人的には存じて居ります。 ー他の面=藝術や物語りを中心とする具體的分野のことー 1.結果近現代の社會はあくまで「惡」いが其の惡を放逐することは宗教的次元によるものでないと成されない 2.大衆の認識への洗脳過程 3.自己實現は非観念的過程にこそ有り ところがまさに其の「宗教的次元」であるにせよ「自己矛盾」する。 例えば露西亜侵略主義と結託した露西亜正教の様や我が…
2024年2月の京北教会礼拝説教 2024年2月4日(日)、11日(日)、25日(日)礼拝説教 「小さな者の立場」 2024年2月4日(日)京北教会 礼拝説教 今井牧夫 聖書 テサロニケの信徒への手紙一 2章 1〜12節 (新共同訳) 兄弟たち、あなたがた自身が知っているように、 わたしたちがそちらへ行ったことは無駄ではありませんでした。 無駄ではなかったどころか、知ってのとおり、 わたしたちは以前フィリピで苦しめられ、 辱められたけれども、わたしたちの神に勇気づけられ、 激しい苦闘の中であなたがたに神の福音を語ったのでした。 わたしたちの宣教は、迷いや不純な動機に基づくものでも、また、 ごま…
ナポレオン戦争後、スイスは「調停」時代、「修復」時代、「再生」時代を経て、少しずつ旧来の連邦主義から統一された国家への「改革」を進めていった。 1850年代後半から、その改革を主導したのが元首相ヨーゼフ・フランツ・カール・アムルヒンと、ベルリン出身のフリードリヒ・ルートヴィヒ・フォン・ケラーの二人。 1870年代に入ると、急速な発展に対し労働力が不足する事態に陥るも、自由化を進めた国内の法制度の恩恵を受け、海外からの大量移住も発生。労働力不足の改善が果たされる。 1880年代に入ると民主化も進み、次第に都市労働者を中心に支持を集める社会民主党が躍進。 1883年にはアルベルト・ムンツィンガーが…
ユーロライブでのイスラーム映画祭9で、ヒンディー映画『ハーミド〜カシミールの少年』を再見。5年ぶり二度め。プログラムのコラムにあったように、内面化されたインド側の視点とか、誇張や誤りが多いというのも事実だろう。(つづく) pic.twitter.com/NvC8SsxiQl — OKA Mamiko_ಓಕಾಮಾಮಿಕೋ (@gang_m) 2024年3月16日 しかしこれはハーミドと兵士とお母さんという個人が事実とどう向き合うかという心の中を描いた映画である。この後のカシミール併合から酷いプロパガンダ映画が映画市場を席巻する昨今、もはや作られることはないだろう良心的な映画のようにわたしには思わ…
イスラエルの虐殺行為に関係して、日本の報道はパレスチナ側の組織を「ハマス、ハマス」と連呼するけども。何処かの報道局で、ハマス(ハマース)の正式名称が『イスラーム抵抗運動』とか、設立の経緯諸々、解説してたかしら?ガザの統治も選挙に基づいて行なっている、とかさ。 ~3月14日のスレッズより
概要 揚州のあゆみ 争覇の丘【春秋~南北朝】 放蕩天子の南柯夢【隋】 どうせ死ぬなら揚州で【唐】 大運河と漕運 天下の両淮塩 国際都市・揚州 揚州十里の珠簾 開花ふたたび【宋~清】 大運河史話 運河の成り立ち 隋堤 垂楊三百里 京杭運河の誕生 運河か海か 揚州の女性たち 揚州美女の来歴 揚州痩馬 蘇州臙脂 揚州粉 名勝案内 文昌閣 鈔関 揚州の名井 参考文献 【シリーズ】 【水都百景録】州府ガイド(1)徽州 - 壺中天 【水都百景録】州府ガイド(2)蘇州 - 壺中天 概要 揚州は作中に登場する町の中で唯一長江の北岸にあり、川を基準に考えると「江南」ではなく「淮南」の町である。 地図を見ると分か…