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イスラム

(一般)
いすらむ

al-Islam  
世界三大宗教の一つである。原語であるアラビア語ではイスラームと発音される。その信徒はムスリムと呼ばれ、ユダヤ教やキリスト教徒同じようにセム系一神教の流れをくむ。
610年ごろムハンマドが洞窟で瞑想していると、大天使ガブリエル(ジブリール)が現れ、彼に啓示を下したと言われている。この時点から、ムハンマドは単なる一商人から、神の言葉を預かる預言者となった。そのような啓示は、彼が死ぬ直前まで続いた。そしてその啓示を正典化したものが、コーラン(クルアーン)である。

義務行為と信仰箇条

イスラームを信仰するムスリムには、義務行為と信仰箇条がかせられている。

義務行為とは、

  1. 公言しなければならない信仰告白(シャハーダ)
  2. 日々の礼拝(サラート)
  3. 一種の社会福祉税ともいわれる、義務的喜捨(ザカート)
  4. 毎年決められ月に行うマッカ巡礼(ハッジ)
  5. ラマダーン月に行われる断食のように、欲望に打ち克つために行われる斎戒(サウム)

である。


信仰箇条とは、

  1. 唯一神であるアッラーの存在(アッラーフ)
  2. 諸天使(マラーイカ)
  3. アダムやアブラハムなどの諸預言者・使徒(ラスール)
  4. それらの諸預言者に下された諸啓典(キターブ)
  5. 最後の審判が行われた後に来る来世(アーヒラ)
  6. この世に起こるすべてを神がすでにみそなわしているという定命(カダル)

である。
これらの義務行為と信仰箇条は総じて六信五行と呼ばれている


イスラームは宗教であり、他の宗教と同様に信仰上の生活を規定している。しかし共同体の運営に関する規定がその教義に含まれているように、単なる宗教としてだけとらえると誤解を招いてしまうおそれがある。イスラーム世界で常々政教の一致がおこっているのは、そのようなイスラームの理念のためである。

イスラムとセム系一神教の先人たち

イスラームはセム系一神教の流れをくんでいるため、先人であるユダヤ教やキリスト教については若干見下しつつも、その存在と信仰を許容している。これは神はモーセによる人の救済に失敗し、キリストによる救済でも失敗したので、三人目の預言者としてムハンマドを遣わしたとするイスラームの宗教観によるものである。
ユダヤ教やキリスト教からは、後発のイスラームの存在は認め難いが、三者の共存は歴史的には当然のことであった。中世にはヨーロッパのキリスト教徒はイスラームに対して十字軍のような宗教戦争を起こすが、近世のトルコ統治時代のエルサレムではユダヤ教、キリスト教、イスラム教の三者が共存していた。現在のエルサレムでは、ユダヤ人とイスラム教徒の間には深い溝がある。ユダヤ人の神殿をイスラム教徒がモスクに作り変えるなどのイスラーム側の行動も、この両者の溝を深めた一因であるとも言えるだろが、今に続く両者の鋭い対立が現れたのは、19世紀末にシオニズムが勃興して以降のことである。

宗派(分派)

イスラム教には、他の宗教同様、多くの宗派(分派)があるが、大きく分けると以下の三つとなる。

  • スンニ派: イスラム教徒の8割を占める多数派。分派は原則として存在しないが、法解釈をめぐっていくつかの学派に分かれる。
  • シーア派: イスラム教徒の2割を占める少数派。十二イマーム派、イスマーイール派系諸派等、多くの分派が存在する。
  • ハワーリジュ派: 初期に分裂した過激派。穏健化した分派がオマーン、北アフリカ等にわずかに現存する。

これらのうち、スンニ派とシーア派がイスラムの二大宗派とされる。

*()はアラビアの原音

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