2023年5月某日 徹夜二日目、眠気がピークに達し、起きているのか夢を見ているのか、酒に酔ったかのように現実があいまいになる。 冷房があまり効いてない中華製バスで、身を縮めてジッと暖まるのを待つ。 5月だというのに10度ほどしかない。防寒着はジャケットのみ。明らかに寒い。 ふいに、ガタイの良いセルビア人のドライバーが、前の席に移るように促した。 車内には私と、老人と、ドライバー、とその助手がいるだけだった。 わけもわからず前の席に移る。老人は助手と話をしているが、セルビア語で何一つわからない。ロシア語であればよいのに。 ふとバスが止まった。 状況を説明すると私はブルガリアからセルビアへ陸路で入…