【Americanism】
1781年にジョン・ウィザスプーンが〈アメリカ英語〉の意味で用いたのがこの言葉の最初とされ,現在までその意味を保ってきているが,1797年,T.ジェファソンは合衆国の愛国主義の意味でこれを用い,世間的にはこの用法がひろまっている。 新世界に植民地を建設したピューリタンは,ヨーロッパを腐敗の地,アメリカを真のキリスト教の世界たるべき地と見なした。一種の神国意識である。独立戦争は,さらにこの国が〈自由〉の地であるという信念を,アメリカ人の間に燃え上がらせた。
ジャパニズム
表現者クライテリオン 2024年5月号ビジネス社Amazon まず、『表現者クライテリオン』の最新号発売のお知らせです。 今回の特集は「不信の構造、腐敗の正体――政治・エンタメ・財務省」。他者に対する「不信」が増せば増すほど、その信頼の穴をシステムで埋め合わせねばならず、社会がシステム化すればシステム化するほど、そのシステムに依存した、あるいは、そのシステムに甘えた「腐敗」が蔓延する……その状況を正確に認識し、それを克服する「思想」を描き出すこと、それが今号の主題です。 実際、「コンプラ」や「ポリコレ」といった矮小な観念(システム)がこれほど持て囃されている時代もないにもかかわらず、いや、持て…
(ポピュラー・カルチャー論講義補遺)「アメリカ」を考える(15)恵比寿のアメリカ橋と英連邦軍キャンプ 「半グレ」という言葉を知っていても、グレの語源である「愚連隊」を知らない人もいるかもしれません。愚連隊という言葉自体は戦前からあったようですが、より社会的に広まったのは戦後の混乱期でした。闇市などグレイゾーンな領域を、組織というよりも個人の腕力や才覚で仕切っていた、今の言葉で言えば「反社会的勢力」でした。なかでも渋谷を拠点に、トレードマークの白いスーツ姿で名をはせた花形敬は伝説的な存在として語り継がれています。 172p「アメリカ軍が代々木に、イギリス連邦軍が恵比寿にそれぞれ進駐するにおよび、…
現代文の指導 4/10(水)の指導 『現代文読解基礎ドリル』の演習4・5を扱いました。 演習4は《論と例》の演習問題でした。文章における論と例、それぞれの該当箇所を指摘してもらいながら、論証構造を確認していきました。 今回取り上げられていた例は、西洋の文学や美術だったので、とっつきにくい点がありましたが、論と例との対応関係をおさえながら、読み進めていけば読解は十分可能であることを確認しました。 《例》と一口に言っても、比喩であったり、引用であったり、色んな例証の仕方があるということも実地で確認できました。また、論述をまとめて締めくくる働きをしている「つまり」についても学びました。 演習5は、第…
自身の取材対応仕事のリンクも貼っときます。 メディアの役割や広告のあり方を考える時期がきた 関西学院大学教授・難波功士さんが予測する未来のメディア社会 | メディア環境研究所|博報堂DYメディアパートナーズ (ポピュラー・カルチャー論講義補遺)「アメリカ」を考える(9)日米関係史:禍福は糾える縄の如し 今回は100年単位のスパンで日米の関係性をみておきます。まずは、戦前。 ・山室信一『モダン語の世界へ』岩波新書、2021年302-3p「もちろん、アメリカニズムとは、本来、「アメリカ的流儀」や「アメリカ的言葉遣い」や「アメリカ人気質」を意味するに過ぎなかった。しかし、モダン語では、アメリカが世界…
Adriel Kasonta Asia Times March 29, 2024米国がウクライナとガザの紛争に巻き込まれ、中国との戦争の脅威が大きく迫っている今、米国主導の自由主義秩序のあり方に関するマイケル・ブレナー教授の洞察と見解は、間違いなくこれまでと同様にタイムリーかつ重要である。大西洋横断関係と国際安全保障の著名人であるブレナー氏は、ピッツバーグ大学名誉教授(国際問題学)、ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院(SAIS)大西洋横断関係センター・シニアフェロー。外交学院、米国防総省、ウェスティングハウスにも勤務。Asia Timesの寄稿者Adriel Kasontaとの広範…
現代文の指導 今回は、自学で進めてもらっている『現代文読解基礎ドリル』(駿台文庫)の復習の確認をしました。テーマは「論と例」です。 まずは、論と例が《論ー例ー論》というサンドイッチのような「構造」をもっていることを確認しました。この「構造」というのが重要で、文章が単に書き並べられた文字の羅列ではなく、《組み立てられたもの》であることを意識しなければなりません。 論と例の構造のパーツが具体的にどこにあるかは、十分に把握できていたので、さらにその「論」や「例」のなかに内部構造がないかを探してもらいました。 今回は、《逆接》と《対比》が見つかりました。これはこのドリルでも後に扱うものですが、解説では…
以前、地球の内部についてのシュタイナーの教えを取り上げたことがある。 https://k-lazaro.hatenablog.com/entry/2023/04/06/082835 それは、現代科学の通説とは全く異なる世界であった。古今東西、地獄は地下にあると考えられてきたが、まさに、地下はその様な世界といっていいようなのである。しかしそれは、現代人には理解するのは難しい考えである。 シュタイナーも、天界について理解するよりも地球の内部を理解するのは難しい、それはオカルト的知識の中で最も難解な領域であるとしているので、理解できなくて当然なのだ。しかし、理解を進める手がかりとして、今回は関連する…
