様々な立場から見解があり、一義的な定義は難しい。
元は、欧米列強の侵出・大きなパワーゲームの時代に直面し、国民国家形成・西欧の尺度における文明国化を成し遂げなければ亡国しかねないという脅迫感の中、中国や東南アジア各国と連帯して、欧米列強の物理的・精神的植民地化対抗すべしとの考え方。
しかし、日本ではその後、「日本の独立を守るためには対外的な膨張を図り,日本列強化を列強化するしかない」という主張に接続し、「列強の進出を食い止める」「列強を駆逐せよ」という主張が展開される。「亜細亜モンロー主義」「東亜新秩序」「東亜共同体」「大東亜共栄圏」といった様々な観点が打ち出されていき、「列強に代わる日本のアジア覇権=アジアの解放」という感覚が生まれていった。結果として、それらは日本のアジア支配を正当化し侵略性を隠蔽する効果を持ち、その功罪は大きい。
だが、この考え方の原初に立ち返ってその本義を現代で捉え直す作業は必要である。
亜細亜主義の顛末に学べ―宮台真司の反グローバライゼーション・ガイダンス