「ビニールハウス」 脇役も小道具も最後まで活かし切った非常によく練られた脚本なのですが、何もかもが悲劇で終わるエンディングは流石に辛い。生きているのが嫌になる程緻密に悲劇を紡いでいく展開になんの希望も未来もなく、グイグイと心の奥底を攻めてくる。映像や演技に特に秀でたものは見えないのだが、なかなかの演出は評価して然るべき一本だった。監督はイ・ソルヒ 広い農地の真ん中に立つビニールハウスの中、一人の女性ムンジョンがベッドの上で自身の顔を叩いている場面から映画は幕を開ける。彼女はここに住んで、少年院にいるのだろうか遠くにいる息子ジョンウが出所して来るのを待っている。ジョンウと面接し、一緒に暮らそうと…