著者はアメリカ研究者。購入後に気づいたが、以下の本の編著者だった。 odd-hatch.hatenablog.jp odd-hatch.hatenablog.jp その彼が8年の共和党政権(子ブッシュ)のあと民主党政権(オバマ)になってからのアメリカをみる。2010年初出。 第1章 アメリカン・デモクラシーの光と影 ・・・ 2009年のオバマ大統領就任に見る希望。一方でアメリカの保守性は変革を嫌う(通常は民主主義の実験室というような評価になるので以外。個別の問題では実験をするが、政府や政権の変更を避けるのだろう)。21世紀ゼロ年代の共和党政治は、アメリカ内の差別やマイノリティ軽視を拡大している…
指定校推薦か一般入試か… 同志社志望の高2生、現在在籍している高校で指定校推薦を十分に狙える位置にいます。しかし、同志社は理系の枠のみ…関西大学なら枠は十分に用意されているとのことです。指定校推薦で進学できれば、その後は試験のプレッシャーもなく、安泰に過ごすことができますから、悩ましいところです。 指導者としては、ある程度プレッシャーのある状況のほうが、学力がつくと思う面もありますが、意見の分かれるところでしょうか。 現代文の指導 3/18(月)の指導、引き続き『アメリカニズムの終焉』第3章を読んでいます。今回は、ほとんど思想史的な視点からみた近代史といった感じになりましたが、デモクラシーやナ…
本日は現代文 引き続き『アメリカニズムの終焉』を読んでいます。第三章は、19世紀イギリスから20世紀アメリカへの覇権の移行について述べられています。 ここには古典的リベラリズムからアメリカン・デモクラシーへの高らかな跳躍を見て取ることができます。つまり、19世紀アメリカが勢力均衡的な発想のモンロー宣言の下での孤立主義から、20世紀アメリカのウィルソンという伝道師を介して、理想主義的な国際秩序を宣言するという転換を果たしたということです。 ウィルソンの理想主義は、自由を保障すれば国際紛争が自然と解消されるという楽観的で古典的なリベラリズムを引きずるものであり、その点がカーによって批判されました。…
アントニオ・グラムシ(Gramsci, Antonio) アントニオ・グラムシ(Gramsci, Antonio) グラムシ著作リンク一覧 グラムシ著作一覧 Wikipedia グラムシ著作リンク一覧 愛と思想と人間と : 獄中からの手紙(上杉聡彦 訳. 合同出版社, 1962 → 合同叢書 1978) グラムシ獄中ノート(石堂清倫 訳 三一書房, 1978) グラムシ獄中ノート 1(グラムシ研究所 校訂, V.ジェルラターナ 編, 獄中ノート翻訳委員会 訳. 大月書店, 1981① ②) アメリカニズムとフォーディズム : ノート22 (アントニオ・グラムシ獄中ノート : 対訳セリエ ; 1…
【日本人愚民化?!日本人弱体化?!】“焚書”とは何か?GHQが7千冊名著を禁書にした理由~日本に原爆投下を命令したトルーマン米大統領「猿(日本人)をバカに変えて我々が飼い続ける」~ ■現代日本人に思想破壊をもたらしたGHQの焚書と日本人協力者 SAPIO(小学館)2015.08.19 NEWSポストセブン https://www.news-postseven.com/archives/20150819_340497.html?DETAIL&from=post-h1-2-2 ~~~ 戦後、GHQによる言論統制があったことは有名だが、そこに多くの日本人が関わっていたことはあまり知られていない。 か…
中学3年からのお付き合いです。 元々、英語は苦手科目だったそうですが、今ではすっかり定期テストの得点源になりました。定期テスト対策は、ほとんどお任せしているくらいです。 文法はかなり高度なレベルまでおさえているので、後は《精読の高速化》を積み上げていくだけです。 現代文の指導 さて、今回の指導では、佐伯啓思『アメリカニズムの終焉』を読みました。 佐伯啓思の文章は、一時期は入試でよく出題されました。評論文は《近代》を問題視することが多いですから、背景知識を立体化していくことが重要です。そのためには、キーワード読解を暗記して終わっていてはいけません。筆者と問題意識を共有しながら、その用語を使いこな…
以下は、2020年の『群像』新人賞で最終選考まで残り、落選となった文章である。 これはもともと同賞への応募原稿として書いたわけではなく、アメリカ留学中に何十本と書いたノートの1つである。留学1年目の第2セメスター終盤、わたしは履修していた授業のレポートとして2つのアイディアを抱えていた。結局はもう片方の案、村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』論をレポートとして提出したのだが(これは論文化された)、その後、夏休みに入ってヒマになったので、提出のアテもないまま、もう片方のアイディアを日本語で文章化することにしたのだった。同賞に応募したのは、その約2年後である。 なるほど、いま読むと院生のノート以上のな…
【最近見た映画】 『劇場版SPY×FAMILY CODE: White』(片桐崇監督、2023年)B- 映画はもともとほとんど見ないのに、好きなアニメの劇場版ということもあり、これだけは前から楽しみにしていたのだが…… 原作はもともと子ども向けと言い切るにはやや難があり、そこがスリリングで良かったと思う。劇場版はそういう要素はすべて捨て去り、完全に子ども向けの娯楽映画に徹している。 そこを承知しておかないと観られたものではない。 映像は良いかもしれないが、あまりにシナリオが雑である。まずアーニャがふとしたきっかけで事件に巻き込まれ、敵の組織に捕われる。ロイドとヨルはアーニャを救うべく敵の飛行船…